チャイコフスキーの悲愴 最後の巨匠アントン・ナヌートの遺産

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チャイコフスキーの交響曲第6番“悲愴”
彼の最後の交響曲。

 

僕は、この曲が好きで、CDも何種類か持っています。

 

なぜ好きかというと、基本的にチャイコフスキーが好きなのと、初めてクラシックのLPを買った時の曲だったからでやはり思い入れがあるんでしょうね。

 

実は今年になって“悲愴”の名盤と立て続けに出会っています。
名曲だけに名演、名盤は多いのでしょうが、えっ!こんな人が、こんな凄い演奏をしていたんだって、感動しっぱなっしです。

 

カラヤン&ウィーンフィルの'48年盤、ハンス・シュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送響、ケンペ&フィルハーモニア管、朝比奈隆&大阪フィル、そしてナヌート&スロヴェニア放送交響楽団。

 

最後のナヌート指揮スロヴェニア放送交響楽団は聞きなれない名前でしたが、聴いて驚きの風格の名演。世界は広いです。

 

今日は、ナヌート指揮スロヴェニア放送交響楽団のチャイコフスキーの"悲愴"についてご案内します。




旧ユーゴスラビアに凄い人がいた

 

旧ユーゴスラビアの指揮者というと、日本人のクラシック音楽ファンならほとんどの人がロブロ・フォン・マタチッチの名前を挙げるでしょう。

マタチッチはクロアチアの人で、不器用そうな外見とは裏腹にピアノが上手くて、骨太な音楽を聴かせる大指揮者でした。

 

そして、アントン・ナヌートは、1932年生まれのスロヴェニア出身の名指揮者でしたが、昨年1月に84才で惜しくも亡くなられました。

 

近年では、紀尾井ホール室内管弦楽団に客演して、感動的な演奏を聴かせてくれたので記憶に新しい方も多いのではないかと思います。

 

スロヴェニアは、小国です。面積は四国より少し広い程度で、人口も200万人程度。四国4県の人口が400万人ですから、その規模が分かります。

 

でも、スロヴェニア放送交響楽団は、1955年設立で現在、中国人のエン・シャオが首席指揮者で、幅広いレパートリーを情熱的な解釈で披露し好評を博しているそうです。



ナヌート指揮スロヴェニア放送響の"悲愴"

 

ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)
交響曲第6番ロ短調作品74“悲愴”
アントン・ナヌート指揮
スロヴェニア放送交響楽団

Ⅰ(20:35)Adagio-Allegro non troppo
Ⅱ(07:59)Allegro con grazia
Ⅲ(07:39)Allegro molto vivace
Ⅳ(09:20)Finale:Adagio lamentoso
録音2012.10.4

 

CDの帯に

“ゴツゴツした肌ざわりと紛れもない巨匠の風格”

というコピーがイケない。

 

先入観を持ってしまったようで、実際に聴いてみると、もっと素朴で大らかで、開放感があり、そしてしみじみとした懐かしさを感じさせる演奏で、大きな感銘を受けました。

 

ナヌートは、同じ旧ユーゴスラビア出身のマタチッチを尊敬していたそうですが、マタチッチの演奏もこんな演奏だったのだろうか(僕は未聴)

 

聴きごたえがあるのは、第1楽章と終楽章。
第2と第3楽章は、意外と淡々と進めています。

 

第1楽章の出だし、ファゴットの地の底から聴こえてきそうな響き、
展開部のティンパニーの連打の迫力と力強い部分もありますが、
この楽章だけで20分以上を要して、全体的にはしみじみとした懐かしさや大らかさ、包容力のある優しさに満ちた演奏だと僕は感じます。それは終楽章も同様な印象です。

 

 

スロヴェニアの朝比奈隆か?

 

スロヴェニアには行ったことはありませんが、大きな国ではないし、人口も200万人程度。

クラシック音楽的には、ヨーロッパに位置しますが、辺境的なイメージは拭えないか、と思いきや、国境をイタリア、オーストリアと接していることから、意外とドイツ=オーストリア系、イタリア系、どちらでも行けますよって感じなのかもしれない。

 

ナヌートの指揮で“悲愴”を聴いていると、つい朝比奈さんの演奏を思い出してしまった。

 

どちらもこの曲の持つ、悲しみや苦しみの部分よりも、もっと懐かしさ、大らかさを感じさせてくれるからだろうな。

まとめ

ナヌートは、惜しくも昨年1月に84才で亡くなりました。

 

アントン・ナヌートのブラームス4番
↑ ↑ ↑
こちら5年前に東賢太郎さんという方が書かれた記事です。

 

最後の巨匠などという陳腐な表現で恐縮ですが、今の時代、貴重な指揮者だったと思います。ご冥福をお祈りします。

 




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