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ブルックナー交響曲第5番 ティントナーの新旧録音を聴け!

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こんにちは、
ともやんです。

ブルックナーの交響曲の五番は、彼の九曲の中で一番取っつきにくい曲かもしれません。

僕自身、なかなか好きになれなかった、というよりも理解できなかった曲です。

でも少し我慢して聴いていると、その魅力が徐々にわかってきて、いや感じられる、共感出来てきたという表現の方がいいかもしれません。

一緒に仕事をすることになった同僚が、無愛想で取っつきくい、しかも寡黙。

ただ、真面目に誠実に仕事をこなしていく。

その姿を見ていて、少しずつ会話を交わして行くと、その素晴らしい人間性に気づく。

そんな人に出会ったようなものです。

まさに、ブルックナーの交響曲第5番はそんな曲です。

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ブルックナー交響曲第5番の魅力と幻の録音発見

宇野功芳氏の著書で、ブルックナーの第5番について、次のように記述があります。

“ブルックナーの九曲で、柔の代表が七番だとすれば、剛の代表は五番であろう。
第一楽章のあの硬質のひびき!そしてフィナーレのフーガ。

この巨大壮麗の建築物はムードの一かけらもなく、微笑みの一瞬もなく、

聴く者をはねつけるような厳しさにみちている。”

ちょっとおおげさな表現とも言えますが、さすが、この五番の本質を的確に表現されています。

いずれにしても五番は、力作です。

この曲の名盤としては、
ギュンター・ヴァント指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、
朝比奈隆指揮東京交響楽団を宇野氏は推薦しています。

しかし、僕には、この二人の名盤にどうしても加えたいCDがあります。

それは、波乱万丈な人生を送った、伝説のブルックナー指揮者ゲオルグ・ティントナーの新旧録音です。

ナクソスに録音した、全集からの1枚は、以前から知られていましたが、なんとそれより27年前にロンドン交響楽団を振った録音がBBCに残されていたのです。

しかも2014年にTESTAMENTから発売されていました。

僕は、たまたま中古CDショップで見つけたのですが、まさに神に感謝する巡り合わせです。

ブルックナー交響曲第5番 ティントナー&ロイヤル・スコティッシュ管

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第5番変ロ長調

Ⅰ(20:17)Adagio-Allegro
Ⅱ(16:23)Adagio
Ⅲ(14:11)Scherzo:Molto vivace
Ⅳ(25:55)Finale:Adagio-Allegro moderato

録音:1996年4月19日&20日

ゲオルグ・ティントナー指揮
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

『ブルックナー: 交響曲 全集』

ナクソスが満を持してブルックナー交響曲全集に着手しました。一人の指揮者による超廉価盤初の全集になります。指揮は80歳を迎えたティントナー、ウィーン少年合唱団でシャルクの下でブルックナーを歌って以来この作曲家に愛着を持ち続け、五つの大陸でブルックナーを演奏してきたコスモポリタンの人生の総決算となる録音です。

全編を強固な信仰心が貫く「第5番」の最大の聴きどころは第4楽章、豪快なフーガの高まりのすさまじさに聞き手は言葉を失います。スコットランドのオケもベストフォームにあります。

ナクソスの全集からの1枚です。
※1枚ものは取り寄せなので全集盤をご紹介しています。

全体に静けさを満ちた演奏で、淡々と展開する演奏になかに、わびさびの世界観を感じさせる演奏です。

ティントナーの演奏を色々聴いていると、一筋縄ではいかない人ですが、達観した感の演奏が一番感銘を与えてくれます。

これは、20歳でナチスに故郷を追われてから波乱万丈な人生を送らざるを得なかったことからくる人生観が表現されているのでしょうか?

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ブルックナー第5交響曲 ティントナー&ロンドン響

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第5番変ロ長調

Ⅰ(19:18)Adagio-Allegro
Ⅱ(17:28)Adagio
Ⅲ(12:12)Scherzo:Molto vivace
Ⅳ(23:08)Finale:Adagio-Allegro moderato

録音:1969年9月21日

ゲオルグ・ティントナー指揮
ロンドン交響楽団

ブルックナー: 交響曲第5番 (ハース版) ゲオルク・ティントナー ロンドン交響楽団

のちの全集の録音に比べ、ずっと熱い魂の燃焼が感じられる演奏です。

しかも信じられないことですが、ロンドン響が、ブルックナーの第5番の全曲を演奏したのは、この時が初めてだそうです。

しかも、ティントナーがこの録音をした時は、まだ52歳。
ロンドン響というメジャーオーケストラとの演奏が、この後も続けば、彼の人生も変わったと傍からは思うのですが、せっかくロンドンで名声を博せるチャンスを捨てて、
「なにひとつ変わらない」という言葉を残してロンドンを去ってしまいました。

どんだけ高潔で妥協を許さない人だったのだろうか!

とにかくこの演奏は、ロンドン響との一期一会の真剣勝負に胸が熱くなる演奏です。

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まとめ

ブルックナーの五番は、ブルックナーの好きな人にはたまらない魅力に溢れた曲ですが、ブルックナーに共感できない人には、拷問の様な曲かもしれません。

ブルックナー自身、この作品を『対位法的』と名付けましたが、他にも『カトリック的』『中世的』『コラール風』『信仰告白』などの呼び名があります。

フィナーレはその厳格な対位法とコラールが結びつき、神の全能を讃える『圧倒的な勝利』によって終わりを告げるのです。

ブルックナーをこれから聴こうと言う人は、四番、七番などの入って、五番に行かれることをおすすめします。



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