ハンス・シュミット=イッセルシュテットのブルックナー”ロマンティック”を聴け!

目安時間:約 9分
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その実力の割には、日本での評価はいまいちという指揮者に

ドイツの名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973)がいます。

 

少し前の巨匠たちに比べても、後輩のギュンター・ヴァントと比べてでも

知名度においても人気面でも下のような気がします。

 

しかし、この人は’64年、’70年と二回来日して

読売日本交響楽団と大阪フィルハーモニーを指揮しています。

もしかして、古いファンの中には、その演奏を聴かれた人がいるかもしれません。

 

まあ脇役ばかりでもキラリと光る役者さんがいるように、

これくらい地味な存在で、通好みのファンに愛される指揮者という方が、

合っているかもしれませんね。

 




ハンス・シュミット=イッセルシュテットのブルックナー第4番を聴け!

 

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」

 

ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
北ドイツ放送交響楽団
1966年12月14日、16日 ハンブルク

 

ブルックナーの名演はたくさんありますが、

これほど何もしていないように見えて、

内容のつまった演奏は少ないと思います。

 

ひとつひとつのフレーズに心がこもっています。

 

聴いていて一人一人の奏者が、音楽を奏でる喜びに感動しながら
演奏している様が伝わってきて、聴き手も、ああなんて素晴らしい曲だろう、

演奏だろうと心を打たれます。

 

奏者からその良さを引き出している

指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットの

人間性、音楽性の高さもこの素晴らしい演奏の理由でもあります。

 

第二次大戦後の荒廃したドイツで、

占領軍の将校が、疎開先のハンス・シュミットを見つけ出し、

訪ねてきて、新しい放送オーケストラの

創設と育成に尽力してほしいと依頼して来ました。

 

そして、占領軍はシュミット=イッセルシュテットに1台のクルマを与え、

彼はそれで各地の捕虜収容所を回って、

散り散りになっている音楽家たちを集めて、

オーディションをし、なんと1945年11月には1回目のコンサートを開いています。

 

それが北ドイツ放送交響楽団です。

 

ハンス・シュミット=イッセルシュテットが創設した"夢のオーケストラ"

 

シュミット=イッセルシュテットの手記の中で、

各奏者たちはどこから調達したのかわからないが

それぞれの楽器を携えてやってきた。

 

あるコントラバス奏者は、壊れてもおかしくない

ボロボロのウッドベースを持ってきた演奏したが、

自分に深い感銘を与える演奏をしてくれたと語っています。

 

シュミット=イッセルシュテット自身が「わが夢のオーケストラ」

と呼んだ北ドイツ放送交響楽団の創設と育成は、彼の偉大なる業績であると共に、

ドイツの復興を象徴する存在だったと思います。

 

米英の占領軍が、新設オーケストラの創設に

シュミット=イッセルシュテットを選んだことは、

彼らの情報収集の確かさに感服するしかありません。

 

また、シュミット=イッセルシュテットが、

大戦前からのナチス台頭のもとでも、ナチ党の入党もなく、

 

ヒンデミットやストラビンスキーなど

ナチスが白眼視をする作曲家の曲も

積極的に取り上げていたことなど、

英米情報将校たちはしっかり把握していたのです。

 

シュミット=イッセルシュテットの時の勢力に迎合することなく、

自分の信じる道を行く姿勢は、素晴らしいものです。

 

戦前、ハルビンのオーケストラを指揮していた朝比奈隆が、

やはり同じ姿勢を貫いた人で、敗戦後の引き揚げ時に

多くの中国人から助けてもらった、と手記に書いています。

 

本当に信頼される人とはこんな人たちなのですね。

 

ハンス・シュミット=イッセルシュテット&北ドイツ交響楽団の

ブルックナーの隅々まで美しく伸びやかな演奏を聴いていると、

その創設期の物語に思いを馳せ、気が付くとうっすらと目が潤んでいる自分に気づきました。

 



 

ハンス・シュミット=イッセルシュテットのブルックナー交響曲第4番"ロマンティック"

 

タワーレコードで入手できるディスクの紹介です。

 

メーカーのキングインターナショナルも一押しの名盤です。

 

Bruckner: Symphony No.4 ハンス・シュミット=イッセルシュテット 、 北ドイツ放送交響楽団

 

【曲目】
ブルックナー:
交響曲第4 番変ホ長調『ロマンティック』 WAB 104(ハース版)

【演奏】
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
北ドイツ放送交響楽団

【録音】
1966年12月14、16日/ハンブルク(ライヴ)

 

オーケストラ創設者にして初代首席指揮者の残した芸術。
イッセルシュテット&北ドイツ放送響の名演がリマスタリングで蘇る!
ヴァント時代以前に鳴り響いていた、輝かしくも幽玄なブルックナー!

ターラ・レーベルの名盤を復刻。リマスタリングを施し音質向上、一層輝きのある美しい音色に生まれ変わりました。
イッセルシュテットは1945年から26年間にわたり初代首席指揮者を務めこのオーケストラを鍛え、世界有数のオーケストラに育て上げました。北ドイツ放送響のブルックナーと言えば80年代に首席指揮者を務めたヴァントによる録音が有名ですが、イッセルシュテット時代からすでに偉大なブルックナー演奏を実現していたことがはっきりと分かります。イッセルシュテットが「独特」と語る弦楽器の豊かな音量と暖かみのある音色が十二分に発揮され、輝かしくも幽玄な世界が広がっています。楽譜は概ねハース版に準拠していますが、指揮者独自の解釈により、一部ノヴァーク版に近い変更があります。
解説書にはイッセルシュテット自らその半生を語る「セルフ・ポートレート」を掲載。これが大変面白い!ベルリン人であることを誇りにしていたイッセルシュテットがハンブルクを「第二の故郷」と呼ぶようになるまでの変遷、大戦直後にあちこちの捕虜収容所を回り演奏家を集めて創設した北ドイツ放送交響楽団の話など、興味が尽きません。また、このコンビのディスコグラフィも収録しています。
第4番、第1楽章冒頭で弦楽の霧の中から緩やかな立ち上がりを見せるホルン。3音目の16分音符も尖りすぎず儚げな優しさがあります。そして頂上をしっかりと見据えながら、長い坂道をゆっくりと上っていくイッセルシュテットの絶妙なコントロール!一気に音楽に引き込まれます。
キングインターナショナル 発売・販売元 提供資料 (2017/03/01)

 




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