クラシック名盤で、夏にも聴きたい交響曲をご紹介します。
今年の夏は暑いですね。
こんな時、ベートーヴェンやブラームス、マーラーは聴きたくありません。
ハイドンならまたいいかな、モーツァルトなら曲によってはいいかも。
でも違うんです。
意外な作曲家がいるんです。
ブルックナーです。
しかもブルックナーなら誰の演奏でもいいわけではありません。
わび・さびがあり、澄み切った演奏じゃないと涼しくありません。
フルトヴェングラーはちょっと、、、。
クナッパーツブッシュもいいけど、夏限定は厳しいね。
そうなるとシューリヒトか?
いやわび・さびのブルックナーならティントナーです。
ティントナーの名盤 ブルックナー交響曲第9番
ゲオルグ・ティントナー(1917-1999)
ウィーンに生まれ、さあこれからプロの指揮者という時に、ユダヤ系のためナチスの迫害にあい、逃げ延びてニュージーランドへ。
その後、オーストラリアでプロの指揮者となり、いくつかのオーケストラの仕事をしながら世界を転々として暮らしていました。
そんなティントナーに転機が訪れたのが、1994年の時。
ティントナー実に77才の時。
ティントナーの奥さんが、バイオリニスト西崎崇子(NAXOS社長夫人)のインタヴューをしたのをきっかけに、NAXOSの一大プロジェックとブルックナーの交響曲全曲の録音にティントナーが抜擢されたのです。
NAXOSにとっても大博打。
しかし、大博打が大成功!
レーベルとしてのNAXOSのグレードをアップされたことはもちろん、
ティントナーのわび・さびのブルックナーが世界の音楽ファンに好評をもって迎えられたのでした。
NAXOSが見出した真の天才指揮者ゲオルク・ティントナー(1917-1999)。彼は6歳からピアノを始め、ウィーン少年合唱団で活躍した後、ウィーン国立音楽アカデミーでピアノと作曲を学びました。しかし、ユダヤ人であったため国外に脱出。活躍の場を探す年月が続くことになります。ニュージーランドからオーストラリア、南アフリカ、イギリスを経て、もう一度戻ったオーストラリアでようやく生涯の伴侶を得ます。その後はカナダに落ち着き、後進の指導にあたりながら、大好きなブルックナーの演奏を続けてきたのでした。そんな彼がNAXOSの社長であるクラウス・ハイマンに出会ったのは1994年。74歳の時だったのです。すでに病魔に侵されていたティントナーですが、ハイマンは彼の演奏に非凡の才能を見出し、NAXOSにおけるブルックナー(1824-1896)全集の録音を託すことを決意したのでした。この録音にはいくつかの特筆すべき点があり、曲の解説はティントナー自身が執筆したこと、その中でも「使用した版へのこだわり」は広く知れ渡っているのではないでしょうか。1995年に始まった全曲録音は1998年9月に完了。これらの演奏は瞬く間に人気を博すとともに、NAXOSレーベルの名声も高めたものでした。2000年には来日公演も予定されていましたが、1999年10月2日、彼は自らの命を絶ってしまったのです。このBOXには、録音を始める前に彼が語った「ブルックナーへの思い」も収録。もう一度この愛すべき偉大な指揮者に賞賛を贈りたいと思います。ナクソス・ジャパン
最後に
ティントナーの最期は、悲しいものでしたし、その生涯も苦難の連続でした。
でも、彼の生き方は、周囲が見捨てませんでした。
ゲオルグ・ティントナーの生き方は、むしろ僕には勇気を与えてくれるものです。
ティントナーのブルックナー交響曲第9番は、奇跡的な名演です。
しかも、全集自体も神がかり的な名演ばかりで、全てを聴いてほしいです。
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