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シューリヒトのベートーヴェン 交響曲全集から”エロイカ”と第1番

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ドイツの名指揮者カール・シューリヒト(1880-1967)の唯一のベートーヴェン全集企画です。

1957年~58年に掛けて録音で、残念ながらモノラルですが、録音は悪くありません。ただ、録音された年代からみるとステレオ録音で残されていたらと残念でなりません。

事実、クレンペラー&フィルハーモニア管は同時期、ステレオ録音で残されています。

 

カール・シューリヒトには、ベートーヴェンの交響曲の演奏は多く残されていますが、短期間で単一のオーケストラ物としては、このパリ音楽院管弦楽団が唯一のものです。

シューリヒト幻のベートーヴェン交響曲選集

↑ ↑ ↑

さて、個人的には購入してから長らく聴いていなかったのですが、上記のクロアチアのレーベルから出ていたシューリヒトの交響曲選集を聴いて感銘を受け、ちゃんとした企画のものを聴かないと、ということで早速第1番、第3番”英雄”を聴きました。

 

改めて全集を聴き通しレビューを致しますが、本日は第1番と第3番”英雄”のみ書きます。



シューリヒトのベートーヴェン交響曲第1番

 

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第1番ハ長調作品21
Ⅰ(08:11)Adagio molto-Allegro con brio
Ⅱ(05:57)Andante cantabile con moto
Ⅲ(03:25)Menuetto.Allegro molto e vivace
Ⅳ(05:55)Finale.Adagio-Allegro molto e vivace

カール・シューリヒト指揮
パリ音楽院管弦楽団
録音1958年9月27日、29日

 

録音当時78歳のシューリヒトのどこにこのような瑞々しさがあったのか、この若々しく弾力があり溌溂として演奏は、これよりも30年後の古楽器演奏、特にジョン・エリオット・ガーディナーの爽快な演奏の先取りしている様に思われます。

 

これは録音のせいもあるかもしれないけど、トスカニーニの表現に潤いと瑞々しさを与えるとシューリヒトの演奏になる、という強い印象を受けました。

 

特に僕は終楽章の颯爽として愛らしい演奏が堪らなく好きです。

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シューリヒトのベートーヴェン交響曲第3番”英雄”

 

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第3番変ホ長調作品55”英雄”
Ⅰ(14:11)Allegro
Ⅱ(15:39)Adagio
Ⅲ(05:33)Allegro
Ⅳ(11:06)Allegro-Andante-Presto

カール・シューリヒト指揮
パリ音楽院管弦楽団
録音1957年12月18日、20日、23日

 

クラシックの演奏を聴くというのも、自分の年齢、その時の環境などによって違って来るものなのでしょうか?

 

僕が、初めてこの演奏を聴いた時は、なんかせかせかして軽い感じを受け、他の曲も聴くところまで行きませんでした。それはもしかしてオーケストラのせいなのかとも思ったりもしました。

 

しかし、今回別の演奏で”英雄”を聴き、深い感銘を受けたことからパリ音楽院管との”英雄”を改めて聴いてみました。

 

そして非常に感銘を受けました。

 

ここでこの演奏を高く評価している宇野功芳氏の評論から一部引用します。

 

“シューリヒトのは速いテンポで一気呵成に進むトスカニーニ・スタイルだが、出てきたものはまるで違う名人肌であり、トスカニーニの迫力から固さを除き、鋭さのみで勝負したような「エロイカ」である。”

 

続く第1楽章の宇野氏の評論も秀逸です。

 

“第一楽章は冒頭のチェロの主題からして、一つ一つの音にアクセントがつけられ、リズミックに颯爽と開始される。音楽は絶えずざわめき、スフォルツァンドやシンコペーションが強調され、伴奏型といえども彫り深く、少しの弛緩も見せず突進してゆく。低回なく、仮借なく、曲への情熱や傾倒を終始感じさせる名演といえよう。”

 

 

まとめ

 

シューリヒトは変幻自在な指揮者で、決まったスタイルというのがないように思います。

 

よく飄々とした演奏などという表現も見ますが、常に完成せず、常の新しいものを追い求める姿が感銘を受けるのかもしれません。

こんな生き方がしたいですね。




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