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ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 起死回生、名誉回復の傑作!?

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ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)は、

ソヴィエト連邦の作曲家でした。

 

ソヴィエト連邦はなくなりましたが、

ショスタコーヴィチの創作活動は、

ソヴィエト史と切っても切れない関係があります。

 

僕が、初めてモスクワに行ったのが1987年のこと。
当時はまだソ連でした。

 

最後に行ったのが、1994年。

 

この7年間の内、10数回行き、

多い年は5回位行きました。

 

ゴルバチョフのペレストロイカに始まり、
1991年8月19日の保守派のクーデター後の連邦崩壊、
その後の市民たちの困窮から、復興の時代を多少ながら体験することが出来ました。

 




ムツェンスク郡のマクベス夫人の成功と批判

 

ショスタコーヴィチは、

1925年、レニングラード音楽院の
卒業作品として書いた交響曲第一番で、

国際的な注目を集めました、

 

ソ連国内はもとより、国外でも、

ストコフスキー、ワルター、トスカニーニといった
当時の大指揮者たちが取り上げたほどでした。

 

そして、27才の時にヨーロッパからの革新的な技法を吸収した
オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で大成功を収めるのです。

 

このオペラはレニングラードとモスクワで、

それぞれ100回近く上演されました。

 

しかし、しかしです、1936年、ソヴィエト共産党機関紙「プラウダ」紙上で、
突然このオペラは攻撃を受けたのです。

 

「音楽ではなく荒唐無稽」と題された記事で、
「金切り声の神経症的なこの作品は、粗野で下品なものである」
と論評されたのです。

 

この論評が、「プラウダ」の載った2日前、

スターリンが、劇場に現われ、途中で退席したそうです。

 

ナチスの時代と同じですね。

このあと文化統制と粛清の時代に入っていたわけです。

 

なお、ショスタコーヴィチは、このオペラの数年後、

交響曲第4番を書き上げましたが、

 

ショスタコーヴィチは、リハーサル中にいきなりスコアを回収して、

なんと初演はその後25年後の61年になってからでした。

 

スターリン恐怖政治下での粛清を恐れたのです。

 

力作第4番の代わりに発表したのが、第5番で、

これで当局からは、

「正当な批判に対するソヴィエト芸術家の創造的応答」

とみなされ、名誉を回復しました。

 

いまでは信じられないことですが、

日本でもかつてあったことです。

 

こんな時代は、

もう絶対来ないようにしなければなりません。

 



ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

 

ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)
交響曲第5番ニ短調作品47

Ⅰ(15:29)Moderato
Ⅱ(05:33)Allegretto
Ⅲ(13:19)Largo
Ⅳ(11:14)Allegro non troppo

ルドルフ・バルシャイ指揮
ケルンWDR交響楽団
録音:1995年7月、’96年4月 ケルンにて

 

ソヴィエト当局から作品がブルジョワ的にすぎると

批判を受けた直後に書いた曲だけに、
苦しみと闘ってそれを克服し、

勝利を得るというベートーヴェンの第五番のような内容を持ち、

それが大衆的な人気を博したのでした。

 

※ショスタコーヴィチとバルシャイ

 

ショスタコーヴィチの曲の中ではもっともポピュラーな曲の一つです。

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バルシャイの演奏は、全体的に静的で悲しみを湛えています。

 

終楽章の歓喜の行進にもなにか悲しさ、虚しさを連想させる演奏で、
録音の良さをそれを余計、顕著にしているように思います。

 

ショスタコーヴィチに心酔し交流もあったバルシャイが、
ショスタコーヴィチの心情にまで踏み込んだ演奏ではないでしょうか。

 



ショスタコーヴィチ 交響曲第6番

 

ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)
交響曲第6番ロ短調作品54

Ⅰ(18:50)Largo
Ⅱ(05:47)Allegro
Ⅲ(07:01)Presto

ルドルフ・バルシャイ指揮
ケルンWDR交響楽団
録音:1995年10月 ケルンにて

 

 

1937年に発表された前作交響曲第5番の空前の大ヒットにより、
次作も期待されたが、1939年に発表された第6番は、
三楽章形式の30分ほどの小ぶりな曲だったので、
世間を失望させたようです。

 

この曲に時間しては、作曲者自身は次のように語っているそうです。

 

“この曲気分の点でも情緒的緊張の点でも第五交響曲とは対照的である。

物思いに沈んだ抒情的な第一楽章につづき、青春と歓び、

若々しさを伝える二つの楽章が演奏される”

 

バルシャイの演奏は、端正で心の籠った演奏ですが、
他の演奏を聴いたことがないので、なんとも言えません。

 

今後、宇野氏がすすめる

ムラヴィンスキーやハイティンクも

聴いてみようと思います。

 



CDの紹介

 

今回取り上げたCDセットの紹介です。

 

ルドルフ・バルシャイが私財を提供して完成させた

 

思い入れに満ちた”傑作ボックス!

20世紀ソヴィエトを代表する大作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲全集が、
グッド・プライスでリリース以来の大ロング・ヒット継続中!

 

ルドルフ・バルシャイ(1924年8月28日~2010年11月2日)といえば、
ショスタコーヴィチに師事した経歴を持ち、

交響曲第14番の初演指揮者であり、
弦楽四重奏曲第8番を「室内交響曲」として編曲したりしており、
非常に作曲家と関係の深い音楽家です。

 

バルシャイが私財を提供して完成させた“思い入れに満ちた”傑作ボックス!

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