こんにちは、ともやんです。
今回は、ショスタコービッチの全交響曲の中でも第5番と共に人気がある第7番を取り上げます。
この作品は、ショスタコーヴィチの15曲の交響曲の中でも、最大のスケールを持っています。
演奏時間も80分を超えます。
さてどんな作品なのでしょうか?
ショスタコーヴィチ交響曲第7番について
今年はソ連の天才作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)の生誕120年、ちなみに昨年が没後50年。
だからどうしたという方もいると思いますが、僕はせっかくなので彼の交響曲15曲を全部聴いてやろうと現在進行中です。
交響曲第7番が作曲された背景
1941年レニングラード(現サンクトペテルブルク)は、ナチスのドイツ軍に包囲されて兵糧攻めにあっていました。
市民たちは明日をも知れぬ生命の危険にさらされていたのです。
そんな時、レニングラード出身で、そこから疎開していたショスタコーヴィチが、世界にその惨状を知らせ、市民たちを勇気づけるために作ったのがこの交響曲です。
同年7月に着手され、同年12月に完成、レニングラード市に捧げられました。
その後、1943年頃からソ連の反攻が進みドイツ軍を撃滅していきます。
結局、ソ連は第二次大戦で勝利側となるのですが、市民、特に文化人に平和は訪れません。
スターリンの独裁政治による粛清がエスカレートして、反抗するものはことごとく抹殺されていくのです。その数は70万人とも100万人にものぼるとも言われるくらいです。
またある証言では、犠牲者は数千万人におよぶのではないかという説まであるようです。
ショスタコーヴィチの友人たちも気が付くと周りからいなくなり逮捕、銃殺。
その中でよくショスタコーヴィチは生き延び、創作活動を続けたことは、ただただ凄いというしかありません。
第7番を一躍有名にしたテレビCM
個人的には、この交響曲がクラシック音楽ファンのみならず世に知られるようになったのは、シュワルツェネッガーのTVのコマーシャルからではないか、と思っています。
1990年から92年のタケダのアリナミンVのCMで、シュワルツェネッガーのバックで男声コーラスで「ちーちんぷいぷい」と歌われているのは、ショスタコービッチ交響曲第7番の第1楽章の主題なのです。
第7番の第一楽章の途中で小太鼓のリズムに乗って印象的な旋律に痛く惹かれます。
このリズムと旋律は、侵入してくるドイツ軍の行進を表現しています。
一度聴いたら忘れられないような印象的な音楽ですが、聴いているとなんか敵を茶化しているように感じられます。
そしてテレビCM製作者は、このメロディーにちーちんぷいぷいという歌詞にしてCMのバックコーラスに歌わせ、シュワルツェネッガーに叫ばせているのです。
この曲をCMで使った製作者のセンスを評価したいです。
交響曲第7番のCD紹介
人気曲だけにCDはたくさん出ています。
ネルソンスは、1978年生まれで旧ソ連だったラトヴィア共和国のリガで生まれています。
ラトヴィア国立歌劇場管弦楽団のトランペット奏者を経て、サンクトペテルブルク音楽院で指揮を学びました。
同音楽院では、ネーメ・ヤルヴィやヨルマ・パヌーラのマスタークラスに参加し、同郷のマリス・ヤンソンスの薫陶を受けた人です。
ネルソンス&ボストン響
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第7番 ハ長調「レニングラード」 Op. 60
Symphony No. 7 in C Major, Op. 60, “Leningrad”
1.(27:20) I. Allegretto
2.(11:38) II. Moderato (poco allegretto)
3.(20:33) III. Adagio
4.(18:54) IV. Allegro non troppo
total(78:25)
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス – Andris Nelsons (指揮)
録音: February 2017, Live recording, Symphony Hall, London, UK
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番&第7番(ボストン響/ネルソンス)
1978年に、当時まだソ連領だったラトヴィアのリガに生まれたアンドリス・ネルソンスは、ソビエトの音楽的伝統のもとで教育された最後の指揮者の一人。
ショスタコーヴィチの音楽の演奏に対して独自の視点をもっています。
バーンスタイン&シカゴ響
日本を代表するショスタコーヴィチ指揮者と言えばこの人。
井上道義&大阪フィルの演奏は聴きものです。
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第7番 ハ長調「レニングラード」 Op. 60
Symphony No. 7 in C Major, Op. 60, “Leningrad”
1.(31:43) I. Allegretto
2.(14:50) II. Moderato (poco allegretto)
3.(19:25) III. Adagio
4.(18:51) IV. Allegro non troppo
total(84:49)
シカゴ交響楽団 – Chicago Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン – Leonard Bernstein (指揮)
録音: June 1988, Symphony Hall, Chicago, United States
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第7番(シカゴ響/バーンスタイン)
その成功ぶりは、”まるで指揮者とオーケストラの両者が、ともにこの日のためにのみ存在した”という評に如実に示されています。
当盤はそのライヴ録音で、スーパー・オーケストラ、シカゴ交響楽団の表現能力を十分に引き出した感動的爆演です。
井上道義&大阪フィル
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第7番 ハ長調「レニングラード」 Op. 60
Symphony No. 7 in C Major, Op. 60, “Leningrad”
1.(28:45) I. Allegretto
2.(11:28) II. Moderato (poco allegretto)
3.(19:07) III. Adagio
4.(19:44) IV. Allegro non troppo
total(79:04)
大阪フィルハーモニー交響楽団 – Osaka Philharmonic Orchestra
井上道義 – Michiyoshi Inoue (指揮)
録音: 27-28 November 2015, Live recording, Festival Hall, Osaka, Japan
井上はこの交響曲を「人間賛歌」と呼びます。
人間の持つ弱さ、悲しみ、怒り、情熱が入り乱れ、マグマのようなエネルギーとなって表現されたショスタコーヴィチの最高傑作のひとつです。
井上によって統率されたオーケストラがそれらを余すところなく、表現していきます。
パワー漲る迫力、刺激的なサウンド、ドラマティックな音楽性は井上道義の独壇場です。
圧巻の井上&大阪フィルのショスタコーヴィチ・シリーズ第2弾、ぜひお聴き下さい。
まとめ
正直、ショスタコーヴィチの交響曲を全部聴いてやろうと思ったときは、苦行とになるかと思ったのです。
まず聴いてみたい、ではなく、聴いてやろう、ということ自体、完全に気負っていますね。
第10番、第9番、第5番、第8番と聴いてこの作品で5作目。
さすが最大のスケールを誇る作品なので2日間使いました。
しかし、段々と楽しくなってきたのは嬉しいことです。
次は第6番を聴いてコメントいたします。


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