グスタフ・マーラー(1860-1911)は、好きかと聞かれれば、
好きだ!と即答します。
しかし、答えた瞬間、
いや、苦手な曲もあるな、と思ってしまいます。
いや、もしかして苦手な曲、
聴かず嫌いな曲の方が多いかもしれません。
ちょっと簡単に分析してみましょう。
1、無条件で好きなのが、
第1番“巨人”、第2番“復活”、そして今日ご紹介する第9番。
2、条件付きで好きなのが、
第4番、第5番、第7番、大地の歌
3、遠慮したいのが、
第3番、第6番、第8番
2の条件付きで好きというのは演奏者によります。
例えば、第4番は、バーンスタイン指揮NYフィル、
第5番は、バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア
第7番は、クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア
大地の歌は、ワルターかクレンペラー
3の遠慮したいというのは、バーンスタインで全集も入手したので
そのうち聴きたいと思っています。
意外と第6番なんかは、好きになるかもしれません。
バルビローリのマーラー交響曲第9番はイイ!
グスタフ・マーラー(1860-1911)
交響曲第9番
Ⅰ(26:46)Andante comodo
Ⅱ(14:51)Im Tempo eines genachlichen Landlers
(Etwas tappisch und sehr derb)
Ⅲ(13:34)Rondo-Burleske(Allegro assai.Sehr trotzig)
Ⅳ(23:01)Adaguo(Sehr langsam;molto adagio)
サー・ジョン・バルビローリ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1964年1月10日、11日、14日、18日
場所:イエス・キリスト教会
この録音は、前年の63年にバルビローリーが、
ベルリンフィルに客演した際、メンバーが大きな感銘を受けたことで、
ベルリンフィルの総意による切望のもと行われた伝説的録音です。
当時、常任指揮者のカラヤンが、
まだマーラーをレパートリーにしていなかったのも幸運でした。
僕は、マーラーの第9番が大好きで、
CDも何枚か持っています。
ワルター、バーンスタイン、クレンペラー、
クーベリック、シェルヘン、朝比奈隆(LP)は、
どれも捨てがたい名演、名録音です。
でも、おすすめの1枚を挙げてほしい、
と言われれば、このバルビローリ盤を躊躇なく選ぶでしょう。
※ベルリン
バルビローリ&ベルリンフィルの奇跡の美
僕は、この素晴らしい演奏をうまく表現できないので、
福島章恭著「交響曲CD 絶対の名盤」より引用いたします。
さすがにベルリン・フィルが望んだだけのことはある演奏だ。
ベルリン・フィルの剛毅で重量感溢れるサウンドとバルビローリの歌ごころが高次元で融合して、この世の奇跡とも思われる美が展開される。
ことに、夕日の照り映え金色に輝く麦畑のように美しいフィナーレが感動的である。
ここには、死の恐怖というよりは、死への甘い憧れすら感じられるではないか。
さすが、福島氏、名文です。
いやぁ、フィナーレは胸が掻きむしられる思いを通り越して、
もうあの世にでもいるかのような清々しい気持ちになります。
マーラー:交響曲 第9番 ジョン・バルビローリ 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
バルビローリ&ベルリンフィルもマーラー第9交響曲の録音が、
この曲を愛する人はもちろん、
多くの方に聴いて頂きたい名演の名盤です。
これぞ、聴かずに死ねない名盤です!
コメント