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ミトロプーロス 生誕125年 アニバーサリー・リリース

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こんにちは、
ともやんです。

ギリシャの哲人という異名もあるアテネ出身の名指揮者ディミトリ・ミトロプーロス。1896年3月1日生まれで、1960年11月2日にミラノ・スカラ座のリハーサル中に心臓発作で帰らぬ人となりました。64年10ヶ月の生涯。

自分が65歳となり、日本では前期高齢者という年齢になって初めて早すぎる最期だったと感じました。

このブログでもミトロプーロスの名演の録音を何度か取り上げています。
そして僕自身、不思議とこの人に惹かれるものがあります。

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ミトロプーロスについて

僕の持つ資料、レコード芸術・別冊『演奏家別クラシック・レコードvol.1 指揮者篇』1987年10月30日発行では、ミトロプーロスについて見開き2ページで、名評論家藁科雅美氏が寄稿しています。

ミトロプーロスは幼少期から音楽的才能を発揮し、それ故少年期に聖職者になるか音楽家になるか迷った末音楽の道を選びました。まだ13,4歳の頃で中学生の時。
でも考えてみると真剣に悩むかどうかは別として中学生なら将来を考えるとき。
でも自分はボンヤリしていたな。それを音楽の道と決めて進んでいます。

またこの人の人生の進み方を見ているとあれもこれもと多彩な才能を持ちながら、自分の進みたい道を絞ってそれに注力していること。

そして、スター指揮者として人気を博しても奢ることなく、質素な暮らしぶりで巨額の収入を得ながら、それを後進や恵まれない音楽家の援助に回したこと。

ミトロプーロスに惹かれるのは、音楽が出来る喜びを知り、それを人々に分け与えたことではないかと思うのです。それはまさに聖職者を目指した精神として使命もずっと持ち合わせていたからとも感じます。

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ミトロプーロスの芸術

上記のように記すと、ミトロプーロスがいかにも慈悲深い演奏をするのかとカン違いしますが、演奏は生易しいものではありません。
明快で冷徹で厳しいものです。
今回、生誕125年 アニバーサリー盤(CD69枚組)から、1940年のミネソタ管とのベートーヴェンの田園、1946年の自身の弾き語りによるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を聴きました。

田園は、きりりと引き締まった各パートのバランスのいい演奏。しかし第5楽章ではテンポを落とし聴かせてくれます。

一方、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、1930年にベルリン・フィルのコンサートで、病気で出られなくなったエゴン・ペトリ(リスト門下の大ピアニスト)の代役で、惹き振りの離れ業を演じ、それを機にミトロプーロスの名がヨーロッパ中に知れ渡ったという記念すべき作品。

ミトロプーロスは、当初ピアニストを目指していただけに、余興の域を超えた演奏です。
しかし、改めて聴くと練習不足かピアノの専門家に比べ、技術的に仕方ない部分は散見されます。
むしろ指揮者として大成した時点でもここまでのピアノの技術を備えていたというのは驚きです。

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ミトロプーロス 生誕125年 アニバーサリー・リリース

CD69枚組で、定価で3万円以上もする商品をご紹介するのは気が引けますが、生涯通して聴くことできるセットだと思います。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68
Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastoral”

1.(07:57) I. Awakening of Cheerful Feelings Upon Arrival in the Country: Allegro ma non troppo
2.(12:05) II. Scene by the Brook: Andante molto mosso
3.(04:50) III. Merry Gathering of Country Folk: Allegro
4.(03:57) IV. Thunderstorm: Allegro
5.(09:50) V. Shepherd’s Song: Happy and Thankful Feelings after the Storm: Allegretto
total(38:39)

ミネアポリス交響楽団 – Minneapolis Symphony Orchestra
ディミトリ・ミトロプーロス – Dimitri Mitropoulos (指揮)
録音: 22 January 1940

———————-

セルゲイ・プロコフィエフ – Sergey Prokofiev (1891-1953)
ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op. 26
Piano Concerto No. 3 in C Major, Op. 26

6.(08:37) I. Andante – Allegro
7.(08:07) II. Theme and variations
8.(08:30) III. Allegro ma non troppo
total(25:14)

ディミトリ・ミトロプーロス – Dimitri Mitropoulos (ピアノ)
フィラデルフィア・ロビンフッド・デル管弦楽団 – Philadelphia Robin Hood Dell Orchestra
ディミトリ・ミトロプーロス – Dimitri Mitropoulos (指揮)
録音: 26 July 1946

コンプリート・RCA&コロンビア・アルバム・コレクション<完全生産限定盤> ディミトリ・ミトロプーロス

名指揮者の全貌を収めた1年遅れのアニバーサリー・リリース

ギリシャ出身の名指揮者として、20世紀中盤にその名を世界に轟かせたディミトリ・ミトロプーロス(1896-1960)。

昨年2021年はミトロプーロス生誕125年で、彼がアメリカの2大レーベルであるコロンビアとRCAに残した全録音を集成した、この69枚組の巨大なボックスセットが企画され、日本ではその共同企画として、ハイブリッドディスク3枚組の「ニューヨーク・フィル・ステレオ・セッションズ1957-1958」が12月に発売されています。

69枚組ボックスの方は、コロナ禍ゆえに発売が1年ずれ込み、晴れて2022年4月に日の目を見ることになります。

原盤保有レーベルが保管する正規マスターおよび原盤を使用してのオーセンティックなCD化は一部を除いて今回がほぼ初めてであり、ニューヨーク・フィルも全面的に協力の上実現したオーソライズド・リリースになります。

昨年のオーマンディ/フィラデルフィアに続き、これまでライナー/シカゴ響、ピッツバーグ響、ミュンシュ/ボストン響、モントゥー/サンフランシスコ響、バルビローリ/ニューヨーク・フィルなど、20世紀のアメリカのオーケストラが名指揮者と共に築き上げてきた音楽遺産を最良の形で続々とボックス化しているソニークラシカルならではの企画といえましょう。



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