チャイコフスキーの悲愴 シュミット=イッセルシュテットとドイツ復興の夢

目安時間:約 4分
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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
北ドイツ放送交響楽団
1954年。復刻アリアCD

 

1945年ドイツ敗戦の年、シュミット=イッセルシュテットは45才。
指揮者としてまさに働き盛りでしたが、ある農村に疎開して鬱々とした日々を暮らしていました。

 

なんと言っても彼は、ベルリン・ドイツ歌劇場の音楽総監督にまで上り詰めた男です。

 

そんなある日、二人のイギリス人将校が、疎開先のシュミット=イッセルシュテットを見つけ出し、訪ねてきたのです。何事か?当然、彼は警戒しました。

 

ところが彼らの申し出は驚くべきものだったのです。
イギリス支配下にあるハンブルクに新しい放送オーケストラの創設したい、そのためにあなたの力を貸してほしいというものだったのです。

 

しかも中途半端なものではない、NBC(アメリカ)BBC(イギリス)フランス国立放送のオーケストラと肩を並べる高水準にしたい、ベルリンフィルとウィーンフィルの弦、コンセルトヘボウとボストン響の管レベルの技術を要するオーケストラにしたいというとんでもないものでした。

 

まるで映画のようなお話。

 

そしてここからシュミット=イッセルシュテットは、夢のオーケストラの創設に向かって、邁進するわけです。

 

シュミット=イッセルシュテットには1台のクルマを与えられ、彼はそれで各地の捕虜収容所を回って、散り散りになっている音楽家たちを集めて、想像を絶する苦難の末、なんとその年1945年11月にはハンブルクで1回目のコンサートを開くまで漕ぎつけました。
それがこの北ドイツ放送交響楽団だったのです。

北ドイツ放送交響楽団は、まさにドイツ復興の夢を託されたオーケストラだったのです。

 

シュミット=イッセルシュテット指揮の「悲愴」は、創設10年目の録音。
きりりと引き締まった愚直な演奏で、特別に何かをしている訳ではありません。

 

でもこの演奏には、ドイツ復興に邁進したシュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送響メンバーとそれを支えた聴衆たちの熱い夢と思いが詰まっているのです。




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