メルマガ登録

クレンペラー&ウィーンフィル 68年5月ライヴよりバッハ、モーツァルト

[広告] 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

こんにちは。

 

ともやんです。

 

クレンペラー&ウィーンフィルのライヴ演奏のステレオ録音が、TESTAMENTから出ています。

これは1968年のウィーン芸術週間全5週間に渡る録音で、全て傾聴すべき名演ばかりです。

今日は、その中から1968年5月19日に行われたプログラムを順に聴きましたのでレビューしたいと思います。

 

その日のプログラムは以下です。

J・S・バッハ ブランデンベルク協奏曲第1番
モーツァルト セレナーデ第12番ハ短調 K.388
モーツァルト 交響曲第41番ハ長調”ジュピター” K.551

【CD】 クレンペラー・コンダクツ・ウィーン・フィル

 

クレンペラーは、身体も大きく身長も190センチ以上あったそうです。
しかも鬼の形相のような顔つきで、笑顔なんて見せることがあるのか、思わせる様な厳しい顔立ちです。

 

指揮台から、凝視されると気の弱い奏者なら身がすくむんじゃないと心配になります。

僕がこのコンサートのライブを聴いて、クレンペラーが一層好きになってしまいました。

 




クレンペラー&ウィーンフィル 生涯を掛けて到達した境地

 

最初が、バッハのブランデンベルク協奏曲第1番。
なんとスローテンポな演奏なんだろうか?

 

しかし、全くダレるどころか、ウィーンフィルの名手たちが演奏を楽しんでいる様子がわかるんです。これは遅いテンポ設定だから出来るのでしょうか。

 

そして、有機的な響きで終始し、最後まで瑞々しさを失わない演奏です。

現在のピリオド楽器の演奏とは対極を示す演奏です。

 

次の、モーツァルトのセレナーデは、宇野功芳氏絶賛の「フィガロの結婚」の名演を思わせる様なチャーミングな演奏です。ひとつひとつの音符が大きいのです。

 

クレンペラーは、’71年の最晩年にスタジオ録音で、ニューフィルハーモニア管とセレナード変ホ長調K.375を残していますが、これが奇跡的な名演なのですが、まるで幼き子供の遊戯のような無邪気でしかも深い演奏です。

クレンペラーが全生涯を掛けて得た境地とでも言えましょうか。

 

そして最後の「ジュピター」。
第1楽章のなんと重々しいことか。
遅いテンポでスコアを観るように各楽器の旋律が、明瞭に刻明に聴こえてきます。

第2楽章もスローなテンポはそのままで、澄んだ音楽を聴かせてくれます。

ところが一転、第3楽章は軽快なテンポで颯爽進んでいきます。
そして終楽章は、怒涛の追い込みです。

クレンペラーの持っているスタイルを全て出し切るような変幻自在なコンサートであり演奏でした。

 



クレンペラー&ウィーンフィルの名演 バッハ、モーツァルト

 

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV 1046
Brandenburg Concerto No. 1 in F Major, BWV 1046

 

1.(04:42) I. [Allegro]5
2.(05:03) II. Adagio
3.(05:12) III. Allegro
4.(10:36) IV. Menuetto – Trio I – Polacca – Trio II
total(25:43)

スポンサーリンク

 

======================

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
セレナード第12番 ハ短調 K. 388
Serenade No. 12 in C Minor, K. 388

5.(08:14) I. Allegro
6.(04:33) II. Andante
7.(04:43) III. Menuetto
8.(07:47) IV. Allegro
total(25:07)

 

======================

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K. 551
Symphony No. 41 in C Major, K. 551, “Jupiter”

9.(12:23) I. Allegro vivace
10.(09:11) II. Andante cantabile
11.(04:24) III. Menuetto: Allegretto
12.(09:27) IV. Molto allegro
total(35:25)

 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer
録音: 19 May 1968, Live recording, Musikverein, Vienna, Austria

 

【CD】 クレンペラー・コンダクツ・ウィーン・フィル

 

遂にリリース!クレンペラー&VPOの「ウィーン芸術週間」の全記録。
「クレンペラーの指揮台での姿は、まるで、稲妻に打たれた樫の木のようだ。しかし、枝は大空に届かんとしている;果てしない苦悩に試された男。彼は決して生きる意志を捨てようとはしない。」(Die Presse)
オットー・クレンペラーの唯一の音楽財産の継承人で、人生すべてを父に捧げ、彼を偉大なる芸術家たらしめた功労者として知られる、娘ロッテ・クレンペラー。彼女は死の前年「父の録音は、今後EMIとテスタメント以外からはリリースさせない」との声明を発表。
これは、いかにテスタメント社が絶大な信頼を得ていたかの証明であり、彼女の死後もこの信頼を裏切ることなく最良のかたちでのリリースを重ね、遂に、1968年の5週に渡る「芸術週間」の全記録がリリースとなります。

 

 

最後に

 

オットー・クレンペラー(1885-1972)は、20世紀最高の指揮者の一人です。
しかし、その生涯は、ナチスによる迫害から始まった、数々の怪我や事故でまさに満身創痍ながら、音楽には真摯に向かい合った芸術家です。

 

時々、カラヤンのことを有能なビジネスマンと多少の皮肉を込めていうことがありますが、クレンペラーは、その対極にいる人というイメージです。

 

幸いにも、スタジオ、ライブ共に膨大は録音が残されていて、なかなか聴き通すことは難しいですが、これらの録音は、クレンペラーが望んだというより、周囲がその芸術を世の残したいという意志から残されたと思います。

 

僕は、クレンペラーに惹かれて30年以上経ちますが、生涯を掛けて残された録音を聴いて、記録していきたいと考えています。




スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました