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シューリヒトの名盤 ブルックナーのロマンティックは感動の名演

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ドイツの名指揮者カール・シューリヒト(1880-1967)の

1951年から61年に掛けて行ったブルックナーのライブ録音から、

第4番“ロマンティック”をご案内します。

 

このCDは、新宿のディスクユニオンで見つけた購入しました。
2003年にMetromusica Croatiaという多分クロアチアのレーベルから発売されたもので、

値段も安価だったので期待しないで購入したのですが、

これがなかなかいいのでした。

 

つまり掘り出し物の名盤だったのです。

ブルックナーの交響曲でも人気の高い、第4番・5番・7番・8番・9番が収録されています。

 

何と言ってもシューリヒトのブルックナーが堪能できます。

 

しかも録音が悪くない。

古い録音にも関わらず、瑞々しさが残っています。

 

もともとの録音が状態が良かったのか、それともリマスターが良かったのか。

 

欲を言わせてもらうと終演後の観客の拍手も収録されていると、

より臨場感があったかなと思います。でも、それは贅沢というものか。

 

シューリヒトのブルックナーなら、ウィーンフィルとの名演が残されていますが、
シュツットガルト放送響中心のこのライブ録音集もシューリヒトのブルックナーの名演を

現代に伝える貴重な録音です。

 



ブルックナーの交響曲第4番とは

 

アントン・ブルックナー(1824-1896)の交響曲は、

いまでこそコンサートのプログラムにも絶えず載っているし、

CDも聴こうと思えば数多くあり、どれを聴いていいかわからないほどです。

 

でも、評論家の故宇野功芳氏が、その著書に書いていますが、

戦前はおろか70年代に入って朝比奈隆氏が、取り上げるようになってようやくという感じです。

 

例えば、僕は中学時代から大切に持っている、

「名曲事典」音楽之友社1969年発行のブルックナーの紹介では、

以下のように記されています。

 

 

わが国ではまれにブルックナーの交響曲が演奏されるにすぎないが、ウィーンなどでは、ブルックナーの都であるだけに、まめに聞いて歩けば毎シーズンかれの9つの交響曲の全部を聴くことさえ、さほど困難ではなく、ドイツ音楽の3大Bといえば、バッハ、ベートーヴェンとともにブルックナーを数える人もある。

 

 

つまり朝比奈氏が取り上げるまでは、ほとんど演奏の機会がなかったと思われます。

 

さて、交響曲第4番は、1873年に起稿して翌74年8月に聖フローリアンで終楽章を完成、

同年11月ウィーンで総譜を完成しました。

 

しかし、のち数回の修正を加え、第三楽章を新たに書き換えて、決定版を作りました。

 

1881年2月ハンス・リヒターの指揮によりウィーンで初演されました。

 

なお、”ロマンティック”という標題は、ブルックナー自身が付けましたが、19世紀は標題音楽の全盛期で、その風潮は絶対音楽家のブルックナーにまで及んでいたということでしょう。

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さてここで興味深いのは、この交響曲第4番”ロマンティック”が初演されたときには、シューリヒトは、もう生まれていたんですね。

 

しかも、ブルックナーが他界したのは1896年、シューリヒト16歳の時ですから、

シューリヒトにしてみれば、同時代に生きた作曲家の音楽として捉えることができたことでしょう。

シューリヒトのブルックナー交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”

 

アントン・ブルックナー(1770-1827)
交響曲第4番変ホ長調“ロマンティック”
Ⅰ(17:40)Bewegt,nicht zu schnell
Ⅱ(16:34)Andante,quasi allegretto
Ⅲ(11:17)Scherzo
Ⅳ(23:33)Finale.Bewegt,doch nicht zu schnell

 

カール・シューリヒト指揮
シュツットガルト放送交響楽団
録音1955年4月5日

 

今から60年以上前の録音ながら、瑞々しさが失われていないのが嬉しいですね。

 

シューリヒトのすっきりとした少しは速めのテンポでは、

音が籠っていては全く面白くないのですが、この録音はそういう意味では生きています。

 

シューリヒトの演奏は、すっきりとしていながら、コクもあり格調高い演奏で、

聴き終わったらまた聴きたくなる演奏です。

 



シューリヒトの純正なブルックナー

 

宇野功芳氏は、交響曲第4番”ロマンティック”について、次のように自身の本に書いています。

 

 

「ロマンティック」の場合も味の薄さは否定できず、ベームのようなストレートでリアルな演奏はその弱点を強調することになってしまう。
ブルックナーの交響曲は指揮者の細工により傷つきやすいが、4番だけは濃厚な味付けが必要だ、と長いこと信じていた。

 

 

宇野氏は、自身でも新星日本交響団を振って、手練手管の限りを尽くした演奏をしていて、僕もコンサートを聴きに行きましたが、正直いいとは思わなかった。

 

宇野氏もそれに気づかれたのか、上記の文章の後に、

朝比奈隆とギュンター・ヴァントの純正ブルックナー・スタイルで

すばらしい名演を残してくれたの事高く評価しています。

 

シューリヒトの演奏は、すっきりした中にもダイナミックな味付けがされていて、

第1楽章と終楽章がまさにスリリングな演奏になっています。

まとめ

 

シューリヒトが亡くなって昨年で50年が経ちました。
しかし、忘れられるどころか、その人気は衰えることはありません。

 

それは、すっきりとしてテンポ設定と瑞々しさを基調として格調高い演奏で、古さを感じさせないためと思います。

 

そして僕は、その演奏にチャーミングな愛らしさを感じてしまうんですね。
だから、聴き終わったらまた聴きたくなるという飽きない演奏がシューリヒト一番の魅力だと思います。



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