こんにちは、ともやんです。
9月はずっとショスタコービッチの交響曲を聴いてきました。
彼は交響曲を15曲作りました。
第1番が19歳の時で、最後の第15番は、65歳の時。
足掛け47年に渡って、まさに生涯を通して交響曲を作曲し続けました。
ただ、第1番から順番に聴いてみるとその時代背景やソ連という国において彼の置かれている立場などから、音楽的には一貫性がないように感じました。
また基本的に暗く重い。
しかもふと光明が表われたかと思うと、すぐ消えてしまう。
そして何と言っても難しさを感じてしまいます。
だからショスタコービッチの入門編としては、いきなり交響曲全曲を聴くというのはあまりおすすめできないです。
では、入門編としては何がいいか?
筆者は、ピアノ協奏曲第1番をおすすめします。
ショスタコのピアノ協奏曲はわかりやすい
ショスタコービッチは、ピアノ協奏曲を2曲作っています。
第1番は、1933年27歳の時。
第2番は、1957年51歳の時。
ピアノの名手としても知られるショスタコービッチにして2曲だけとは寂しい限りです。
しかし、2曲ともクラシック音楽のマニアでなくてもわかりやすく楽しみる作品なので、ショスタコービッチの入門編としておすすめです。
ショパンコンクールに出場した名手
ショスタコービッチは、20代の頃、作曲もなかなか上手くいかない時期、将来、作曲家としてすすむのか、ピアニストになるか悩んでいた時期がありました。
そんな中、1927年にワルシャワで第1回ショパン国際コンクールが開かれることになり、ショスタコービッチは、ソ連代表として出場しました。
直前に虫垂炎になった影響もあったのか、結果は最終選考にまで残りながら入賞は逃しました。
優勝は、同じソ連代表のオボーリンでした。
コンクール後、オボーリンと共にワルシャワ音楽院でリサイタルを行い、レニングラードに帰国しました。
タイミングよく1918年以降、国外に逃れていたプロコフィエフが帰国していて演奏旅行で立ち寄っていました。
そこで、ショスタコービッチはプロコフィエフと出会い、目の前で自身のピアノソナタを披露したのです。
ショスタコービッチのピアノソナタは、プロコフィエフのピノソナタ第3番の影響が感じられ、プロコフィエフに誉められました。
それによりショスタコービッチは、作曲家兼ピアニストとして名声を博していたプロコフィエフにならい、作曲家としてすすんでいくことを決めたのではないかと思います。
ピアノ協奏曲第1番
1932年は、オペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を作曲し、このオペラは、1934年に初演され好評を得て、世界中で演奏されるようになりました。
その後に取り組んだのがピアノ曲でした。
『24の前奏曲』やピアノ協奏曲第1番が誕生しました。
協奏曲は、1933年3月に着手し、7月に完成しました。
通常のピアノ協奏曲とは違い、ピアノとトランペットと弦楽5部という編成で、二重奏という形態を取っています。
同年10月作曲者自身とレニングラード・フィルによって初演されました。
先のわかりやすい作品と記しましたが、ショスタコービッチらしいシニカルな性格がベースになっていると思います。
なお、曲の解説には、自作やベートーヴェン、ハイドンなどのモチーフがあたかもパロディのように散りばめられている、と書かれています。
ただ筆者には、そこまで聴き分ける能力がないのか、わかりませんでした。
ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第2番は、第1番から24年後の1957年に、当時モスクワ音楽院に在学中の息子マクシムのために作曲されました。
同年5月にマクシムの独奏、アノーソフ指揮モスクワ・フィルによって初演されました。
第1番で活躍したトランペットは用いず2管編成というもの皮肉いぽいです。
第2楽章は、ショスタコービッチには珍しいロマンティックな曲想で、やはりショスタコービッチも人の子。
息子を思う心情が表われているのでしょうか。
ピアノ協奏曲第1番と第2番のCD紹介
2つの録音を紹介します。
一つ目は、ユジャ・ワンのピアノ独奏、ネルソンス指揮ボストン交響楽団のものです。
2022年のボストンのシンフォニーホールでの録音。
録音が新しいのとユジャ・ワンの切れのいいピアノで楽しく聴けます。
ユジャ・ワンの演奏は、そのファッションからアトラクション的という人もいます。
なんとなくわかる気もしますが、僕は割と好きで聴いています。
2つ目は、ショスタコービッチの自作自演です。
ベルギー出身の名指揮者クリュイタンスとフランス国立放送管との共演で、録音時期がわかりませんが、多分1960年前後だと思います。
クリュイタンスのサポートで鮮やかな演奏を聴かせてくれています。
ただCDは廃盤のようで、Amazon Music Unlimitedのものをご紹介します。
ユジャ・ワン/ネルソンス/ボストン響
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op. 35
Piano Concerto No. 1 in C Minor, Op. 35
トーマス・ロルフス – Thomas Rolfs (トランペット)
ユジャ・ワン – Yuja Wang (ピアノ)
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス – Andris Nelsons (指揮)
録音: September – October 2022, Boston Symphony Hall, Boston, Massachusetts, USA
1.(06:04) I. Allegretto
2.(08:32) II. Lento
3.(01:52) III. Moderato
4.(06:52) IV. Allegro con brio
total(23:20)
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ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op. 102
Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102
5.(07:03) I. Allegro
6.(06:06) II. Andante
7.(05:21) III. Allegro
total(18:30)
ショスタコービッチ:ピアノ協奏曲第1番&2番(ユジャ・ワン/ボストン響/ネルソンス)
世界屈指の音響効果を誇るボストンのシンフォニーホールで録音され、協奏曲ではユジャ・ワンならではのダイナミックで表現力豊かな演奏が披露されています。
第1番ではボストン交響楽団の首席トランペット奏者のトーマス・ロルフスと共演しています。
ショスタコービッチ自作自演/クリュイタンス
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op. 35
Piano Concerto No. 1 in C Minor, Op. 35
1.(06:02) I. Allegro moderato – Allegro vivace – Moderato
2.(07:46) II. Lento
3.(01:46) III. Moderato
4.(06:24) IV. Allegro con brio – Presto – Allegretto poco moderato – Allegro con brio
total(21:58)
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ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op. 102
Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102
5.(06:31) I. Allegro
6.(05:33) II. Andante
7.(05:25) III. Allegro
total(17:29)
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (ピアノ)※第1番
リュドヴィク・ヴァイヤン – Ludovic Vaillant (トランペット)
フランス国立放送管弦楽団 – French National Radio Orchestra
アンドレ・クリュイタンス – Andre Cluytens (指揮)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、第2番(フランス国立放送管/ショスタコーヴィチ/クリュイタンス)

まとめ
ショスタコービッチが生涯を通して作曲したのが、交響曲と弦楽四重奏曲です。
評論家の故宇野功芳氏は、そんなショスタコービッチをその2つのジャンルに関してベートーヴェンの後継者と記しています。
ただ残念なのが、ピアノの名手でありながらピアノソナタも協奏曲も2曲だけです。
しかし、協奏曲の2曲はさすがにショスタコービッチの作品と言うことで傑作です。
これから2つのヴァイオリン協奏曲とチェロ協奏曲と聴いて、彼の協奏曲の魅力を探っていこうと思います。



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