カール・ベーム ベートーヴェン”田園”永遠の名盤
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第6番ヘ長調作品68
カール・ベーム指揮
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
第1楽章:Allegro ma non troppo 12:23
第2楽章:Andante molto mosso 14:01
第3楽章:Allegro 05:50
第4楽章:Allegro 03:40
第5楽章:Allegretto 09:50
1971年録音
カール・ベームは70年代のアイドル
70年代のカール・ベーム(1894-1981)の日本での人気は凄かったです。
計4回(63年、75年、77年、80年)の来日の内、3回が70年代ですし、しかも名門ウィーンフィルとですから、注目され人気が出ない方がおかしいですが。
カール・ベームは、当時の日本のクラシック界のアイドル的存在でした。
僕がクラシック音楽に興味を持ち、LPを初めて購入したのが、中学1年の冬くらいだったと思います。
最初に買ったのが、カラヤン&フィルハーモニアの”運命””悲愴”
次が、フルトヴェングラー&ウィーンフィルの”英雄”
そして3番目にベーム&ベルリンフィルのモーツァルト40番と41番”ジュピター”でした。
なんか面白いですね。
フルトヴェングラーを青臭い中学時代が買ったなんて、いまの趣味をその頃から示唆していたのでしょうか。
さて、70年代の雄と言えば、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)が帝王として君臨していました。
ベームは、同じグラモフォン・レーベルから、カラヤンの対抗馬的に売り出されていて、これはレコード会社の戦略だったんでしょうが、評論家やファンは、それに乗っかって、外面的なカラヤンと精神的なベームなんて、僕も友人たちと意見を戦わせたものです。
いま考えると恥ずかしいですが、しかもアンチ・カラヤン的な評論家故宇野功芳氏の評論を読み漁ったりして、それが僕のクラシック音楽との黎明期でしたね。
ベーム&ウィーンフィルの”田園”は最高の名演・名盤
さて、僕はこのブログを書いていて、気を付けていることは、名盤だから名演とは限らない、また名演だから名盤とは限らない、ということです。
しかも僕のようにLP、CDを中心にクラシック音楽を楽しんでいる人にとっては、名盤だけど、それが本当に名演だったかどうかは分からないわけです。
特にライブ録音では、その傾向が強いと思います。
よく評論家の文章で、実際に聴いたコンサートがCDになったので聴いてみると、その時のコンサートの記憶が蘇ってくるという場合と、あれっ!?こんな演奏だったっけと違和感を覚えるものと2種類あるようです。
だから、僕は名盤という言い方はしても、それは名演だったという言い方は、自分が聴いていない限り極力しないようにしています。
前置きが長くなりましたが、そういう意味では、ベーム&ウィーンフィルの”田園”は、超名盤です。
1971年のアナログ録音成熟期で、ウィーンフィルの魅惑的で豊潤な響きが堪能できます。 ただ、欲を言えばもう少し色気が欲しいところですね。
僕が若い頃あるプロのオーケストラのコントラバス奏者と談話していたら、
音楽は色気だよ、だから恋する人思って弾くんだ、ってコントラバスをブ~ンと色気たっぷりに弾いてくれて、それがおおっ!て官能的な響きとして受け止めた記憶があります。
例えば、クナッパーツブッシュやフルトヴェングラーの演奏には、その色気を感じることがあります。
その点、ベームは質実剛健、素っ気ない感じで、50年代のベルリンフィルとの演奏には、その傾向が如実に表れていました。
でもウィーンフィルの潤い豊かな響きは、そのベームの欠点をカバーしてこの名盤を生んだと思います。
まとめ
生前、70年代を中心にあれだけ人気のあったベームも、死後はどちらかというと往年の巨匠、名匠の中に埋もれようとしています。
今回、新宿のディスクユニオンにて、ベーム&ウィーンフィル、ベルリンフィルのセッション録音22枚組を購入して、これから往年のベームを偲ぼうと思います。
22枚には、ベートーヴェン交響曲全9曲、ブラームス全4曲、シューベルト8曲、モーツァルト46曲が収録されています。
1959年から77年のベーム65才から83才までの貴重なセッション録音を聴いて、ベームの偉大さを再認識して行きたいですね。
ベーム&ウィーンフィルの”田園”は聴かずに死ねない1枚です。
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