ベーム&ウィーンフィルの穏やかにして豊穣な運命

目安時間:約 3分
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50年代のベームは厳しく造型を作り上げる指揮者でした。
その厳しい演奏に襟を正さずにはいられない魅力がありました。

 

70年代にウィーンフィルと録音した全集には、50年代には見られなかった脱力系の演奏です。最初効いた時は、ベームも老けたな、なんて思っていましたが、最近は、これもこれでなかなかいいな、感じるようになりました。

 

僕自身が脱力系になったからでしょうか?

 



ベームとウィーンフィルの脱力系"運命"

 

ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」

カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1970年4月25日~30日録音

 

数日前に1953年録音のベーム&ベルリンフィルの録音をご案内しました。
当時60才前のベームもこの録音時は既に70代後半。

同じ「運命」の演奏はどう変化したでしょうか?

 

このウィーンフィルとの録音は、ベルリンフィルの厳しい造形美と激しい気迫、そしてフルトヴェングラー統治下のベルリンフィルの怒涛のアンサンブルとはちがい、

 

もっと穏やかで、力こぶの入っていない、そしてウィーンフィルの豊穣なサウンドを楽しむ演奏になっています。

 

第1楽章の冒頭も気の抜けたような出だしで、第3楽章も気迫と緊張感に乏しく感じます。

 

最終楽章になってやっと気合が入って来たかなという演奏です。

 

でも決して平凡ではなく、ゆとりあるウィーンフィルのサウンドが素晴らしいです。これはこれで名演と言えましょう。

 




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