こんにちは、
ともやんです。
クナッパーツブッシュ(1888-1965)はドイツの名指揮者で、ワーグナーとブルックナーの大家としても知られた人です。
その演奏は、ユニークでその大胆な表現に驚かされたりしますが、
協奏曲を指揮した録音も多く残されていることから、元来は、非常に協調性もある柔軟な音楽性も持ち合わせた人だったと思います。
ただ、残念なのは、ステレオ時代まで活動した割には、録音嫌いだったようで、良質な録音が少ないことです。
でも、ここに良質なマスター(LP)から高度な復刻技術による復刻したCDを聴いて、
その不満も解消されました。
しかもステレオ録音なのは嬉しい限りです。
今日はその見事な復刻盤をご案内します。
クナッパーツブッシュの名盤 バーデン娘と軍隊行進曲
僕が師と仰ぐ、音楽評論家故宇野功芳氏は、クナッパーツブッシュの名演を日本に広く紹介した人ですが、
その中でも、このCDに収録されている以下の曲を大絶賛しています。
カレル・コムツァークⅡ世の「バーデン娘 op.257」
シューベルトの「軍隊行進曲」を高く評価しています、
特に「軍隊行進曲」など、ある年の最高録音とレコード雑誌で主張して、周りの評論家から総スカンを食ったなどと書かれていました。
いかにも正直で率直な宇野氏らしいエピソードですが、聴いてみると、宇野氏が主張したくなる気持ちもわかる名演です。
ただ、レコード雑誌としては、こんな小曲を今年最高の録音と発表するのもいかがなものかという事情もあったと思われます。
さて、このCDに収録されている全ての演奏が、超ド級の名演で、聴いていて楽しくてしょうがありません。
なんか嫌なこと、辛いことがあっても、クナッパーツブッシュに肩をポンと叩かれて、
「くよくよするなよ、楽しく行こうぜ」
と励まされた気持ちになります。
そして、聴いていて嬉しく、涙が出てきます。
CDを聴いていて、こんな気持ちにさせてくれるのはクナッパーツブッシュくらいです。
クナッパーツブッシュ 最高のエンターテイメントを名復刻で
オットー・ニコライ – Otto Nicolai (1810-1849)
1.(08:45) 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」 – 序曲 1.
Die lustigen Weiber von Windsor (The Merry Wives of Windsor): Overture
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: February 1960, Sofiensaal, Vienna, Austria
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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op. 71a
The Nutcracker Suite, Op. 71a
2.(03:18)小序曲
I. Ouverture miniature: Allegro giusto
3.(02:38)行進曲
II. Marche: Tempo di marcia viva
4.(01:39)金平糖の精の踊り
III. Danse de la Fee-Dragee: Andante non troppo
5.(01:11)ロシアの踊り(トレパーク)
IV. Danse russe, “Trepak”: Tempo di trepak, molto vivace
6.(02:41)アラビアの踊り
V. Danse rabe: Allegretto
7.(01:03)中国の踊り
VI. Danse chinoise: Allegro moderato
8.(02:27)葦笛の踊り
VII. Danse des mirlitons: Moderato assai
9.(07:11)花のワルツ
VIII. Valse des fleurs: Tempo di Valse
total(22:08)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: February 1960, Sofiensaal, Vienna, Austria
僕は、クナッパーツブッシュの演奏聴いて、「くるみ割り人形」が大好きになりました。
チャイコフスキー/ウェーバー/シューベルト/J. シュトラウスII:管弦楽作品集(ウィーン・フィル/クナッパーツブッシュ)
クナッパーツブッシュ くよくよするなと、ハッピーになろうぜ!
カール・マリア・フォン・ウェーバー – Carl Maria von Weber (1786-1826)
10.(10:54) 舞踏への勧誘 Op. 65, J. 260 (編曲:H. ベルリオーズ)
Aufforderung zum Tanze (Invitation to the Dance), Op. 65, J. 260 (arr. H. Berlioz)
編曲 : エクトル・ベルリオーズ – Hector Berlioz
エマヌエル・ブラベック – Emanuel Barbec (チェロ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: February 1960, Sofiensaal, Vienna, Austria
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フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
11.(05:20) 3つの軍隊行進曲 Op. 51, D. 733 – 第1番 ニ長調(編曲:L. ウェニンゲル)
3 Marches militaires, Op. 51, D. 733: No. 1 in D Major (arr. L. Weninger)
編曲 : レオポルト・ヴェニンガー – Leopold Weninger
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: February 1960, Sofiensaal, Vienna, Austria
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カレル・コムツァークII世 – Karel Komzak II (1850-1905)
12.(09:04) バーデン娘 Op. 257
Bad’ner Madl’n (The Girls of Baden), Op. 257
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 15-16 October 1957, Sofiensaal, Vienna, Austria
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ヨハン・シュトラウスII世 – Johann Strauss II (1825-1899)
13.(04:17) アンネン・ポルカ Op. 117
Annen-Polka, Op. 117
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 15-16 October 1957, Sofiensaal, Vienna, Austria
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14.(12:01) ワルツ 「ウィーンの森の物語」 Op. 325 14.
Geschichten aus dem Wienerwald (Tales from the Vienna Woods), Waltz, Op. 325
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 15-16 October 1957, Sofiensaal, Vienna, Austria
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ヨハン・シュトラウスI世 – Johann Strauss I (1804-1849)
15.(02:59) ラデツキー行進曲 Op. 228
Radetzky March, Op. 228
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 15-16 October 1957, Sofiensaal, Vienna, Austria
チャイコフスキー/ウェーバー/シューベルト/J. シュトラウスII:管弦楽作品集(ウィーン・フィル/クナッパーツブッシュ)
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィル!
デッカ音源が新リマスタリングで復刻!ドイツの巨匠ハンス・クナッパーツブッシュがウィーン・フィルを振ったニコライやウェーバー、シュトラウス親子などのデッカ音源が、ピーター・レイノルズの新リマスタリングでギルド・ヒストリカル(Guild Historical)から復刻!
今回の復刻にあたり使用されたマスター(LP)は、マックス・レーガー・インスティテュートのユルゲン・シャールヴェヒターのコレクション(Decca SXL 223 & SXL2016)。
良質な復刻に定評のあるピーター・レイノルズ&レイノルズ・マスタリングのテクノロジーによる音質改善、既発盤との聴き比べも楽しみなところ。クナ・ファン大注目のリリースです! 東京エムプラス 発売・販売元 提供資料 (2012/07/23)
まとめ
クナッパーツブッシュは、どちらかという変な演奏をする人と思われている節もあります。
ただ彼の録音を聴いていて、僕の結論は、クナッパーツブッシュはエンターテイメントに徹しただけなのではないかということです。
自分の演奏を聴いた人が、一人でもハッピーになってくれることを願って、ただそれを思って演奏した結果として、大胆で極端な表現になってしまったということではないかと思います。
以前、クナッパーツブッシュの指揮でブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」を聴きましたが、これが非常に地味で鄙びた演奏だったのです。
もちろんその演奏には味わいがありましたが、元来はそんな味わい深い演奏をする人なのです。
でも、クナッパーツブッシュは真剣に聴く人を楽しませようとした結果、大胆な表現になったので、それが少しも嫌味ではなく、聴く人に届くいて、感動させられるだと僕は思います。
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