『スウェーデンのモーツァルト』ヨーゼフ・マルティン・クラウスの名盤

目安時間:約 10分
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ヨーゼフ・マルティン・クラウス

という作曲家をご存知でしょうか?

 

私は、アリアCD店主

松本大輔著『このNAXOSを聴け!』

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を読むまで全く知らない作曲家でした。

 

この作曲家の紹介は、

この本のいきなり最初に登場します。

 

しかも松本氏の紹介は、

かなりテンション高いです。

 

ちょっとその松本氏の

ハイテンションな解説をご紹介しましょう。

 

“せっかくなので

その「ヨーゼフ・マルティン・クラウスの第3集』、

買って聴いてみた。

そしたらドカーン、大爆発。

すごかった。むちゃくちゃかっこよかった。

古典派、超・疾風怒濤音楽。

血沸き肉躍る、

ある種ロマン派をも凌駕する

激情的表現の大行進。

ハイドンの荒れ狂った

中期のシンフォニー、

モーツァルトの『交響曲第25番』などを

髣髴とさせて、

ときにそれら以上の快感と

興奮を味わわせてくれる。

壮絶。”

 

こんな文章に接すれば聴かずに要られません。

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『クラウス: 交響曲全集 第3集』
【曲目】
交響曲 嬰ハ短調 VB140
交響曲 ハ短調 VB148 「葬送交響曲」
序曲 ニ短調 VB147
交響曲 ホ短調 VB141
【演奏】
ペッター・スンドクヴィスト(指揮)、スウェーデン室内管弦楽団

 



ヨーゼフ・マルティン・クラウスについて

 

ここで簡単に、

作曲家ヨーゼフ・マルティン・クラウスについて書きます。

モーツァルトと同じ1756年、ドイツ生まれ。

 

ただ、早くからスウェーデンで活動し、

時のスウェーデン国王グスタフ3世に認められ、

一気にストックホルムの宮廷副学長に就任。

 

しかも就任前に国王の指示で、

5年間に渡って、

ドイツ、オーストリア、

イタリア、フランス、イギリスで

音楽的研鑽を積みました。

 

国王からの信任の厚さが分かります。

しかもこのスウェーデン国王グスタフ3世が凄い人でした。

というよりもヨーロッパの歴史の中でも秀逸な人でした。

 

国王の地位に就くと、

当時貴族が握っていた

国政の権力をクーデターによって奪取。

 

その後、ロシア、デンマークとの戦争で

勝利を収めヨーロッパでの確固たる名声を手に入れました。

同時に拷問の廃止、言論の自由、

さらに社会福祉まで

手がけたと言いますから、

国王の鑑でした。

 

また、芸術・文化への理解と愛情も深く、

ヨーロッパ各国の芸術家・文化人を

スウェーデンに集めて、

優れた文化の浸透に尽くしました。

ヨーゼフ・マルティン・クラウスは、

その音楽分野の最高幹部だったのです。

 

彼は、そんな賢帝のもと

伸び伸びと創作活動を続け、

ハイドン、モーツァルトを

超えるような名曲を生み出していきました。

 

しかし、1792年、

国王は愛する劇場にて

背後からの凶弾に倒れたのです。

享年46歳。

 

もしあと20年、30年長生きしていたら、

スウェーデンはヨーロッパの大国と

なっていたかもしれません。

 

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ヨーゼフ・マルティン・クラウス 交響曲全集第3集

 

ヨーゼフ・マルティン・クラウス - Joseph Martin Kraus (1756-1792)
シンフォニア  嬰ハ短調 VB 140
Sinfonia in C-Sharp Minor, VB 140

1.(07:37) I. Andante di molto
2.(04:09) II. Andantino
3.(02:01) III. Minuetto I
4.(05:58) IV. Allegro
total(19:45)

 

=====================================

 

ヨーゼフ・マルティン・クラウス - Joseph Martin Kraus (1756-1792)
交響曲 ハ短調 「葬送交響曲」 VB 148
Symphony in C Minor, VB 148, "Symphonie funebre"

5.(07:06) I. Andante mesto
6.(02:41) II. Larghetto
7.(00:44) III. Chorale
8.(07:27) IV. Adagio
total(17:58)

 

=====================================

 

ヨーゼフ・マルティン・クラウス - Joseph Martin Kraus (1756-1792)
9.(10:05) Overture in D Minor, VB 147 9.

 

=====================================

 

ヨーゼフ・マルティン・クラウス - Joseph Martin Kraus (1756-1792)
交響曲 ホ短調 VB 141
Symphony in E Minor, VB 141

10.(05:06) I. Allegro spiritoso
11.(04:49) II. Adagio non tanto ma con espressione
12.(05:20) III. Presto
total(15:15)

スウェーデン室内管弦楽団 - Swedish Chamber Orchestra
ペッテル・スンドクヴィスト - Petter Sundkvist (指揮)

 

 

クラウス:交響曲集 3 (スウェーデン室内管/スンドクヴィスト)

 

既出盤が世界の音楽ジャーナリスト絶賛の、「スウェーデンのモーツァルト」クラウスの交響曲全集、第3集は何と全曲短調、ただならぬ雰囲気が漂います。中でも特異なのが、快速楽章が無い「葬送交響曲」で、友人でもあった国王グスタフ三世の暗殺(作曲者も同じ年に没)への悲嘆の叫びとなりました。本家モーツァルトが大嫌いだった調性の嬰ハ短調を用いたベートーヴェン的世界の創出、序曲ニ短調9での押しの強いフーガの展開、ホ短調のフィナーレ12での一気呵成のたたみかけ、まさに本物の才能です。交響曲ファンの貴方には、一日でも早くクラウスを知っていただきたいのです。
CD帯紹介文

 

 




最後に

 

ヨーゼフ・マルティン・クラウスが、

その国王の暗殺を悲しんで

作曲したのが

このCDにも収録されている

『葬送交響曲』。

 

そして作曲後、

国王の後を追うように世を去りました。

享年36歳。

 

モーツァルトが死んだ翌年でした。

『葬送交響曲』は、

全4楽章、快速楽章がありません。

 

しかも当時としては珍しいハ短調。

 

モーツァルトも使わなかった調性で、

まさにベートーヴェンの世界観です。

 

クラシック音楽、

そして交響曲を愛する人には

ぜひ聴いて頂きたい一枚です。

 




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