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イッセルシュテット チャイコフスキーの悲愴 ドイツ復興の夢

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こんにちは、
ともやんです。

ハンス・シュミット=イッセルシュテットのチャイコフスキーの悲愴。

彼の名演というとすぐウィーンフィルとのベートーヴェン全集と、手兵北ドイツ放送響とのブラームス交響曲&管弦楽集を思い浮かべます。

だからチャイコフスキーの録音があったんだ、というのが最初の印象でした。

そしてさっそく取り寄せて聴いてみました。

これがいいのです。

全く正攻法の直球勝負。

今回は、この硬質だけど素直で自然な演奏をご案内します。

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イッセルシュテット チャイコフスキー交響曲第6番”悲愴”

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第6番 ロ短調 「悲愴」 Op. 74
Symphony No. 6 in B Minor, Op. 74, “Pathetique”

1.(18:05)I. Adagio – Allegro non troppo
2.(07:52)II. Allegro con gracia
3.(08:34)III. Allegro molto vivace
4.(10:20)IV. Finale: Adagio lamentoso
total(45:05)
1954年。復刻アリアCD

北ドイツ放送交響楽団 – NDR-Sinfonieorchester
ハンス・シュミット=イッセルシュテット – Hans Schmidt Isserstedt (指揮)
録音: 1954
復刻:アリアCD 12inch Telefunken LGX66031

イッセルシュテット・コレクション ハンス・シュミット=イッセルシュテット

僕は聴いたのは、クラシックCD専門の通販会社アリアCDの復刻盤です。

ここの店主・松本大輔氏は、クラシック音楽CDの普及に情熱を賭けられている方で、ぜひ一度お会いしたいと思っていますが、名古屋の方なのでその内と思っています。

さて、この方は、自主制作でクラシック名盤の復刻もされている、このハンス・シュミット=イッセルシュテットの悲愴は、その中の1枚です。

僕は、松本氏の情熱に大いに感化され、このブログの運営もその一環なのです。

もちろん中学生の頃からクラシック音楽を聴いてきたからですが、松本氏からも大いに情報を頂きました。

松本氏は著書も多いですが、ぜひこれも読んでください。

クラシックは死なない!―あなたの知らない新名盤

イッセルシュテット 敗戦後の映画のような話

1945年ドイツ敗戦の年、ハンス・シュミット=イッセルシュテットは45才。

指揮者としてまさに働き盛りでしたが、ある農村に疎開して鬱々とした日々を暮らしていました。

なんと言っても彼は、ベルリン・ドイツ歌劇場の音楽総監督にまで上り詰めた男です。

そんなある日、二人のイギリス人将校が、疎開先のシュミット=イッセルシュテットを見つけ出し、訪ねてきたのです。何事か?当然、彼は警戒しました。

ところが彼らの申し出は驚くべきものだったのです。

イギリス支配下にあるハンブルクに新しい放送オーケストラの創設したい、そのためにあなたの力を貸してほしいというものだったのです。

しかも中途半端なものではない、NBC(アメリカ)BBC(イギリス)フランス国立放送のオーケストラと肩を並べる高水準にしたい。

ベルリンフィルとウィーンフィルの弦、コンセルトヘボウとボストン響の管レベルの技術を要するオーケストラにしたいというとんでもないものでした。

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シュミット=イッセルシュテット 夢のオーケストラの創設へ

まるで映画のようなお話。

そしてここからシュミット=イッセルシュテットは、夢のオーケストラの創設に向かって、邁進するわけです。

シュミット=イッセルシュテットには1台のクルマを与えられ、彼はそれで各地の捕虜収容所を回って、散り散りになっている音楽家たちを集めて回りました。

想像を絶する苦難の末、なんとその年1945年11月にはハンブルクで1回目のコンサートを開くまで漕ぎつけました。

それがこの北ドイツ放送交響楽団だったのです。

北ドイツ放送交響楽団は、まさにドイツ復興の夢を託されたオーケストラだったのです。

シュミット=イッセルシュテット指揮の「悲愴」は、創設10年目の録音。

きりりと引き締まった愚直な演奏で、特別に何かをしている訳ではありません。

でもこの演奏には、ドイツ復興に邁進したシュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送響メンバーとそれを支えた聴衆たちの熱い夢と思いが詰まっているのです。

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最後に

ハンス・シュミット=イッセルシュテットで聴く、ベートーヴェンやブラームスは格調高い名演ばかりです。

そこには特別なことは何もしていないのに、充実した響きと心のこもった演奏には深い感銘を受けます。

このチャイコフスキーもあくまで誠実に、どの部分もおろそかにせず描き切っています。

ハンス・シュミット=イッセルシュテットの指揮で聴く名曲は、本当にいい曲だなと深い感銘を受けます。

指揮者の存在を忘れさせるような演奏ですが、それが彼の妙技なのかもしれません。

ずっと聴いていきたい指揮者ですね。



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