アンチェルの名盤 チェコフィルとの最高の”新世界より”は聴くべし

目安時間:約 5分
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カレル・アンチェルの名盤

 

アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)
交響曲第9番ホ短調 作品95"新世界より"
カレル・アンチェル指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 

第1楽章:Adagio - Allegro molto
第2楽章:Largo
第3楽章:Scherzo
第4楽章:Allegro con fuoco
録音:1961年12月 プラハ
アリアCDレーベル

 




 

アンチェルの名前は、もう何十年も前から知っています。
チェコの生んだ名指揮者ということも知っています。

 

でもその録音をなかなか聴きだせませんでした。

理由は、アンチェルの人生に訪れた悲劇からで、彼の演奏を聴くと、もうその思いが溢れ、慟哭するのではないか、と怖かったからです。

 

でも、僕の敬愛するアリアCD店主の松本氏が、アンチェルのファンで、
自身のレーベルでアンチェルの演奏を復刻したので聴いてみることにしました。

 

それがこのドボルザークの"新世界より"でした。

 

松本氏は、最高の"新世界より"とコメントしています。

そうなると聴くしかありません。

 

そして聴きました。その素晴らしさに胸が締め付けられました。

 

なんと生きた音か!

それぞれの楽器が、肉声のように心に響いてきます。
復刻が素晴らしいからでしょうか?

演奏者の息遣いまで伝わってきそうです。

 

宇野功芳氏の表現を借りれば、切れば血の出るような演奏と響きなのです。

 



 

カレル・アンチェルの悲劇から目を背けるな

 

アンチェルの最初の悲劇は、ユダヤ人ゆえで、チェコがナチスドイツの支配下になるとアンチェルは、妻と息子と共に収容所に入れられました。

 

そしてその後、妻と息子はガス室で命を落とし、アンチェルのみが生還したのです。

 

アンチェルにとって、筆舌に尽くしがたい事件でしたが、
戦後、楽壇に復帰して、のちチェコフィルの指揮者となり、厳しい練習で、チェコフィルに過去の栄光を取り戻させました。

 

この録音がその頃のもので、本当に生きた音とはこの響きかと思わせる、
素晴らしい響きを聴かせてくれます。

 

そして第2の悲劇は、1968年にアメリカ演奏旅行中に起きたチェコ事件により、帰国を断念し、アメリカに亡命したことです。

 

この二つのアンチェルを襲った悲劇を彼はどう受け止めたのでしょうか。

それを想うと僕はなかなか彼の演奏を聴きだせなかったのです。

 

でも、アリアCDの復刻盤を聴いて、僕は決心しました。
アンチェルは、どんあことがあっても演奏を続けたのです。そして人々に素晴らしい音楽を届けたのです。

 

だから、聴かないといけないのです!

 



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