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クナッパーツブッシュ ブルックナー交響曲第3番 宇宙的凄演を聴け!

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こんにちは、
ともやんです。

僕が敬愛する音楽評論家宇野功芳氏。

残念ながら2016年に85歳で亡くなりました。

でも、僕がクラシック音楽に興味を持ち聴き始めてから約50年、宇野氏の推薦する録音が僕のベースになっています。

クナッパーツブッシュの名前を知ったのも、宇野氏の本からでした。

さて、宇野氏は、ブルックナーの交響曲の中でも、特に第3番と第8番が好きだそうです。

僕は、第3番と第7番ですが、第3番は、不思議な魅力をもった名曲です。

今日は、クナッパーツブッシュの3種類の録音についてご案内します。

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ブルックナー交響曲第3番ニ短調“ワーグナー”とは

ブルックナーの交響曲第3番は、今日「ワーグナー交響曲」の名で呼ばれることが多いです。

これは、曲自体が作曲家ワーグナーに献呈されているためで、同時に、曲の内容にワーグナーからの影響といった要素がいくつか散見されているためです。

特に金管のあつかいなどはその影響が顕著です。

第3交響曲ニ短調は、1872年の秋に着手されて、73年末には、一応作曲が完成しました。

ブルックナー49才の作品です。

ただ、一応完成と書いたのは、その後、たびたび改訂されているせいです。

この第3交響曲は、初稿と改訂版があり、さらに改訂版だけでなく、複数の版が存在しているというのだから、大変です。

なお、初稿ではワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』などから直接的な引用があります。

僕は、ブルックナーの交響曲は全て大好きですが、特にこの第3番は、第一楽章のイントロを聴くとぞくぞくします。

弦の伴奏に乗って、遠くから聴こえてくるようなトランペットの響きはたりません。

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ブルックナー交響曲第3番 クナッパーツブッシュの三種類の名演

クナッパーツブッシュは、ブルックナーの交響曲の中でも、第3番を得意にしていたようで、何種類か残されています

宇野氏や福島氏、吉井氏など著名な評論家諸氏がおすすめの54年のウィーンフィルとの名盤は、残念ながら未聴で、入手したらレビューをしたいと思います。

また、60年に同じくウィーンフィルを振った録音もあるようです。

今回は、同じ54年でもライブ録音と、62年、64年の録音を聴きました。

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第3番ニ短調“ワーグナー”(1889-90 Schalk-Loewe edition)

Ⅰ(18:12)Massg bewegt
Ⅱ(12:42)Adagio(Etwas bewegt)quasi andante
Ⅲ(07:09)Scherzo(Ziemlich schnell)
Ⅳ(13:23)Finale(Allegro)

    ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
    バイエルン国立管弦楽団 – Bavarian State Orchestra
    1954年10月11日ライブ

    ハンス・クナッパーツブッシュの芸術 with 国立歌劇場管弦楽団

    有名なデッカの録音が、この年の4月で約半年後のライブ録音です。
    速めのテンポで、後の62年、64年盤に比べ、瑞々しさと勢いがあります。

    —————————————-

    アントン・ブルックナー(1824-1896)
    交響曲第3番ニ短調“ワーグナー”(1889-90 Schalk-Loewe edition)

    Ⅰ(22:33)Massg bewegt
    Ⅱ(14:47)Adagio(Etwas bewegt)quasi andante
    Ⅲ(07:38)Scherzo(Ziemlich schnell)
    Ⅳ(16:07)Finale(Allegro)

    ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
    北ドイツ放送交響楽団 – North German Radio Symphony Orchestra
    1962年1月15日

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    ハンス・クナッパーツブッシュの芸術 with レジェンダリー・オーケストラ

    この62年盤と次の64年盤はよく似ていますが、62年盤の方が、クナッパーツブッシュらしい、アクセントの付け方とか念の押し方に個性を感じます。

    第1楽章のトランペットのソロが主題を奏する前の弦のリズムを聴くだけでワクワクしてきます。

    —————————————-

    アントン・ブルックナー(1824-1896)
    交響曲第3番ニ短調“ワーグナー”(1889-90 Schalk-Loewe edition)

    Ⅰ(22:26)Massg bewegt
    Ⅱ(14:07)Adagio(Etwas bewegt)quasi andante
    Ⅲ(07:58)Scherzo(Ziemlich schnell)
    Ⅳ(15:06)Finale(Allegro)

    ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
    ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 – Munich Philharmonic Orchestra
    1964年1月15日ライブ

    ハンス・クナッパーツブッシュの芸術 with ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

    この64年盤は、もっとも大人しく細工を弄しない演奏で、逆にもっともスケールが大きく宇宙的な巨大さを感じさせる名演です。

    亡くなる前年ということで、なにか煩悩を超越した枯れた味わいが何ともいえない魅力を醸し出す演奏です。

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    ブルックナー交響曲第3番の歴史的意義

    交響曲第3番の作曲は、楽章の順に進行して、1873年8月、ブルックナー49才の時に、
    ボヘミアのマリーエンバート温泉場で終楽章のスケッチを終え、同年12月に総譜が完成しました。

    この時の原作には、ワーグナーの楽劇からの引用主題が多かったと言われていますが、
    1876~7年に第1回の改訂を加え、1889年第2回の改訂を加えて、今日の決定版となりました。

    この交響曲は、ブルックナーが最大に崇拝するリヒャルト・ワーグナーに捧げられています。

    彼はマリーエンバートの温泉地から出来上がったスケッチを携え、バイロイトにワーグナーを訪ね、この交響曲の献呈を申し入れました。

    ワーグナーは快諾してくれたので、ブルックナーの悦びもこの上ないものだったと想像できます。

    初演は、1877年12月16日、ブルックナー自身の指揮で、ウィーンで行われました。

    しかし、この時は失敗で、次の改訂に繋がります。

    それにもかかわらず、この第3番は、ブルックナーにとって画期的な交響曲でした。
    第1交響曲の粗暴な奔放さと、第2交響曲の洗練された平静さが、巧みに融合して、内容的にベートーヴェンの第9にも匹敵する(これは同じニ短調という理由もある)という人もいるくらいです。

    この第3交響曲は、巨人的な深刻さと平和な生の喜びは、渋い朴訥な音を通してにじみ出てきます。

    まとめ

    宇野氏はランキングがお好きだったようで、著書にもその手の本が多いです。

    それはそれで面白いのですが、僕は、最近あまり関心がなくなりました。

    それはどの演奏にもいいところがあるからです。

    以前の僕なら、この演奏は良い、あの演奏はダメと白黒つけていましたが、今は、どの演奏もいいところがあると思い、それを探すような聴き方をするようになってきました。

    プロの指揮者とオーケストラが、商業目的で録音するのですから、下手ということなないでしょう。

    しばらくは、いいところを探す聴き方をして行きたいと思います。



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