こんにちは、ともやんです。
僕の住む横浜の港北ニュータウンから電車を乗り継ぐこと約2時間半。
茨城県龍ケ崎市の片田舎にクラシック大好きなおじさんたちが集まる会があります。
月に一度、エアチェックなどで録音したライブ音源をお手製の凝りに凝った音響装置で再現してくれます。
来る人は拒まずで、参加は無料。
僕は、ここの現理事長と30年以上前に一度、朝比奈さんのコンサートにご一緒した仲でした。
それが人の縁とは不思議なもの、ここ3年ほど前に知り合いになった友人が、偶然ここの正会員だったことがわかり、これも縁と6月に僕も正会員になりました。
そして先日の8月8日に行われた『夏のポピュラー名曲集』と題されたオリジナルCDコンサートを聴いてきました。
庄司紗矢香のチャイコフスキーに悩殺
いつも自分の部屋の細やかな再生装置やヘッドホンで聴くている耳には、龍ケ崎で聴く広がりと深みのある音響では、比べようがありません。
最初に登場したのが、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
ヴァイオリン協奏曲の中でも名曲中の名曲と言われています。
僕が小学生の頃、テレビのN響の番組で聴いて、一度聞いて大好きになった作品です。
音源は、庄司紗矢香の独奏、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団により2001年11月5日のサントリーホールでのライブです。
18歳の熱演に第1楽章で拍手
庄司紗矢香さんは、この演奏時まだ18歳。
1999年の16歳のときに、パガニーニ国際コンクールで史上最年少で優勝。
とはいえ、その堂々たるステージには圧倒されました。
だから現場で聴いていた観客たちは、どれほど興奮させられたことかと思います。
実際、第1楽章終了時に、異例のブラボウの掛け声と拍手は湧いたほどです。
後でCDを紹介しますが、このライブから約4年後の2005年10月にチョン・ミョンフン指揮のフランス放送フィルと共演して、同じチャイコフスキーを録音しています。
第1楽章の演奏時間を見ても、2005年のスタジオ録音が、19:39に対して2001年のライブは18:15という速いテンポで弾ききっています。
もちろん完璧なテクニックですから、まさに目もくらむような煌めくような演奏で、第1楽章終了時に拍手を湧くものわかります。
僕も音響装置に向かって拍手したくらいです。
庄司紗矢香のステージでの大物感
僕は、庄司紗矢香さんのステージに一度接したことがあります。
確か2022年12月のサントリーホールで、ピアニストのジャンルカ・カシオールと組んでモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを演奏しました。
この少し前に、ガット弦のストラディバリとフォルテ・ピアノによるモーツァルトのソナタのCDを出したばかりで、そのプロモーション的なステージだったと思います。
僕はサントリーホールのステージの後ろ側の席に妻と聴いていました。
年齢的にも40歳を間近にした、大物感溢れる堂々としてものでした。
演奏が終わった後の挨拶も素っ気ないくらいで、少し横柄に感じるほどでした。
むしろ共演のカシオールが、笑顔で何度も頭を下げていたのとは対照的でした。
僕自身も、その時はなんか態度がでかいな、とも思ったくらいです。
しかし、その時のモーツァルトの演奏は凄かった!
これがモーツァルトか!と思うよなパッション溢れる演奏で、それまではモーツァルトのヴァイオリンソナタは優雅だけのと思っていた僕の脳天をかち割ってくれるほどの衝撃を受けたのです。
演奏者は、観客に愛想をふりまくよりも、いかにワクワクドキドキさせてくれるのが本領だと思うので、いまではそのふてぶてしい庄司紗矢香さんを支持しています。
庄司紗矢香のCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35
Violin Concerto in D Major, Op. 35
1.(19:39) I. Allegro moderato
2.(06:34) II. Canzonetta: Andante
3.(10:59) III. Finale: Allegro vivacissimo
total(37:12)
庄司紗矢香 – Sayaka Shoji (ヴァイオリン)
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 – Orchestre Philharmonique de Radio France
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (指揮)
チャイコフスキー&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 [ 庄司紗矢香 ]
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HMV&BOOKSオンラインより
チャイコフスキー/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 (庄司紗矢香/フランス放送フィル/チョン・ミョンフン)
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タワーレコードオンラインショップより
ロシア的な抒情と情熱が融合した、悲哀感に満ちた美しい旋律が魅力的なチャイコフスキー。冒頭からソロ・ヴァイオリンが甘美に歌う、哀愁を帯びた抒情的な名旋律があまりにも有名なメンデルスゾーン。ロマン派のヴァイオリン協奏曲の傑作2曲を、庄司紗矢香がチョン・ミョンフンとフランス国立放送フィルハーモニーの好サポートを得て、全身全霊を込めて確信に満ちた演奏を聴かせてくれる。輝く才能と若い生命力が発露するアルバム。
めとめ
僕の好きだった音楽評論家の故宇野功芳氏の著書で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の推薦CDとしてまず、チョン・キョンファの演奏を挙げています。
宇野氏は、彼女のライブでも聴いていて、それに比べれば大人しい演奏と記しています。
しかし、かえって丁寧に情感豊かな良い面も出ている記しています。
今回聴き比べた、庄司紗矢香のライブとスタジオ録音のCDの違いは、まさに同じことが言えます。
コンサートホールに足を運ぶ観客は、なにも丁寧で間違いのに演奏よりもスリリングな感動を求めて行くのだと思います。
少なくとも僕はそうです。
庄司紗矢香さんのコンサートは、まだ一度だけですが、またぜひ聴きに行きたいです。
そして、これでもか!という圧倒的な演奏にひれ伏したいです。



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