こんにちは、
ともやんです。
さて、今回もティントナーの演奏のレビューが続きます。
今日は、ティントナーのモーツァルトです。
ウィーン生まれのゲオルグ・ティントナーは、ユダヤ系ということで、ナチスの迫害を受け、数奇な運命を辿った指揮者です。
以前、ティントナーのブルックナーに対してのコメントでその生涯に触れています。
↓
ティントナーのブルックナー第7番 素朴な中の深い祈りに感動
今日は、ブルックナーの全集完成前のライブ録音の演奏をご紹介します。
ティントナー モーツァルト交響曲第34番
私は、モーツァルトの生涯と音楽における三つの大きな出来事をあげるとことができると思うのです。一つは母の死、二つ目はコンスタンツェとその後の新しい生活、そして三つ目は父レオポルドの死。あとのことは全部枝葉だと思います。
これは、1991年、モーツァルトの没後200年記念事業として企画された音と文章による『モーツァルト全集』(小学館)に、付録として添付されていた月報第六号のなかで、ピアニスト内田光子が語った言葉です。
1779年モーツァルト22才。1年4ヶ月の及ぶマンハイム、パリ旅行は、見るも無残な結果に終わってザルツブルクに戻ってきました。
就職活動は失敗し、作曲やコンサート活動は大した収入とならず、というよりも金が貯まるよりも増えたのは借金だけ。
そしてなんと言っても母の死。
失意のうちに故郷のザルツブルクに戻ったモーツァルトには、父レオポルドの尽力によりなんとか宮廷オルガン奏者の仕事に就くことができました。
そんな中でもモーツァルトは3曲の交響曲を書いて、こんな境遇の中でも作曲には円熟さが出てきて新しい境地に足を踏み入れたことがわかる内容です。
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
交響曲第34番ハ長調K.388
Ⅰ(07:19)Allegro vivace
Ⅱ(07:47)Andante di molto
Ⅲ(08:08)Finale:Allegro vivace
ゲオルグ・ティントナー指揮
シンフォニー・ノヴァ・スコシア
録音1989年2月15日ライブ
そんな、交響曲第34番をティントナーは充実の極みと言える名演を展開しています。
この曲には、ケンペ&フィルハーモニア管の名演がありますが、ティントナーの演奏はライブならではの力強さがあります。
ティントナー モーツァルト交響曲第41番”ジュピター”
モーツァルト三大交響曲の最後の曲で、1788年8月10日に完成。
ただ、”ジュピター”というタイトルは、後世の人が、整然とした古典的な形式美とオリンピア的な華やかさのためにこのような名称がついたと思われます。
交響曲第41番ハ長調K.551″ジュピター”
Ⅰ(11:40)Allegro vivace
Ⅱ(11:14)Andante cantable
Ⅲ(05:15)Menuetto:Allegretto
Ⅳ(12:21)Finale:Allegro molto
ゲオルグ・ティントナー指揮
シンフォニー・ノヴァ・スコシア
録音1988年1月24日ライブ
ティントナーの指揮は、音楽そのものに語らせることで、逆にティントナーの存在感を見せつける名演を聴かせてくれます。
まとめ
ティントナーの生涯の幕の閉じ方は衝撃的でしたが、自分の好きなこと信じることは続けることが大切、ということ教えてくれます。
たかが人生、されど人生。
自分が選んだ道を行くだけですね。
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