カール・シューリヒトにしろ、
フルトヴェングラーにしろ、
クナッパーツブッシュにしろ
ベートーヴェンの交響曲では、
第3番が特に気に入っていたようで、
録音も多く残されています。
今回は、シューリヒトの英雄の内
最後のベルリンフィルとの録音をご案内します。
もう1年以上前にこのブログで
フランス国立菅との演奏を絶賛しましたが、
ベルリンフィルとの演奏は、それ以上だと思います。
以下、前回の記事を参照ください。
↓
カール・シューリヒト指揮フランス国立管の“英雄”
シューリヒトは、フランス国立菅の時は82歳、
そして今回ご紹介する
ベルリンフィルの時は、83歳という高齢でしたが、
演奏は、実に若々しく、響きは明快で、
例えば、第3楽章など独自のアクセントをつけるなど、
本当に瑞々しい演奏を展開しています。
シューリヒトの名盤 ベルリンフィルとの”英雄”
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第3番変ホ長調作品55“英雄”
Ⅰ(16:13)Allegro con brio
Ⅱ(16:56)Marcia funebre.Adagio assai
Ⅲ(05:59)Scherzo.Allegro vivace
Ⅳ(11:56)Finle.Allegro molto
カール・シューリヒト指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
録音1964年5月8日、ベルリン、フィルハーモニーでの実況録音
僕が、交響曲のCDを選ぶ時のバイブルにしている、
福島章恭著「交響曲CD 絶対の名盤」で、
フランス国立菅以上の名演中の名演と書かれていますが、
未だ正規盤が出ていないのが残念と書かれていますが、
この著書(2005年3月発行)の翌年、TESTAMENTから、
この1964年10月8日のコンサートのプログラムが収録されています。
当日のプログラムは、
シューマン:マンフレッド序曲
モーツァルト:交響曲第38番“プラハ”
ベートーヴェン:交響曲第3番“英雄”
シューリヒトがベルリンフィルに最後に客演したコンサートで、
貴重な録音がしかもステレオで残されていることは、音楽界の財産です。
カラヤン統治下のベルリンフィルの破格の表現力をもって
年齢を感じさせない、瑞々しい演奏を展開しています。
聴かずに死ねない一枚ですよ。
カール・シューリヒトの英雄の録音
①ベルリン・フィル 1941年
②シュツットガルト放送響 1952年ライブ
③パリ音楽院管(全集より) 1957年
④ウィーン・フィル 1961年ライブ
⑤フランス国立菅 1963年ライブ
⑥ベルリン・フィル 1964年ライブ
このうち僕は、④以外はCDを所有しています。
それぞれのレビューは、また改めてシューリヒトの英雄と
いうことでまとめて記したいと思います。
まとめ
シューリヒトが亡くなって昨年で50年が経ちました。
しかし、忘れられるどころか、その人気は衰えることはありません。
それは、すっきりとしてテンポ設定と瑞々しさを基調として
格調高い演奏で、古さを感じさせないためと思います。
そして僕は、その演奏にチャーミングな愛らしさを感じてしまうんですね。
だから、聴き終わったらまた聴きたくなるという
飽きない演奏がシューリヒト一番の魅力だと思います。
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