ティントナーのブルックナー第7番 素朴な中の深い祈りに感動

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ティントナーのブルックナー第7番

 

ブルックナー(1824-1896)
交響曲第7番 ホ長調
ゲオルグ・ティントナー指揮
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
1997年5月6日&7日

 



ティントナー激動と流転の音楽人生

 

偉大なる老匠ゲオルグ・ティントナー(1917-1999)。

バーンスタイン、ジュリーニと同世代。

 

ウィーンに生まれ、19才の時にウィーン・フォルクスオーパーの仕事についていよいよ指揮者としてデビューという時にユダヤ系ということで、ナチの妨害で失職。

 

命からがらの逃亡生活で23歳の時にニュージーランドに逃げ延びることが出来ました。そこでは養鶏場を営んで生活をしていたそうです。

 

しかし音楽への情熱を失わず、アマチュアオーケストラや合唱団の指揮をやっている時にオーストラリアの作曲家アルフレッド・ヒルの目に留まりオーストラリアのプロのオーケストラの指揮者になりようやくプロデビュー。

 

ティントナーは、その後いくつかのオーケストラで指揮の仕事をしながら世界を転々としますが、彼に転機が訪れたんが、1994年、すでに彼が77才の高齢になっていた時でした。

香港のレコードレーベルNAXOSのブルックナーの交響曲全集の指揮者に抜擢されたのです。

 

きっかけはティントナーの奥さんが、バイオリニストの西崎崇子氏(NAXOS社長夫人)のインタビューをしたことだそうです。

 

しかしいくらいままで無名の音楽家の録音をしてきたNAXOSといっても、社運を賭けた企画に無名の老匠を使うのは大きな賭けだったことと思います。

 

しかしその賭けは大成功。

 

ティントナーは一躍世界的ブルックナー指揮者として認めらることになりました。

しかし人生は非情です。

ブルックナー全集の録音が終了したのが1998年9月4日。
直後に悪性の腫瘍が見つかり、翌99年10月には、82才の生涯を閉じることになりました。

 

最期は自殺だったとのことで尚更、惜しい方を亡くしたという思いです。

 



ティントナーのブルックナーは永遠

ブルックナーの7番は僕がブルックナーの交響曲の中でも一番好きな曲です。特に第1と第2楽章。

 

第1楽章のイントロが始まると広々としたヨーロッパの森を思わせます。
名演は多いですが、僕は朝比奈隆&大阪フィルの聖フロリアン教会のライブ、ハンス・シュミット=イッセルシュテット&NDR、ヨッフム&ベルリンフィルの演奏を愛します。

 

そしてティントナー&ロイヤル・スコティッシュ管。

イントロの主題を聴いただけで涙が出そうになります。
素朴でありながら祈りを込めたような演奏にはただただ感動です。

 

朴訥に語る人の言葉ほど胸を打つ場合がありますが、
ティントナーの指揮は、どこまでがブルックナーで、どこまでがティントナーの表現か分かりませんが、彼の人生と交差して、僕は嗚咽を堪えることが出来ません。

 

ティントナーのブルックナー全集はぜひ全て聴いてほしいです。




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