こんにちは、
ともやんです。
サー・ジョン・エリオット・ガーディナー(1943年生まれ)も今年で75歳。
僕の大好きな指揮者の一人です。
※ガーディナーの録音風景
2001年に初めて市民団体の合唱団に入り、ヘンデルの「メサイア」を歌った時、ガーディナーのCDを何回聴いたかわからないくらいです。
軽やかな中に凄い深みがある演奏です。
ガーディナーの最新録音 マタイ受難曲の決定盤
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
マタイ受難曲 BWV 244
St. Matthew Passion, BWV 244
作詞 : 新約聖書 – Bible – New Testament
作詞 : クリスティアン・フリートリヒ・ヘンリーツィ – Christian Friedrich Henrici
ジェイムス・ギルクリスト – James Gilchrist (テノール)
シュテファン・ローゲス – Stephan Loges (バス)
ハンナ・モリソン – Hannah Morrison (ソプラノ)
ゾーエ・ブルックショウ – Zoe Brookshaw (ソプラノ)
シャーロット・アシュリー – Charlotte Ashley (ソプラノ)
アリソン・ヒル – Alison Hill (ソプラノ)
アンガラード・ローランズ – Angharad Rowlands (ソプラノ)
Jessica Cale (ソプラノ)
レジナルド・L・モブリー – Reginald L. Mobley (アルト)
エレノア・ミニー – Eleanor Minney (アルト)
ヒューゴ・ハイマス – Hugo Hymas (テノール)
アンドルー・トータス – Andrew Tortise (テノール)
アシュリー・リッチズ – Ashley Riches (バス)
アレックス・アシュワース – Alex Ashworth (バス)
ジョナサン・セルズ – Jonathan Sells (バス)
Rupert Reid (バス)
ローレンス・ウォリントン – Lawrence Wallington (バス)
トリニティ少年合唱団 – Trinity Boys Choir
モンテヴェルディ合唱団 – Monteverdi Choir
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ – English Baroque Soloists
ジョン・エリオット・ガーディナー – John Eliot Gardiner (指揮)
録音: 22 September 2016, Pisa Cathedral
演奏時間(159:24)
J.S. バッハ:マタイ受難曲(ギルクリスト/ローゲス/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ/ガーディナー)
2016年最新録音
ガーディナー「マタイ受難曲」を再録音!
満を持して挑んだコンサート・ツアーを締めくくった最高のライヴ録音を収録!ガーディナーが「マタイ受難曲」を再録音しました。アルヒーフに録音したのが1989年、古楽器演奏の記念碑的名盤として聴き継がれています。
今回約30年ぶりに録音され、「マタイ受難曲」の演奏史に新たな1ページを刻むアルバムが誕生しました。ガーディナーとモンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツは2016年3月バレンシアを皮切りに6カ月間16回の「マタイ受難曲」ツアーを行いました。
この録音はそのツアーの締めくくりとなったアニマ・ムンディ・フェスティヴァルでのライヴ演奏を収録したもの。ピサ・ロマネスクの代表建築であるピサ大聖堂で行われ、まるで天から舞い降りてくるような豊かな残響に包まれます。
ガーディナーは、最終的に録音に向かうこのツアーにあたってリハーサル・ノートを書いており、それはアルバムのブックレットに掲載されています。
2016年2月5日から始まったツアー・リハーサルから開始され、数か月にわたって書き記されており、非常に興味深い内容となっています。
イングリッシュ・バロック・ソロイスツとモンテヴェルディ合唱団は、ガーディナーの求める音楽を生み出すための完璧な演奏、ソリスト陣の高水準の歌唱、そのどれをとっても生き生きと音楽が流れ出します。
さらにエヴァンゲリストを務めたジェームズ・ギルクリストの美声、カリスマ性が音楽に推進力を与えています。ソリスト陣9名はアリアはもちろんのこと合唱パートも歌い、若手中心の布陣ながら清々しい演奏を聴かせてくれています。
ガーディナーは、特別なアプローチを狙うのではなく、バッハのスコアからしっかりと音楽を読み取り、そのバッハの情熱の中で最大限に想像力を働かせステージで披露することが、「マタイ受難曲」の演奏には必要だと語っています。
キングインターナショナル
マタイ受難曲を知るには合唱団に入るのがおすすめ
「マタイ受難曲」は、聖書のマタイ伝のドイツ語訳をもとにした宗教劇です。
福音史家(聖書朗読者)とキリストのレシタティーヴ(語るような歌)を中心とする物語です。
群衆の合唱や信者の独唱を加えて進行し、有名なユダやペトロの裏切り、キリストの逮捕、ピラト総督による裁判、十字架上の処刑、復活を続きます。
バッハは、キリストともに苦しみ、民衆とともに怒り、涙を流すのです。
バッハと言うと堅苦しいイメージがあります。
このマタイ受難曲もとっつきやすい曲ではありませんが、言葉があるのでまだわかりやすいかもしれません。
でも、CDで聴いても全曲を聴き通すと3時間近く掛かる大曲ですし、数回聴いてもなかなか理解できません。
もっと知るには、自分で歌う、つまり合唱団に入って歌うのが一番です。
ということで、僕は現在、湘南シティ合唱団という合唱団に所属して、来年7月の公演を目標に練習しています。
マタイ受難曲のエッセンスがつまった第一曲
全曲中、もっとも感動的なのは第一曲です。
「来たれ、汝ら娘たち、来たりてともに嘆かん」だと思います。
僕は、この第一曲をいろんな演奏家で聴いて楽しんでいます。
ただ、初めて聴いたのがクレンペラー指揮フィルハーモニア管の長大な演奏で、この曲だけで11分以上掛けるたいへんな演奏で、逆に最初の洗礼がクレンペラーだったので、むしろ他の演奏は聴きやすい印象を受けました。
このクレンペラーの聳え立つような演奏に匹敵するのがリヒターの旧盤(58年録音)でしょうか。
第一曲は、長大なマタイ受難曲の前奏曲に当たります。
この曲の後、福音史家の朗唱によって開始されます。
プレリュードの第一曲はいきなりキリストの道行きの場面が映し出されます。
十字架を背負ったキリストがあえぎながら処刑場に連行されます。
それを深い悲しみで見守る信者たちが、シオンの娘に、
「来たれ、汝ら娘たち、来たりてともに嘆かん」
と歌いかけます。
左右にわかれた大合唱がかけあい、曲の途中では、舞台中央に並んだ少年合唱が、あたかも天の一角から差し込む光のようにコラールを歌いながら参加します。
まとめ
僕が勝手に師として慕っていた評論家宇野功芳氏は、その著書の中で、マタイ受難曲を完全に享受するには、合唱団に入って自ら歌うのが一番と書かれています。
宇野氏も音大時代に合唱団に入ってマタイを歌い深く感動されています。
でも、それが難しいなら、第一曲だけを何回も反復して味わうべきと書いています。
第一曲にマタイの感情のすべてが集約されているからだそうです。
宇野氏の教えを守って第一曲を何度も聴いて、現在ガーディナーの新盤で全曲に挑戦しています。
コメント