こんにちは、ともやんです。
戦争三部作のひとつと言われ、1943年に作曲された交響曲第8番。
この作品も論争の元になった作品です。
今回は、この交響曲第8番を取り上げたいと思います。
交響曲第8番は反攻気運に水をさす傑作
人によっては、ショスタコービッチの交響曲最高の傑作という人もいる作品です。
指揮者のルドルフ・バルシャイは、ショスタコービッチと親交もあり心酔していて、彼の弦楽四重奏曲を編曲して、室内交響曲にアレンジしたりしています。
そんなバルシャイは、この作品がショスタコービッチの最高傑作として挙げています。
実際この頃のショスタコービッチは、一般的に傑作とされる第7番に続いて第8番を作り、作曲家として脂ののった時代だったことは確かです。
第8番完成の時代背景
ドイツ軍の侵攻に苦しめられていたソ連ですが、1943年頃は、スターリングラードでドイツ軍を撃滅したりと反攻に転じてきました。
前作、第7番では、ドイツ軍に包囲され苦しむレニングラードの人々を勇気づけました。だからその2年後に発表された第8番は、戦況の良くなりかけていた時代ですか、より人々を勇気づけ鼓舞するものと期待されていたとして不思議ではありません。
しかもショスタコービッチ自身「この曲には多くの悲劇的な葛藤があるとはいえ、全体的には人生を肯定する作品だ」とまで言っていました。
悲劇的な内容が論議をよぶ
しかし、実際の演奏を聴いた人たち、そして当局は、あれ?なんか違うんじゃないかと感じてしまいました。
つまり、悲劇的で暗い内容を持った作品だったからです。
部分的に盛り上がるところがあるとは言え、終楽章のエンディングは、消え入るように終わるのです。
僕も初めて聴いたとき、あれ?プレイヤーが止まった?と思ったくらいです。
戦況が上向きになりソ連国内に希望を感じられるようになったころ、それに逆らうような作品を発表したのですから論議を巻き起こさないはずはありません。
そして、この作品が発表されてから13年後には、ショスタコービッチ自身、「この曲は恐ろしい戦争の悲劇を反映し、人民の苦しみを反映した」と語ったのです。
交響曲第8番の名盤を聴く
一部で最高傑作と言われるだけにCDも多くあります。
僕が聴いた中で印象的だったCDを以下に挙げます。
ネルソンス&ボストン交響楽団
交響曲第8番 ハ短調 Op. 65
Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65
1.(26:44) I. Adagio – Allegro non troppo
2.(06:32) II. Allegretto
3.(06:38) III. Allegro non troppo
4.(10:34) IV. Largo
5.(16:12) V. Allegretto
total(66:40)
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス – Andris Nelsons (指揮)
録音: March 2016, Live recording, Symphony Hall, Boston, United States
ショスタコービッチ:交響曲第5番、第8番&第9番(ボストン響/ネルソンス)
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第8番 ハ短調 Op. 65
Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65
1.(25:15) I. Adagio – Allegro non troppo
2.(06:21) II. Allegretto
3.(06:25) III. Allegro non troppo
4.(09:51) IV. Largo
5.(13:18) V. Allegretto
total(61:10)
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 – Leningrad Philharmonic Orchestra
エフゲニー・ムラヴィンスキー – Yevgeny Mravinsky (指揮)
録音: 1982, Live Recording, Leningrad, Russia
ショスタコービッチ:交響曲第8番(レニングラード・フィル/ムラヴィンスキー)
ムラヴィンスキーのショスタコーヴィチ8番、1982年盤が未亡人所蔵の音源から新マスタリング。
ついに真の姿を現した!
「従来の盤に比べて広がりの豊かさや響きの厚みがいっそう増している」-平林直哉
井上道義&新日本フィルハーモニー響
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第8番 ハ短調 Op. 65
Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65
1.(26:20) I. Adagio – Allegro non troppo
2.(06:50) II. Allegretto
3.(06:37) III. Allegro non troppo
4.(10:08) IV. Largo
5.(15:13) V. Allegretto
total(65:08)
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
井上道義 – Michiyoshi Inoue (指揮)
録音: 3 July 2021, Live recording, Suntory Hall, Tokyo, Japan
ショスタコービッチ:交響曲第8番(井上道義/新日本フィルハーモニー響)
交響曲第8番では、堅固に構築された音楽で、激しい葛藤と悲しみのレクイエムを聴かせます。
過去に幾度も共演を重ねた新日本フィルは、コンサートマスターの崔文洙を中心として、美しく壮烈な響きで井上に応えました。
クルト・ザンデルリンク&ベルリン響
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第8番 ハ短調 Op. 65
Symphony No. 8 in C Minor, Op. 65
ベルリン交響楽団 – Berlin Symphony Orchestra
クルト・ザンデルリンク – Kurt Sanderling (指揮)
1.(27:09) I. Adagio – Allegro non troppo
2.(06:31) II. Allegretto
3.(06:47) III. Allegro non troppo
4.(10:32) IV. Largo
5.(15:28) V. Allegretto
total(66:27)
ショスタコービッチ:交響曲第8番(ベルリン響/クルト・ザンデルリンク)
個人的には、一番好きなCD。
クルト・ザンデルリンクは、丁寧に淡々と再現していきますが、派手さがない代わり、聴くほどに感動が深くなる名演だと思います。
まとめ
ショスタコービッチの交響曲を毎日聴き始めて4日目です。
第10番、9番、5番、そして8番と聴いてきました。
聴き始める前は、苦行になるのではと思っていましたが、いやいや、そんなことはありません。
もっとも、どの作品も楽しいよりも暗く重い感じはしますが、それが決して沈鬱なることはありません。
と言っても、15曲中のまだ4曲。
今後は、どんな衝撃的な作品が来るかわかりません。
それは、なんか嫌だな、というのでは、なんかわくわくドキドキしている自分がいます。




コメント