朝比奈隆の名盤 ベートーヴェンの4番と7番 87才気迫の凄演

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朝比奈隆指揮NHK交響楽団 '95年12月13日

 

1995年12月13日のNHKホールで、NHK交響楽団の第1279回定期演奏会が開催されました。

 

指揮は御年87才の日本のいや世界の巨匠・朝比奈隆。

 

同い年のカラヤンは既に亡く、バーンスタインも逝き、世界を見ても圧倒的カリスマ性を発揮している人は、4つ年下のヴァントとチェリビダッケ、そして朝比奈隆くらいでしょう。
ちなみにチェリビダッケは、翌年に83才で、ヴァントは朝比奈の後を追うように朝比奈が亡くなった1ヶ月半後に90才で亡くなりました。

 

そんな朝比奈が、前年に続いてNHK交響楽団の定期演奏会に登場しました。

 

この1995年は、日本の歴史でも忌まわしい出来事がありました。

1月17日の阪神・淡路大震災、そして3月20日のオウム真理教による地下鉄サリン事件。

 

バブル経済も破綻して、世の中には暗い影が忍び寄ってきていました。
個人的には、結婚3年目で長女が誕生し、僕は38才になっていました。
正直、景気の先行きも分からず、不安を抱えていた頃でしたね。



朝比奈隆指揮NHK交響楽団のプログラム

NHK交響楽団の第1279回定期演奏会は、
1995年12月13日と翌14日の2日間行われました。

プログラムは、ベートーヴェンの交響曲第4番と第7番。

 

CDに収録されているのは13日の方ですが、87才の朝比奈隆は、CDで聴いてもぐいぐい伝わって迫力溢れる奇跡的な名演を残しています。

 

当日NHKホールで実演を聴いた人は、一生の財産となっていることでしょう。

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)

交響曲第4番変ロ長調作品60 39:10
Ⅰ.13:14 Adagio-Allegro vivace
Ⅱ.10:49 Adagio
Ⅲ.06:30 Allegro vivace-Un poco meno allegro
Ⅳ.08:17 Allegro ma non troppo

 

交響曲第7番イ長調作品92 47:04
Ⅰ.16:23 Poco sostenuto-Vivace
Ⅱ.09:24 Allegretto
Ⅲ.11:35 Presto
Ⅳ.09:23 Allegro con brio

 

朝比奈隆とN響との協演は、1986年にG・ヴァントの代役を務めた2回の定期公演を含めて20回です。その内戦前のN響がまだ新交響楽団、日本交響楽団と称していた時代のものが3回あります。

 

これは決して多いという回数ではないです。

 

そして最後に振ったのが、2000年11月3日・4日の第1417回定期で、ブルックナーの交響曲第4番"ロマンティック"を振っています。

 

朝比奈隆は、翌2001年12月29日に93才で亡くなるのですが、
翌2002年6月に開催されるN響75周年を祝う公演を指揮するのを心待ちにされていたそうです。


朝比奈隆とNHK交響楽団の奇跡の名演

 

残された僕らは、朝比奈隆が93才で亡くなったことを見届けていますが、95年当時、朝比奈隆は、既に87才で、N響との協演はこれが最後という覚悟で臨まれたことと想像できます。

 

もうN響との次はないかもしれない、もしかして指揮も最後かもしれない、だから自分のベートーヴェンの集大成をここで披露するという覚悟で指揮されたことでしょう。

 

N響のメンバーも目の前の人とは最後になるかもしれないという緊迫感の中、弦楽奏者は、一音たりとも疎かにせず弾き切り、木管は憑かれたように吹き、金管は咆哮し、ティンパニーは強打し、朝比奈隆と渾身一体となり、やることはすべてやり尽くしたということ壮絶なステージの中で奇跡の名演が生まれたのだと思います。

まとめ

正直に言うと、僕は朝比奈氏の全盛期は70年代から80年代中盤の氏の60才代から70才代で、圧倒的なカリスマ性を発揮した80年代後半以降は、名誉指揮者としての象徴のような存在と感じていました。

 

実際、89年に新日フィルと録音したベートーヴェン全集も良い演奏もありますが、どこかに衰えを感じていました。

 

でも、僕はこのN響との録音に接して、自分の浅はかな考えを大いに恥じました。

 

朝比奈隆は、亡くなるまで成長した真の芸術家、職人、舞台人だったのです。

 

ここに朝比奈隆氏の生涯の演奏活動に敬意を表し、改めてご冥福をお祈りいたします。


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