ショスタコーヴィチの記念的交響曲第1番は19歳の卒業作品

ショスタコービッチ
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こんにちは、ともやんです。

今回は、ショスタコーヴィチの記念すべき交響曲第1番について記します。
実は、今回のショスタコーヴィチの交響曲を全部聴いてやろう、という企画は、ネルソンスの全集の録音順に聴きだしたのですが、10番、9番、5番、8番、7番と聴いてきて、素直に第1番から聴いた方がいいな、と考え直しここにきて第1番から聴き始めることにしました。

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ショスタコーヴィチの交響曲第1番について

ショスタコーヴィチは、革命後の1919年、ペトログラード音楽院に入学しました。
音楽院では、作曲とピアノを専攻しました。

記念すべき交響曲第1番は、音楽院時代の卒業作品でした。

交響曲第1番の作曲の経緯

作曲は、第2楽章のスケルツォから開始しました。
1924年2月25日のこと。
当時彼はまだ17歳の学生でした。
完成は、翌25年7月1日のこと。
音楽院の指揮科教授のニコライ・マルコ(1883-1961)に相談すると演奏の快諾をもらいました。
卒業試験の場では、グラズノフから第一楽章冒頭の和声を修正するよう求められもしました。
ただ本人が一番心配していたのが、まだ学生だったこともあり、自分で作った管弦楽曲をオーケストラで聴いたことがなかったのです。

しかし、その不安は杞憂に終わりました。

交響曲第1番の初演

初演は、1926年5月12日、まさに今から100年前に、レニングラード・フィルハーモニー大ホールで、ニコライ・マルコ指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団によって行われました。

結果は大成功で、第2楽章がアンコールされたほどです。

まさにこの交響曲第1番の初演の成功から、ショスタコーヴィチ作曲家人生が始まったと思います。

ちなみに初演者のマルコの録音はいくつか残されていますが、残念ながら筆者の調べたところでは見つけることはできませんでした。

初演指揮者マルコについて

面白いところでは、1955年のライブ録音で、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番と交響曲第9番が残されています。オーケストラはデンマーク放送響です。

このマルコという人も数奇な運命をたどることになります。
簡単に記しますと、1925年にレニングラード音楽院の教授に就任し、のちレニングラード・フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者に就任しています。

ショスタコーヴィチの交響曲第1番と第2番を初演し、第2番はマルコに献呈されているほどです。
ただ権威に固執しない人だったらしく、1929年には西側の要請で妻とデンマークに移り、デンマーク放送響の創設に尽力しています。
第二次大戦を機に渡米し、指揮法の教師となり、指揮法の本も書いています。

その後1956年にオーストラリアのシドニーに移りシドニー響の首席指揮者となり、1961年に没しています。

いずれこの人の演奏を聴きまとめて記したいと思います。

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交響曲第1番のCD紹介

ショスタコーヴィチの交響曲第1番の録音をいくつか聴いてみました。
原曲のオリジナリティが高いので、どの演奏を聴いても、いいな、と思います。

自分の好きな演奏を選ばれたら良いと思います。

ネルソンス&ボストン響

ネルソンスは、サンクトペテルブルク音楽院で指揮を学んだ人です。
つまり、ショスタコーヴィチの後輩であり、初演指揮者マルコが指揮科の教授だったことから、何代目かの弟子でもあります。
だから共感溢れる演奏を展開してるのが感じられます。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(09:27) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(04:51) II. Allegro
3.(09:45) III. Lento
4.(11:06) IV. Allegro molto
total(35:09)

ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス – Andris Nelsons (指揮)
録音: November 2018, Live recording, Symphony Hall, Boston, Massachusetts, USA

ショスタコーヴィチ:交響曲1番、第15番&第14番他(ボストン響/ネルソンス)

第1弾から第3弾までグラミー賞を受賞したネルソンス&ボストン響のショスタコーヴィチ録音第5弾となったアルバム。
レニングラード音楽院の卒業制作として作曲され、初演の大成功がショスタコーヴィチを世界の檜舞台にのしあげた最初の交響曲第1番。
様々な作品の引用が興味深い第15番は彼の最後の交響曲となった作品です。
創作の集大成とも言える第14番と、バルシャイが編曲し作曲者が絶賛した室内交響曲も収録されています。

ウィッグルスワース&オランダ放送フィル

今回初めて聴いた指揮者。
若手かと思ったら1964年生まれなので、録音当時は中堅というポジションです。
ショスタコーヴィチの交響曲全集を録音しています。
なかなか聴きごたえありです。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(08:33) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(05:07) II. Allegro
3.(08:28) III. Lento
4.(09:42) IV. Allegro molto
total(31:50)

オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 – Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
マーク・ウィッグルスワース – Mark Wigglesworth (指揮)
録音: October 2006, Music Centre for Dutch Radio & Television, studio MCO5, the Netherlands

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&15番(オランダ放送フィル/ウィッグルスワース)

SACDハイブリッド盤。マーク・ウィグレスワースによるショスタコーヴィチの交響曲全曲録音が遂に完結します。
1997年より録音開始した当シリーズは最初にBBCウェールズ・ナショナル交響楽団(第5、6番(BIS973)、第7番(BIS873)、第14番(BIS1173))と、その後はオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(第1~3番(BISSA1603)、第4番(BISSA1553)、第8番(BISSA1483)、第9&12番(BISSA1563)、第11番(BISSA1583)、第13番(BISSA1543))と2つのオーケストラで録音されました。
ウィグレスワースの卓抜な統率力による高水準の演奏でBISならではの優秀録音によりショスタコの立体感を楽しめる内容になっております。

バルシャイ&ケルンWDR交響楽団

ルドルフ・バルシャイは、ショスタコーヴィチと親交もあり心酔していた指揮者であり作曲家でした。
この全集も私財を投げうって、オーケストラを雇い成し遂げた入魂の演奏です。
この全集は持っていて損はないし、多くものを教えてくれます。

SACDハイブリッド盤と通常のCD盤があります。
僕は通常盤を愛聴しています。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(08:33) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(05:07) II. Allegro
3.(08:28) III. Lento
4.(09:42) IV. Allegro molto
total(31:50)

ケルンWDR交響楽団 – WDR Symphony Orchestra Cologne
ルドルフ・バルシャイ – Rudolf Barshai (指揮)

ショスタコーヴィチ:交響曲全集(SACDハイブリッド)(ケルンWDR交響楽団/バルシャイ)

ショスタコーヴィチ:交響曲全集(CD)(ケルンWDR交響楽団/バルシャイ)

CD盤は、SACDハイブリッド盤に比べ、かなり割安感があります。

ルドルフ・バルシャイ(1925-2010)が1992年から2000年にかけてケルン放送交響楽団とセッション収録を行ったショスタコーヴィチの全15曲の交響曲録音は、リリース以来爆発的なセールスを記録し続けている屈指の名盤です。
輸入盤でしかも枚数の多い全集にもかかわらずここまでの大ベストセラーとなったのは価格的に求めやすい設定ということがあったにせよ、やはり内容が大きいです。
バルシャイが第14番の初演者というばかりでなく、いわゆる雪解け後の’90年代にショスタコーヴィチを始めとした旧ソ連時代の作品の受容と演奏頻度が増したこと、マーラー・ブームに続き大オーケストラ作品の需要が高まっていた時期に、レベルの高い演奏でかつ録音も素晴らしいこの全集が売れないはずはありませんでした。
加えて、西側でひとつのオーケストラにより集中的に収録されたことで個々の曲のクオリティのバラツキが少ないこと、そしてケルン放送交響楽団の機能性の高さ、何よりバルシャイ自身の音源が西側に亡命したことにより当時極端に少なかったことも影響していると思われます。

ホーレンシュタイン&ロンドン・フィル

ホーレンシュタインは、個人的には好きな指揮者です。
フルトヴェングラーのアシスタントをしていたので、ロマンティックな演奏をすると思うと、現代の古楽器演奏の先駆的なスタイルの録音もあり、なかなk一筋縄でいかない指揮者でそこが魅力でもあります。
このショスタコーヴィチは、ウィーン風の柔らかさを感じます。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(09:12) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(04:47) II. Allegro
3.(08:38) III. Lento
4.(09:48) IV. Allegro molto
total(32:25)

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 – Royal Philharmonic Orchestra
ヤッシャ・ホーレンシュタイン – Jascha Horenstein (指揮)
録音: 18 July 1970, Albert Hall, Nottingham, UK

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番(ロイヤル・フィル/ホーレンシュタイン)

BBCのアーカイヴから、ヤッシャ・ホーレンシュタイン(1898-1973)の英国ライヴが登場。
現ウクライナのキーウに生まれ少年時にウィーンへ移住、当地で音楽教育を受けた彼はベルリンでフルトヴェングラーのアシスタントを務めるなどをした後、1929年にデュセルドルフ歌劇場の音楽監督に就任しました。しかしナチスの台頭から逃れてアメリカに移住した後は生涯主要な音楽的ポストに就くことなく、戦後ヨーロッパに戻ってロンドン交響楽団ほか英国の各オーケストラとも深い絆を結びながらマーラーやブルックナーの演奏で高い評価を得ましたが、商業録音には恵まれませんでした。ここに収録されたショスタコーヴィチの交響曲第1番も商業録音が残っていない曲の一つですが、作品への献身的な解釈に裏打ちされた活気がたいへん印象深い演奏を聴かせています。
かつてDOREMIからエアチェック音源と思われるリリースなどがあった演奏ですが、今回オリジナルテープからの新リマスターが待望の登場です。
ホーレンシュタインが個人的に知己を得ていたニールセンの交響曲第5番はUnicornレーベルにスタジオ録音も残していますが、この演奏はその約2年後に行われた同じニュー・フィルハーモニア管弦楽団とのライヴで、IMPクラシックスのBBCシリーズでもリリースされていたもの。
ニールセンの戦争交響曲ともいわれるこの作品の個性を強烈に引き出しており、第1楽章のスネアドラムの扱いなどもたいへん印象的。
今回のCD化にあたってどちらの作品もポール・ベイリー(Re:Sound)により丁寧なリマスターが施されており、演奏が活き活きと立ったものになっていることは特筆ものです。
余白には英国の音楽学者でマーラー10番のクック版でも有名なデリック・クックを聞き手に、ホーレンシュタインがニールセンとの友情について語る、英語による6分弱のインタビューが収録されています。

バーンスタイン&シカゴ響

バーンスタインが37年ぶりにシカゴ響を振ったライブです。
第7番は、超名演ですが、第1番もその彫りの深さとシカゴ響のレベルの高さに痺れる名演です。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(08:54) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(04:47) II. Allegro – Meno mosso – Allegro – Meno mosso
3.(10:19) III. Lento – Largo
4.(10:37) IV. Allegro molto – Lento – Allegro molto – Meno mosso – Allegro molto – Molto meno mosso – Adagio – Largo – Piu mosso- Presto
total(34:37)

シカゴ交響楽団 – Chicago Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン – Leonard Bernstein (指揮)
録音: June 1988, Symphony Hall, Chicago, United States

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第7番(シカゴ響/バーンスタイン)

バーンスタインが37年ぶりにシカゴ交響楽団を指揮したコンサートを記録した1988年のライヴ録音。
ショスタコーヴィチの音楽が持つ政治的、社会的側面からは距離をとった、徹底して純音楽的なバーンスタインのアプローチは、《レニングラード》の交響曲としての魅力を再認識させてくれます。
第4楽章クライマックスのシカゴ響ブラス・セクションのサウンドは一度聴いたら忘れられない圧倒的な迫力です。

クルト・ザンデルリンク&ベルリン響

ショスタコーヴィチの交響曲第1番に関しては、筆者が調べて限りでは、ムラヴィンスキーの録音は残されていないようです。

だからそれを聴くことは出来ませんが、もしあるとするとこのザンデルリンクの演奏が一番近いのではと思います。

その透徹した厳しさをまさにムラヴィンスキーのしかも良い録音で聴いているかのように思いました。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第1番 ヘ短調 Op. 10
Symphony No. 1 in F Minor, Op. 10

1.(08:42) I. Allegretto – Allegro non troppo
2.(05:01) II. Allegro
3.(08:29) III. Lento
4.(09:40) IV. Allegro molto
total(31:52)

ベルリン交響楽団 – Berlin Symphony Orchestra
クルト・ザンデルリンク – Kurt Sanderling (指揮)

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番他(ベルリン響/クルト・ザンデルリンク)

没後10年企画。ザンデルリングの確固たる解釈が聴く者を納得させる、旧東独渾身のショスタコーヴィチ像。
柔らかく重厚な響きの名演。
第1,6,10番は世界初SACD化!アナログ領域でのみマスタリングを行い、ダイレクトでDSD化!優秀録音。
本国のETERNAオリジナル・アナログテープ最新復刻企画 SACDハイブリッド化第15弾
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まとめ

ショスタコーヴィチが、もしソ連ではなく、同時代のドイツかオーストリアに生まれていたら?と考えることがあります。

しかし、それでももっと自由に作曲できたとは思えません。
何と言ってもナチス政権下だったからです。
当然、ナチス政権に有益とされる作曲を命じられたと思います。

またピアノ名手でしたから、フルトヴェングラー同様、ヒトラーの記念日に演奏を強要されたかもしれません。

どちらにしても大変な時代での創作活動だった思われます。
彼の作品を聴いて、そんな時代がもう過去のもであるように願うため、21世紀の現代にはよりショスタコーヴィチが必要だと思います。



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