こんにちは、ともやんです。
ショスタコーヴィチの最初の3曲は、第1番が、ペトログラード音楽院の卒業作品でした。
第2番は「十月革命に捧ぐ」、第3番は「メーデー」という題名が付き、第2番は委嘱作品で時代を反映したもので、1930年以降は、演奏さることは少なくショスタコーヴィチ自身も望んでいなかったという。
だから第4番は、ショスタコーヴィチの個性がもっとも表われた作品で、標題を持たない哲学的な内容を持つ本格的な作品でした。
しかし、1936年に発表した歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』は、共産党の機関紙「プラウダ」で批判されたことでこの第4番の運命は変わったのです。
ショスタコーヴィチの交響曲第4番
ショスタコーヴィチの最初の本格的な交響曲第4番は、彼が生きた国家と時代により数奇な運命をたどることになりました。
第4番初演の直前キャンセル
交響曲第4番は1936年に完成されました。
同年12月には、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団による初演が、予定されていました。
しかし、なんと本番の直前に作曲者自身の意志で急遽中止されたのです。
当時、前衛的でモダンな作風だったショスタコーヴィチは、前年(1936年)にオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を『プラウダ』紙上で激しく批判され、政治的な大バッシングを受けていました。
その最中に書き上げた第4番は、マーラーの影響色濃い巨大な編成と、極めて先鋭的で精神的に追い詰められたような狂気とエネルギーに満ちた作品だったのです。
しかも、本格的な交響曲といいながら3楽章形式で、マーラーの交響曲第3楽章でぶった切ったパロディとも捉えれかねない作品でした。
身の安全とスコアの隠匿
ショスタコーヴィチは「この作品を発表すれば、さらに体制からの激しい弾圧を受け、最悪の場合は命の危険もある」と察し、自ら演奏をストップさせました。
指揮者フリッツ・シュティードリーの力量不足を理由にしたという説もありますが、実質的には政治的検閲や自身の身を守るための「自主的な取り下げ」でした。
その後、総譜(スコア)は長い間闇に葬られ、彼は体制に迎合したとも言われる「交響曲第5番(革命)」で名誉を挽回することになります。
第4番のスコアは奇跡的に戦禍を生き延び、実に四半世紀後の1961年、キリル・コンドラシンの指揮のモスクワ・フィルによってようやく初演され、日の目を見ることになりました。
楽曲に刻まれた巨大なエネルギー
こうした歴史的背景を知って聴くと、第1楽章の圧倒的なまでの暴力性と不安感が入り混じったカオスや、第3楽章の不気味なまでの巨大なうねりが、単なる音楽的実験ではなく、当時の作曲家が置かれた極限状態のドキュメントであるように響いてきます。
全15曲の中でも、ある種の「禁断の傑作」としてひときわ異彩を放つナンバーです。
ちなみに、ちなみに筆者が敬愛する宇野功芳氏も、このショスタコーヴィチの第4番の持つ凄まじいエネルギーや悲劇性に満じた音楽を非常に高く評価していました。
交響曲第4番のCDと動画紹介
サイモン・ラトル指揮のバーミンガム市交響楽団の名盤が現在廃盤中です。
ただ音楽配信サービスでは、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで聴くことはできます。
もちろん有料ですが、このサイトはクラシック音楽を愛する方には、とってもとっても充実していますので、良かったら登録してみてください。
また、現在全集の録音を進行中のストゥールゴールズ&BBCフィルハーモニックは、まだ発表されていません。
ということで、僕が聴いたのは、ショスタコーヴィチの交響曲全曲を録音した、ウィッグレスワース&オランダ放送フィルと初演を行ったコンドラシン&モスクワ・フィル、そして配信動画では、2025年の没後50年を記念してライプツィヒで行われたネルソンス&ゲヴァントハウス管の演奏をご案内いたします。
ウィッグレスワース&オランダ放送フィル
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第4番 ハ短調 Op. 43
Symphony No. 4 in C Minor, Op. 43
1.(29:10) I. Allegretto poco moderato – Presto
2.(08:35) II. Moderato con moto
3.(27:52) III. Largo – Allegro
total(65:37)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 – Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
マーク・ウィッグルスワース – Mark Wigglesworth (指揮)
録音: September 2005, Music Centre for Dutch Radio & Television, studio MCO5, the Netherlands
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(オランダ放送フィル/ウィッグレスワース)
ショスタコーヴィチの交響曲第4番は歌劇「ムツェンスクのマクベス夫人」後の、彼の初期集大成として1935/6年に作曲されました。
しかしマクベス夫人が党から猛烈に攻撃されたことに恐れをなして初演が先延ばしにされ、何と25年間もお蔵になっていたといういわくつきの作。
前衛的かつ難解で、オーケストラもとりわけ大編成なのが特徴。ウィグレスワースの緊張感あふれる音楽性がピッタリです。
コンドラシン&モスクワ・フィル
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第4番 ハ短調 Op. 43
Symphony No. 4 in C Minor, Op. 43
1.(25:42) I. Allegretto poco moderato – Presto
2.(08:22) II. Moderato con moto
3.(26:01) III. Largo – Allegro
total(60:05)
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団 – Moscow Philharmonic Orchestra
キリル・コンドラシン – Kirill Kondrashin (指揮)
録音: 1962
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(モスクワ・フィル/コンドラシン)
キリル・コンドラシン&モスクワ・フィルの尽力によって1961年にようやく初演が実現し、その直後に行われたこのレコーディングは今なお同曲の決定的名演として最高の評価を得ているものです。
このCDジャケットが恐ろしいです。
当局の軍人と思われる(KGBか?)は、ショスタコーヴィチと表札の掛かっているドアをノックしているのです。
ネルソンス&ゲヴァントハウス管(動画)
2025年、ドミートリイ・ショスタコーヴィチの没後50年を記念し、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスは特別なフェスティバルを開催しました。
そのオープニングを飾ったコンサートの動画です。
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(ゲヴァントハウス管/ネルソンス)
音楽監督、アンドリス・ネルソンス率いるゲヴァントハウス管弦楽団が、人気ピアニストのダニール・トリフォノフを迎え、「ショスタコーヴィチ:祝典序曲」、「ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番」、「ショスタコーヴィチ:交響曲第4番」を演奏。
動画配信サイト、U-NEXTで配信中(2026年9月7日現在)です。
なお、U-NEXTでは、会員でない方でも初めて登録される方には、31日間無料トライアルのサービスを行っています。
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まとめ
ショスタコーヴィチの交響曲を第1番から聴いてくると第10番まででは、個人的には、第4番が一番分かりにくいです。
筆者が、2025年の8月にアップした次の記事では、そんなショスタコーヴィチの交響曲第4番を挙げています。
良かったら読んでみてください。
だから筆者の中では、この作品が分かるようになって初めてショスタコーヴィチに近づいたと感じるのです。
と、思っていますが、まだまだ道半ばですね^^





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