こんにちは、ともやんです。
交響曲第3番は、1929年から30年に掛けて作曲されました。
第2番の2~3年後に作曲されていますが、この2つの交響曲は、共に合唱を伴っていますが、音楽的には印象がかなり違います。
今回は、交響曲第3番について記したいと思います。
注:アイキャッチ画像は、プラハの風景を使っています。
ショスタコーヴィチ交響曲第3番について
僕が中学生の時から愛用している『名曲辞典』音楽学者:属啓成(さっかけいせい)著(音楽之友社)で、ショスタコーヴィチの交響曲第2番と第3番を調べてみました。
そうするとあまりの取り扱いの小ささに驚きました。
交響曲第2番と第3番の取り扱い
『名曲辞典』では、あまりの取り扱いの小ささに愕然としました。
もっともいままでも目にしていたはずでが、興味もなかったしそんなもんか、程度にしか思っていませんでした。
例えば、第1番は、30数行の記事と、楽章ごとの解説に一部楽譜も引用しています。
しかし、第2番の解説はわずか6行、第3番も8行だけと少なさ。
内容も、
“かれの第2交響曲とともに今までのところ演奏もされないし、ほとんど知られてもいない。”
というつれないコメント。
ちなみにこの『名曲辞典』は出版されたのが、1969年6月で、僕が持っているのは、1971年9月の第2刷のもの。
まだショスタコーヴィチも健在だし、交響曲も第13番までしか記載されていません。
つまり1970年頃の取り扱いはその程度だったのでしょう。
スメターチェクの快演は1974年
そんな中、1974年のスメターチェク指揮プラハ放送交響楽団のラジオで放送されたライブでの快演は凄いです。
ちなみに当時は、チェコスロバキア社会主義共和国という国で、1968年の「プラハの春」で、ソ連軍の軍事介入があり、共産党指導体制の統制下に戻っていました。
その中で快演。
合唱部分もチェコ語変えています。
凄まじい推進力を持った演奏と歌詞をチェコ語に変えての演奏は、スメターチェクやオーケストラ団員、合唱関係者の強い心意気を感じます。
交響曲第3番のCD紹介
今回3つの録音を聴きました。
ショスタコーヴィチの全15曲の交響曲を聴くための指標にしているネルソンスとフィンランドの指揮者ストゥールゴールズとチェコの名指揮者スメターチェクの3つです。
それぞれ特徴があり、この作品の意外な素晴らしさを教えてくれました。
ネルソンス&ボストン響
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第3番 変ホ長調「メーデー」 Op. 20
Symphony No. 3, Op. 20, “Pervomayskaya” (The First of May)
作詞 : セミョン・キルサノフ – Semyon Kirsanov
1.(10:48) Allegretto – Piu mosso – Allegro
2.(06:06) Andante
3.(12:23) Allegro – Andante – Largo
4.(05:45) Moderato
total(35:02)
タングルウッド祝祭合唱団 – Tanglewood Festival Chorus
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス – Andris Nelsons (指揮)
録音: October 2022, Live recording, Symphony Hall, Boston, USA
ショスタコーヴィチ:交響曲第2番&第3番他(ボストン響/ネルソンス)
ストゥールゴールズ&BBCフィルハーモニック
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第3番 変ホ長調「メーデー」 Op. 20
Symphony No. 3, Op. 20, “Pervomayskaya” (The First of May)
作詞 : セミョン・キルサノフ – Semyon Kirsanov
1.(02:59) I. Allegretto – II. Piu mosso –
2.(02:04) II. Allegro –
3.(01:54) II. Piu mosso – Meno mosso –
4.(04:35) II. Allegro
5.(05:30) III. Andante
6.(07:04) IV. Allegro
7.(04:06) V. Andante
8.(04:34) VI. Moderato
total(32:46)
ハレ合唱団 – Halle Choir
BBCフィルハーモニー管弦楽団 – BBC Philharmonic Orchestra
ヨン・ストゥールゴールズ – John Storgards (指揮)
録音: 19 May 2024, MediaCityUK, Salford, Manchester, United Kingdom
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第3番(BBCフィルハーモニック/ストゥールゴールズ)
冒頭に収録された2つのスケルツォは、まだ彼が独自のスタイルを確立する前の作品ながら、後に作曲された交響曲第1番との共通点を備えており、若きショスタコーヴィチの才能がすでにうかがえます。
交響曲第1番は卒業試験のために2年かけて完成され、初演と同時に大きな成功を収めました。
続く合唱を伴う交響曲第3番では、作曲技術の著しい成長とともに、当時の政治的状況の変化も反映されています。
ショスタコーヴィチはすでにこの頃、創作活動において政治的配慮が不可欠であることを認識しており、本作では労働歌風の旋律を引用し、メーデーの祝祭的な雰囲気を生き生きと表現しています。
ストゥールゴールズは、緻密なテンポ設定と実直なアプローチを通して、若きショスタコーヴィチが抱いていた信念と理想を鮮やかに浮かび上がらせています。
ナクソス・ジャパン
スメターチェク&プラハ放送響
チェコの名指揮者ヴァーツラフ・スメターチェクによる凄演。
ネルソンスが、演奏時間35分掛けているのに、スメターチェクは、30分少々で駆け抜けていく。
凄い気合と熱気で、突き進む疾走感が凄い演奏。
ショスタコーヴィチ交響曲第3番を知らない人が聴いても、動けなくなると思う。
特に端正なネルソンスの演奏を聴いた後なので余計そう感じたと思う。
ショスタコーヴィチの交響曲第1番から3番は、決して習作的な存在ではなく、演奏次第では、第4番以降の中期以降の作品に比べても遜色ないということをこの演奏は教えてくれました。
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第3番 変ホ長調「メーデー」 Op. 20
Symphony No. 3, Op. 20, “Pervomayskaya” (The First of May)
作詞 : セミョン・キルサノフ – Semyon Kirsanov
1.(09:48) I. Allegretto
2.(04:30) II. Andante
3.(08:53) III. Allegro – Largo
4.(04:22) IV. Moderato (choral finale)
total(27:33)
プラハ放送交響楽団 – Prague Radio Symphony Orchestra
ヴァーツラフ・スメターチェク – Vaclav Smetacek (指揮)
録音: September 1974, Live radio recording, Czechoslovak Radio, Prague, Czech Republic
ショスタコーヴィチ:交響曲第3番他(プラハ放送響/スメターチェク)
チェコ語歌唱も熱い大迫力ショスタコ『メーデー』!
美しい歌に心うきたつプロコも抜群!
手に汗握る疾走感に決然とした展開、チェコ語で高らかに歌い上げられる終結合唱にもおおいに痺れます。対するプロコフィエフ7番は美しい歌にあふれ、うきたつリズム感のなかで次々と旋律を紡いでは戯れていく展開に心躍ります。
両曲ともスメターチェク抜群の解釈と巧みなオーケストラ・ドライヴに魅せられる、知る人ぞ知る超名演!
フィナーレの歌詞をチェコ語にしたのも、チェコの聴衆に作曲家の狙いをよりよく理解してもらうためと想像される。求心力と迫力に満ちた演奏を聴かせており、合唱付き作品を得意としたスメターチェクの面目躍如たる名演と言えるだろう。(板倉重雄氏の解説より)
キングインターナショナル
まとめ
ショスタコーヴィチの交響曲第2番と第3番は、過小評価されているように思います。
しかし、今回2曲を続けて聴いて感じたのは、もっと評価されて良いと実感しました。
第2番は、ロシア・アヴァンギャルド交響曲の傑作です。
第3番は、後のショスタコーヴィチ・スタイルを模索した実験的な作品で、その中にみずみずしさを感じさせる作品です。
録音自体は、まだまだ多いとは言えませんが、2000年以降増えてきていますね。
その中で、80年代に全集を録音したハイティンクは凄いです。
いずれは、ハイティンクの全集をしっかり聴いてレビューしたいと思います。




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