マリン・オールソップが、ロンドン・フィルを指揮して録音したブラームスの交響曲第4番が素敵です。
こんか清々しく瑞々しく優しく、ずっと包まれているいたいと思った演奏は初めてです。
特に第2楽章が絶品。
オールソップのブラームス4番 CD帯紹介文より
CD帯紹介文には、
重苦しいばかりがブラームスではない! さっぱりとした味わいもまた麗しい
大好評、オルソップのブラームス交響曲全集、ここに完結。音楽の細部までを徹底的に磨きあげた、まるで純米酒のような清冽な味わいのブラームスは聴き手に新しい驚きと感動をもたらすことでしょう。併録のハンガリー舞曲も聴きもの。「奇をてらうことなく正直」な演奏のすがすがしさ。まるで澄み渡った秋の空のような美しさです。
となっています。
まさに上手い表現です。
僕は、ブラームスの音楽と言うと北ドイツの重く垂れこめた雲の下で人生の重荷を背負ってひたむきに生活する人々の生き様を連想します。
でもそんな辛い生活の中に細やかな喜びを見つけて希望を捨てず生きている姿を連想します。
僕が北陸出身だからそう感じるのかもしれません。
また、その音楽は私小説的とも思います。そして饗応しいばかりのセンチメンタル。
朝比奈隆は、ブラームスのセンチメンタリズムがわかるのは中年以降の男性と言っていました。
僕もそう思います。
そして管弦楽でそのセンチメンタリズムをもっとも表しているのが交響曲第4番だと思います。
だから、第一楽章のテーマは、はらはらの枯れ葉が落ちるさまを連想させます。
イメージは、晩秋です。
ところがオールソップの演奏は、僕は5月の初夏を思わせるような澄み切った青空を思い浮かべさせます。
こんなアプローチがあったんだと深い感銘を受けました。
マリン・オールソップまたはオルソップは、1958年アメリカ生まれの女性指揮者です。
名前に馴染みはありませんでしたが、なかなかの実力者です。
しかも僕と同世代。嬉しいですね。
ぜひ、清々しいブラームスを堪能してください。
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一緒に収録されているハンガリー舞曲も最高に素敵な演奏です。
オールソップ&ロンドンフィル ブラームス交響曲第4番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
Symphony No. 4 in E Minor, Op. 98
1.(12:41) I. Allegro non troppo
2.(12:44) II. Andante moderato
3.(06:03) III. Allegro giocoso – Poco meno presto
4.(10:20) IV. Allegro energico e passionato – Piu allegro
total(41:48)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 – London Philharmonic Orchestra
マリン・オルソップ – Marin Alsop (指揮)
録音: 21-22 March 2005, Blackheath Concert Hall, London, UK
ブラームス:交響曲第4番/ハンガリー舞曲第2番, 第4番 – 第9番(編曲:P. ブレイナー)(ロンドン・フィル/オルソップ)
オーケストラの落ち着いた音色、手堅い音作りに支えられ、抑制のきいた凛とした端正な音楽が、たるむことなくしかし神経質にもならずに気品と透明感を伴って、さりげなくすいすいと進行していく。それが、正統ぶらずさりげない正統性としっとりした抒情を隠し味にしつつの清々しさをよく表しています。陰りの濃い4番交響曲をことさらに暗く演奏しないけれども十分に陰影が再現されてしまう、そんなさりげなさにすっかり魅了されてしまいました。
ナクソス・ミュージック・ライブラリーのレビューより
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