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村上春樹とポゴレリチとバッハのイギリス組曲

こんにちは、
ともやんです。

クラシック音楽のディープなマニアとして有名な小説家の村上春樹氏。
彼の作品には、いたるところでクラシック音楽の曲が使われています。

しかも使われている曲や演奏者が、なかなか通だな思わせるものが多いので、もし村上春樹の小説で使われていなかったら、自分も聴かなかったかもしれない、というクラシックの曲やアルバムまたは演奏者を聴いて紹介しています。

参考にしているのは『村上春樹の100曲』という本です。

この本では、村上春樹が小説やエッセイなどで取り上げている曲を100曲、ジャンル別に5人の書き手が解説しているというものです。

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村上春樹とポゴレリチとアフターダークと

村上春樹の『アフターダーク』は、すべてが無名性で、交換可能という世界です。だからラストの交換が不可能なものがあるというというシーンが生きてきます。

ただ、無名性で交換可能な世界でも音楽だけは具体的に登場します。

例えば、白川という男が仕事中に聴くのが「イーヴォ・ポゴレリチの演奏する『イギリス組曲』」なのです。白川は、深夜に仕事をして、夜明けになると家庭へ帰るという日常を送っています。

小説では、白川に関する生い立ちや思想、内面に関することはなにも描かれていません。
白川の聴く、ポゴレリチのバッハは、完全に閉ざされた宇宙を思わせるような音楽なのです。

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ポゴレリチ バッハ イギリス組曲

ポゴレリチは、1958年ベオグラード生まれ。
1970年からモスクワ中央音楽学院に留学し、卒業後1975年よりチャイコフスキー記念モスクワ音楽院で学ぶ。ただ、生来の反骨精神から伝統に反抗する演奏に傾倒したり、教師と衝突するなど三度も退学寸前になったそうです。

そんな中、76年にモスクワ市内で開かれたパーティーで、ジョージア人ピアニストのアリザ・ケゼラーゼと知り合い個人的に指導を受け始めました。

その後、いくつかのコンクールで第一位を獲得し、1980年の第10回ショパン国際ピアノコンクールに臨みます。ここでいわゆる「ポゴレリチ事件」が勃発するのです。

このコンクールで、ポゴレリチは、これまでのショパンの解釈からは考えられないよう奇抜な演奏を展開して本選で落選したのが、この決定に抗議した審査員の一人アルゲリッチが「彼こそは天才よ」と言い残し、その場から去ってしまったのです。
結局、アルゲリッチはこの件でショパンコンクールの審査員を辞任し、復帰したのがなんと20年後の2000年でした。
ただ、辞任はしなくてもアルゲリッチの意見に賛同する審査員は数名いたようです。

さて、私生活では、22歳で20歳も年上の上記ピアノ教師ケゼラーゼと結婚し、96年のケゼラーゼの死まで生活を共にしました。

ただ、それ以降はショックでリサイタルなどをキャンセルしたり、レコーディング活動もしなくなったようです。

ポゴレリチのバッハ「イギリス組曲」は、1985年の録音。
当時26~7歳でまだまだ健康な精神状態だったのでしょうか?
演奏を聴くと前衛的ではあるけど、妖しい感じは受けません。

だからか以降とのポゴレリチの演奏と比べると面白いのかもしれません。

ポゴレリチは、2019年に21年ぶりに新譜を出しました。ジャケットの写真を見て、その変わりように驚きます。

ラフマニノフとベートーヴェンのソナタです。手元にCDがあるので、改めてコメントしたいと思います。

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ポゴレリチ バッハ イギリス組曲

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
イギリス組曲第2番 イ短調 BWV 807
English Suite No. 2 in A Minor, BWV 807

1.(06:41) I. Prelude
2.(04:10) II. Allemande
3.(01:45) III. Courante
4.(07:53) IV. Sarabande
5.(05:19) V. Bourree I-II
6.(02:50) VI. Gigue
total(28:38)

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イギリス組曲第3番 ト短調 BWV 808
English Suite No. 3 in G Minor, BWV 808

7.(05:26) I. Prelude
8.(04:34) II. Allemande
9.(02:53) III. Courante
10.(07:52) IV. Sarabande
11.(04:31) V. Gavotte I and II
12.(02:24) VI. Gigue
total(27:40)

イーヴォ・ポゴレリチ – Ivo Pogorelich (ピアノ)
録音: October 1985, Salle De Musique, La Chaux-De-Fonds, Switzerland

イーヴォ・ポゴレリチ~ドイツ・グラモフォン録音全集

独特の解釈が常に議論を呼ぶ天才
ポゴレリチは、1980年のショパン・コンクールで前代未聞の大胆な解釈で物議を醸し、衝撃的なデビューをかざりました。自らの芸術を求め、ピアノ界の異端児として大胆且つ奔放な演奏で常に音楽界の話題をさらうアーティストです。DGに録音したこれらの説得力ある演奏には、彼独自の解釈がつぎ込まれ、聴く者の心を掴んで離しません。当セットは彼がDGに録音した14枚のアルバムを、オリジナルのカップリングでオリジナル・デザインのスリーブに収めています。
ユニバーサル・ミュージック

バッハ:イギリス組曲第2番&第3番 ポゴレリチ

さて、ポゴレリチのヨハン・セバスティアン・バッハの「イギリス組曲」は、全集などに収録されていますが、単独盤では現在入手が難しいようです。中古盤などをAmazonや中古店でお求めください。



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