こんにちは、
ともやんです。
カール・シューリヒト(1880-1967)ドイツの名指揮者。
僕の大好きな指揮者で、聴き始めた頃は、飄々として軽快で、味わいのある好々爺的な演奏をする人かな、と思っていました。
しかし、いろんな録音を聴き進んでいくと、この人は凄い人なんだということが良くわかってきました。
今日は、1961年のザルツブルク音楽祭でのライブ録音からベートーヴェン交響曲第3番”英雄”の名演をご案内します。
シューリヒトは、ベートーヴェンの交響曲の中でも第3番”英雄”を得意としていて、録音も多く残されています。
シューリヒトの名盤 “英雄”の掘り出し物CDは超名演だった!
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拙ブログでも、中古CD店で見つけたフランス国立菅との63年ライブを聴いて、
興奮気味で記事を書いたいます。合わせてお読みいただけるとハッピーです。
シューリヒト ベートーヴェンの英雄の名演
シューリヒトは、ベートーヴェンの交響曲の中でも、第3番”英雄”が特にお気に入りだったようで、録音もかなり残されています。
僕が確認しただけで6件の録音があります。
古い年代から並べてみます。
1941年 ベルリンフィル
1952年 シュツットガルト放送響(ライブ)
1957年 パリ音楽院管(全集より)
1961年 ウィーンフィル(ライブ)
1963年 フランス国立菅(ライブ)
1964年 ベルリンフィル(ライブ)
どれも名演ですが、僕は63年のフランス国立菅の録音がステレオということもありベストだと思います。
ただ、こと演奏だけ取るとこのウィーンフィル盤かなと思います。
まさに天馬に乗って大空を駆けめぐる颯爽とした英雄の姿を想わせるからです。
こんな躍動的な英雄も少ないと思います。
ただ、録音が低音が弱いのが残念です。
オルフェオ・レーベルは、概して低音が弱めという事らしいですが。
シューリヒトの名盤 ウィーンフィルとの61年ザルツブルク音楽祭ライブ
ゴットリープ・ハインリヒ・シュテルツェル – Gottfried Heinrich Stolzel (1690-1749)
合奏協奏曲
Concerto grosso a 4 chori in D Major
1.(04:24) I. Allegro
2.(04:56) II. Adagio
total(09:20)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
3.(15:07) I. Allegro con brio
4.(15:37) II. Marcia funebre: Adagio assai
5.(05:38) III. Scherzo: Allegro vivace
6.(11:48) IV. Finale: Allegro molto
total(48:10)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
カール・シューリヒト – Carl Schuricht (指揮)
録音: 23 August 1961, Live recording, Groses Festspielhaus, Salzburg, Austria
シュテルツェル:合奏協奏曲/ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(ウィーン・フィル/シューリヒト)(1961)
シューリヒト=渋好み、という固定観念をお持ちの方は是非これをお聴き下さい! EMIの全集盤の「英雄」が名匠の手による人物画だとするなら、このライヴ録音は魂が吹き込まれて絵を抜け出て、天馬に跨って空を駆ける英雄。快速テンポと稲妻を孕んだかのごとき熱気に打ちのめされること間違いなし!タワーレコード (2009/04/08)
録音の古いのを我慢できる方(私には充分なのですが)には、超お勧めです。フルトヴェングラーと双璧の名演で、ウィーン・フィルの魅力的な音もたっぷりと味わえます。
タワーレコードのレビューより
※残念ながら現在タワーレコードのオンラインショップでは取り扱いがありません。
Amazonでの取り扱いはあり、中古なら格安であるようです。
シューリヒトのベートーヴェン”英雄” 宇野功芳一押しの名盤
宇野功芳氏が82年に出した『僕の選んだベートーヴェンの名盤』の”英雄”の◎推薦には、シューリヒト指揮パリ音楽院管の録音が入っていました。
今日紹介するウィーンフィル盤は取り上げられていないところを見るとまだ世に出ていなかったのかもしれません。
一方、2013年の『ベートーヴェン不滅の音楽を聴く』では、朝比奈隆(’77年盤)、フルトヴェングラー2種類、ワインガルトナー、チェリビダッケと並んで、
このウィーンフィル盤が、◎推薦になっています。
パリ音楽院管との録音も準推薦になっています。
相変わらず往年の指揮者ばかりですが、演奏はやはりいいのでしょうがないかな、と思います。
宇野氏は、このウィーンフィル盤には相当入れ込んでいて、解説にも紙面を2ページ以上使っています。
一部を抜粋してみると
第1楽章は冒頭から激しい精神の塊の音だ。しかし木管は昔のウィーンの土くさい色を生かしてカラフル、これこそシューリヒトである。フルートもオーボエもものをいうが、深みを失いはしない。テンポは速めだが、たった今生まれてゆく音楽がここにあり、ベルリン盤ともフランス盤とも違う新しいスコアの読みがある。
80歳を超えた宇野氏が情熱を傾けた文章が、それだけで感動ものですが、
このシューリヒトの英雄に関して、ことのほか熱い思いを感じます。
まとめ
カール・シューリヒトの録音は、いまではたくさん出ていて、聴いていて興味が尽きません。
当日の英雄の前に演奏された、シュテルツェルの合奏協奏曲も名演で、こちらの方が録音もいいように感じました。
シューリヒトの英雄は、41年のベルリンフィル盤と59年のシュツットガルト放送響盤も合わせて聴きましたが、それぞれ違う演奏を展開して興味深いです。
シューリヒトの同じ演奏はしないというポリシーを感じました。
改めて、シューリヒトの”英雄”の聴き比べをしたいと思います。
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