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クナッパーツブッシュのベートーヴェン第8番 戦時中の危険な遊び

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こんにちは、
ともやんです。

クナッパーツブッシュは、ワーグナーとブルックナーを得意としていたようですが、ベートーヴェンもなかなか味のある名演を残しています。

特に第8番は特にお気に入りのようで、数種類の録音が残されています。

今回は、クラシックの名盤のベルリンフィル・シリーズが、戦時中の1944年の録音です。

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クナッパーツブッシュのベートーヴェン第8番

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第8番 ヘ長調 作品93
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1944年

1.(10:04)Allegro vivace e con brio
2.(04:21)Allegretto scherzando
3.(05:24)Tempo di Menuetto
4.(08:09)Allegro vivace

『ベルリン・フィル~名演奏集[10CD]』

生きた時代は変えられない

 

人間は生きた時代を変えることが出来ません。

第二次大戦前に生まれて戦勝中に少年時代を過ごした僕の父親と、戦後10年以上経って生まれた僕と、平成になって生まれた僕の息子では生まれた時代が全く違うので、理解はある程度出来ても実感としては分からないのです。

だから第二次大戦前から起業し、戦後の混乱期を乗り越え、世界的な大企業にした松下幸之助氏や本田宗一郎氏と、戦後生まれの団塊の世代の起業家と平成になってからの起業家を一緒に語ることは出来ないと思います。

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戦前と戦後の指揮者は比べられない

 

そういう意味では、19世紀生まれのトスカニーニ、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、クレンペラーとアバド、ムーティ、小澤を一緒の次元で語ることも出来ないと思います。

20世紀も後半から活躍しだした指揮者を戦前から活躍していた指揮者と比べて、小粒になったという人がいますが、これは生きた時代のなせるわざです。

アバドが、トスカニーニと同時代に生きていたら、どんな音楽を創造していたかと思うとなんか妄想は広がります。

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クナッパーツブッシュが現代に生まれていたら

また、クナッパーツブッシュが、現代の巨匠サイモン・ラトルと同時代に生まれていたら、果たしてこんな演奏はしていなかったのではと思いますし、もっと言えば指揮者になれたのか、とも思います。

この1944年第二次大戦も終結に向かい、ドイツの敗戦濃厚な時期、しかし、ナチスドイツは最後の抵抗をしていた時期、逆にドイツ国内は非常に危険な状況にあった時の演奏。

明日の命も知れない指揮者とオーケストラのメンバー。

こんな巨大はベートーヴェンの第8交響曲は聴いたことがありません。

第3楽章の伴奏部分のアクセントの着け方や終楽章の遅いテンポなど、クナッパーツブッシュならではの名演です。

よくぞ録音が残っていたかと思われるくらいです。
しかもこの時期としては非常に良い状態の録音です。

でも、もうこんな状況下での演奏はないように願うばかりですね。

まとめ

 

これはあくまで演奏を聴いてのイメージですが、フルトヴェングラーが、内省的で神経質なイメージに対し、クナッパーツブッシュは、豪放磊落で遊び心がある人というイメージです。

この録音は、44年としか表示されていません。ベルリンフィルとどこで、どんな状況で録音したのでしょうか?

まさに命を賭けた遊びのようなぞくぞくする演奏です。



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