こんにちは、ともやんです。
8月23日(日)ミューザ川崎シンフォニーホールにコンサートを聴きに行ってきました。
東京交響楽団の定期演奏会で、今回の目玉は何と言ってもピアニスト角野隼斗が、自作の新作の世界初演するということ。
そのことについて記します。
角野隼人の自作の世界初演
角野氏のステージということだからか、女性比率が非常に高いと感じました。
今年32歳になる角野さんの母親世代から少し下かなと思われるご婦人方が多いようでした。

プログラムは、
1,ピアノとオーケストラのための《無我》(世界初演)
2,カプースチン:ピアノ協奏曲第4番
3,ベルリオーズ:幻想交響曲
管弦楽:東京交響楽団
ピアノ:角野隼斗
指揮:ピエール・ブリューズ
オーケストラがチューニングを終わり、長髪をなびかせ颯爽と入場する角野氏、それに続く禿げ頭のブリューズ氏。
角野隼人の新作について
彼の自作は演奏時間約13分ほどの作品でした。
3つほどのパートに分かれていて、ピアノとオーケストラがお互いに溶け合うような作品でした。
僕には、ラヴェルたドビュッシーを感じさせる作品だなと感じられました。
しかも時にリムスキー=コルサコフ風の中央アジアを連想させるフレーズなどが出てきたりして、メロディアスで素敵な作品でした。
現代音楽のような無調だったら難しいなと聴く前に思っていましたが、聴きやすい音楽でした。
カプースチンはぴったりかも
2曲目は、カプースチン(1937-2020)のピアノ協奏曲第4番。
カプースチンは、現代ロシアの作曲家で、ジャズの影響が大きく、ガーシュインの服を着たロシア人と言われるほどの作曲家です。
だからクラシック音楽にとどまらない活動をしている角野氏には、ぴったりな作品という感じもします。
そう言えば、以前彼のコンサートで聴いた時のプログラムは、ガーシュインのピアノ協奏曲でした。
やはり角野氏はこの手の作品が好きなんだなと思いました。
演奏が終わると、やはり以前見た光景が繰り広げられていました。
ファンの女性たちが立ち上がって拍手する姿が散見されました。
ただ今回は以前より少なかったと思います。
僕の前の席の40代と思われる女性は、腕を高々と上げて拍手するものですから、ステージが見えなくなったほどです。
幻想交響曲の演奏は好みでなかった
最後の幻想交響曲は、個人的にはあまり好きになれない演奏でした。
この作品もっと妖しく、怪しい、なんかおどろおどろしく、やばさを感じさせる作品だと思うのです。
僕の好きな録音は、クレンペラー指揮のフィルハーモニア管で、派手になったり劇的になる部分を出来るだけ抑制した演奏でした。
ブリューズ氏の指揮は明快でメリハリが効きすぎで、第4楽章の行進曲なんて大音量、終楽章もそのノリで進んでかなり派手で大味な演奏でした。
僕には残念な演奏でした。
ただそんな胸のすく演奏が好きな人もいるとは思います。
角野氏は、やはり才人ですね。
ただピアニストとしては、ガーシュイン、カプースチンとジャズぽい作品を上手く弾いて、だからラヴェルなども巧みに弾くと思います。
逆にベートーヴェンやブラームスではどんな演奏聴かせてくれるのか興味深いですね
角野隼斗はコンポーザー・ピアニストをめざす?
角野隼斗の世界デビューアルバムは、自作と既存作品のアレンジなどでした。
今回のコンサートのプログラムと似ています。
今後彼は、コンポーザー・ピアニストを目指すのでしょうか?
『蜜蜂と遠雷』と角野隼斗
そう言えば、作家恩田陸さんの小説『蜜蜂と遠雷』で、コンクールで第2位になったマサル・アナトールが、自分は今後、コンポーザー・ピアニストを目指していきたいとその胸中が描かれています。
例えば、歴史上の著名な作曲家にはそんな人が多い。
モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ショパン、ブラームス、新しいところではショスタコーヴィチ、バーンスタインなど。
しかし現代は、フリードリッヒ・グルダなどいましたが、どうも色物的に見られる傾向がある。
だから今後の角野隼斗の活動の展開は興味深いですね。
角野隼斗の世界デビューアルバム
1. 角野隼斗:Human Universe
2. J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ(カンタータ BWV147より)
3. パーセル:グラウンド ハ短調 ZD221
4. フォーレ:イン・パラディスム
角野隼斗:3つのノクターン
5. I. Pre Rain
6. II. After Dawn
7. III. Once in A Blue Moon
8. ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
9. ショパン:夜想曲第13番ハ短調Op.48-1
10. 角野隼斗:追憶
11. ドビュッシー:月の光
12. 坂本龍一:solari
13. ハンス・ジマー:Day One(映画「インターステラー」より)
14. 角野隼斗:胎動
15. ラヴェル:ボレロ
16. 角野隼斗:きらきら星変奏曲
古代ギリシャ人は、宇宙の天体が音を発し、宇宙全体が調和と音楽、いわゆる『天球の音楽』を生み出すと信じていました。
私はこのコンセプトが大好きで、音楽における私自身の美学にとても近いものであり、このアルバムを世界中のリスナーと分かち合えることは、私にとって何にもかえがたいものです。」と語っている。
世界を舞台に活躍する角野隼斗の「リフトオフ」から目を離すことができない。
角野隼斗の弾いてほしい曲
今回のコンサートで角野隼斗の演奏を聴いて、彼に弾いてほしい作品を考えてみました、
コンサートというのは、また聴きに来たい、次はあんな曲、そんな曲を聴かせてほしいと思わせて本当だと思います。
つまりどこかにワクワク、ドキドキさせてくれる部分がないと、また彼の、彼女の演奏を聴きたいとは思わないのです。
角野氏の演奏は、感動的かと言われると多少首をかしげますが、あの作品だったらどんなアプローチをするのかな、と興味を沸かせることは間違いありません。
ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調
角野隼斗の実演は、自作以外では、ガーシュインとカプースチンの4番のピアノ協奏曲でした。
つまりジャズの要素が色濃く含まれている作品です。
それを軽快に弾きこなす角野氏はカッコいいですが、さて感動的か、と問われると「上手いとは思うけど」という感じでやや首をかしげます。
だからラヴェルのピアノ協奏曲ト長調でぜひその真価を確認したいと思います。
上手く弾くのは間違いないです。
きっと抜群にスタイリッシュで鮮やかな名演になりそうだと僕も強く想像できます。
あの煌めくようなラヴェルの作品でどこまでわくわくさせてくれるか聴いてみたいです。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第4番
ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲のうち、僕はぜひ第1番を弾いてほしいです。
次に第4番かな。
華やかで長大な「第5番皇帝」や悲愴的な「第3番」ではなく、あえて古典派の端正な枠組みが残る第1番や、詩的な対話と静謐な美しさに満ちた第4番を選んでみました。
角野氏のクリアでコントロールされたタッチは、第4番の第2楽章で見せるオーケストラとの緊張感あふれる対話を、まるで現代の光で照らすように鮮やかに描き出してくれそうです。
ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」
ピアノソナタ第8番「悲愴」は、若書きの情熱とドラマ性が詰まった前期の傑作です。
カプースチンやガーシュウィンで培われたダイナミックなリズム感と鋭いアクセントが、「悲愴」の第1楽章の劇的な提示部や、第3楽章の疾走感にどう作用するのか非常に興味深いです。
ブラームスの間奏曲集
ブラームス:間奏曲集(Op. 116-119)
グレン・グールドがその生涯の最後に至るまで偏愛し、あの独特の繊細かつ突き詰めたタッチで名演を残した晩年の小品群です。
華やかな技巧や即興性とは対極にある、人生の夕暮れや深い孤独、諦念と温もりが入り混じった世界です。
いま最先端のポップカルチャーやジャズ、現代音楽の息吹を軽やかに体現している角野氏が、あえてこの「人生の晩秋」とも言えるブラームスの内省的な世界に向き合ったとき、どのような静けさと深みを表現するのか。
それは聴き手にとっても、演奏家自身にとっても、大きな挑戦であり、得がたい深い感動をもたらす体験になるかも、です。
ちなみにグールドが、これを録音したのが1960年の28歳の時です。
だから余計興味深いです。
まとめ
角野氏は、才人です。
外見もスタイリッシュで洗練されていて、女性ファンが多いのもうなづけます。
演奏もその外見から想像できるように軽やかでお洒落です。
だから余計、J.S.バッハだったら、モーツァルトだったら、ベートーヴェンだったら、ブラームスだったら、どんな演奏を聴かせてくれるのか、興味がわきます。
ぜひ、生きているうちに聴きたいですね。



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