初心者におすすめ「交響曲」はオーケストラの魅力がぎゅっ!

交響曲
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こんにちは、複数の合唱団で活動しているともやんです。

今回は、オーケストラの魅力がぎゅっと詰まった交響曲について、初心者におすすめしたい曲を紹介します。

さて、どうして「クラシック初心者におすすめしたい交響曲」の記事を書くことになったのか?
それは、所属する合唱団の機関誌に掲載するため担当者から頼まれたからなんです。
クラシックの宗教曲や合唱曲を扱う合唱団の中にも、作曲家たちやその作品に詳しくない団員が多いということで、クラシック愛好歴50年の僕が、初心者でも親しみやすい交響曲たちを紹介することになったのです。

クラシック音楽にはいろんなジャンルがあります。
交響曲、協奏曲、室内楽、声楽曲、オペラなどなど。

その中でも交響曲は、著名な作曲家たちが、大いに実力を発揮したジャンルです。
だからその内容はドラマティックで充実し、オーケストラ編成も大きく、さまざまな楽器の音とそれらが巧みに絡み合うアンサンブルを楽しむことができます。

そこで今回は、合唱団の機関誌担当者から頼まれたこともあり、初心者におすすめの交響曲に絞ってお伝えします。

初心者におすすめしたい交響曲ベスト5

僕が選ぶ初心者におすすめしたい交響曲は次の5曲です。
どれもクラシック初心者でも楽しめて、なおかつ長年愛され続けてきた名作ばかりです。

  • モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
    → 明快な構成と華やかさが魅力。旋律も親しみやすく、心が晴れやかになる一曲。
  • ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
    → 「ジャジャジャジャーン!」の冒頭は有名。ドラマチックな展開に思わず引き込まれます。
  • シューベルト:交響曲第7番(8番)「未完成」
    → メロディの美しさが際立つ、聴きやすくて心にしみる名曲。演奏時間が短めなのもポイント。
  • チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
    → 感情豊かな旋律と劇的な展開。心の奥深くまで響く作品です。
  • ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
    → 「家路」で知られる第2楽章のメロディは、どこか懐かしく優しく包み込んでくれます。

以上の5曲が、僕が選んだクラシック初心者にぜひ聴いて欲しい交響曲です。

おすすめの交響曲を少し詳しくご紹介!

先に挙げた、初心者におすすめしたい5つの交響曲についてもう少し詳しく紹介します。

モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」


1756-1791 オーストリア

交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」 K. 551 演奏時間:約25~30分

  • 第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ(快活に速く)壮麗で力強い楽章。序奏なしにいきなり主題ではじまるので、おっ、なんかあるぞ!とわくわくします。
    第2楽章:アンダンテ・カンタビーレ(歌うように表情豊かに)美しくみずみずしい旋律に惹かれます。
    第3楽章:メヌエット-アレグレット(やや速く)メヌエットといっても優雅さよりも力強さを感じます。
    第4楽章:モルト・アレグロ(非常に速く)シンプルな主題を見事に展開していく様は、聴いていて晴れやかな気持ちになります。

1788年夏に作曲されたモーツァルト最後の交響曲
明るさ、荘厳さ、そして音楽の構成美がぎゅっと詰まった作品です。

第4楽章では主題がフーガ(前に出たメロディーが次々と追いかけるように出る曲)でめくるめくように出てきて見事です。
そう聞くと難しそうですが、それよりも爽快感が勝るのがモーツァルトの凄いところだと思います。

クラシックってこういう美しさがあるんだ”と感じられる1曲です。

僕のおすすめCDは次の2つ!

カール・ベーム指揮/ベルリン・フィル(1962年録音)
僕が中学生の時に買ったLPレコード。
まさに王道の美しさがたまんないっ!
端正な造形と落ち着いたテンポで、モーツァルトの格調高さを堪能できます。

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※HMVの方は1976年録音のウィーン・フィルとの名演です。

ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管(1968年ライブ
シャープな表現と緻密な構成が特徴。
構造がはっきりしているので、初心者にも理解しやすい演奏です。
オーケストラの合奏力も凄いのでまるで体操競技の満点演技を見ている爽快感があります。

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」


1770-1827 ドイツ

交響曲第5番 ハ短調「運命」 Op. 67 演奏時間:約30~35分

  • 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ(速く、生き生きと)有名な「ジャジャジャジャーン」と主題と、対照的なやさしい主題で構成されています。全くスキのない展開は凄すぎる!
    第2楽章:アンダンテ・コン・モート(歩くような速さで、動きをもって)第1楽章の緊張を和らげるような曲想です。
    第3楽章:アレグロ(速く)再び暗雲に覆われるような曲想で、不気味な消え入るよう経過音に続いて第4楽章になだれ込みます。
    第4楽章:アレグロ(速く)不気味で不安な経過音(ブリッジ・パッセージ)を過ぎると、歓喜の爆発があります。第1楽章から続けて聴くと苦しみから歓喜へというストーリー展開を感じずにはいられません。

クラシックといえばこれ!とも言える名作。1808年、ベートーヴェン38歳の時の作品。
冒頭の「ジャジャジャジャーン」というテーマは、知らない人がいないくらい有名ですね。
しかもその続く展開も凄い。
まさにワクワクドキドキしっぱなしで、まるでひとつの冒険小説のように展開されます。

特に第3楽章の終わりから第4楽章で「暗から光へ」のような爆発は、おおおっ!と思わずこぶしを握りしめるくらいです。
初めて聴く人でも自然と引き込まれる、力強いエネルギーに満ちた作品だと感動することでしょう。

バーンスタイン指揮/ウィーン・フィル(1977年録音)
情熱的でダイナミックでまさに一篇のドラマを見せてくれるような演奏。
映像版もあるので視覚とともに楽しめます。

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アバド指揮/ベルリン・フィル(2001年録音)
爽やかで現代的なテンポ感。
重すぎず親しみやすい演奏で、初めてでも聴きやすいです。
ラーメンに例えるならバーンスタインがこってり系のとんこつラーメン。
アバドが、あっさりしたしょうゆラーメンって感じですね。

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シューベルト:交響曲第7番(8番)「未完成」


1797-1828 オーストリア

交響曲第7番(8番) ロ短調「未完成」演奏時間:約20~25分

  • 第1楽章:アレグロ・モデラート(ほどよく速く)冒頭のチェロとコントラバスによる地の底から響いてくるような旋律から惹きこまれます。
    第2楽章:アンダンテ・コン・モート(歩くような速さで、動きをもって)天使の花園を思わせるような情緒的な曲想です。

シューベルトは、31年間の短い生涯にあらゆるジャンルに渡り膨大作品を残しています。だから僕はクラシック音楽史上最高の天才だと思っています。

「未完成」は、1822年シューベルト25歳の作品ですが、理由不明のまま忘れ去られ、初演されたのが、なんとシューベルトの死後37年も経った1865年という謎の多い作品です。
しかも2楽章までしか書かれていないのに、これだけで名作とされているほど完成度の高い作品。
僕などは、むしろ2楽章で十分だったのではと思うくらいです。

第1楽章の哀愁を帯びた旋律、第2楽章の静かな美しさは、どちらも胸にしみます。
演奏時間も短めで、クラシック初心者には特におすすめしたい1曲です。

カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィル(1978年録音)
繊細で緊張感のある名演。
第1楽章の息遣いがとてもドラマティックです。
この人の指揮姿は、華麗で見ているだけでうっとりしました。
でも天才肌の音楽家で、人生後半は、ドタキャンがあったり、なかなか面倒な人だったようです。

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ブロムシュテット指揮/ゲヴァントハウス管(2021年録音)
温かく丁寧なアプローチで、シューベルトの抒情性が自然に伝わってきます。
1927年生まれのクラシック音楽界最長老で、90歳超えても精力的に活動する指揮者。
僕は1980年代に実演を聴きましたが、誠実で端正な演奏には感動しました。

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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」


1840-1893 ロシア

交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 Op. 74
演奏時間:約45~50分

  • 第1楽章:アダージョ-アレグロ・ノン・トロッポ(ゆっくりと-速く、しかしあまり速すぎないように)暗く、うつろなファゴットの旋律からはじまる。開始から「悲愴」という気分になります。
    第2楽章:アレグロ・コン・グラツィア(速く、優雅に)表面的には優美ですが、その底には暗い気分が流れているように感じます。
    第3楽章:アレグロ・モルト・ヴィヴァ―ツェ(とても活発に)行進曲風の曲想で、この楽章だけは華麗なオーケストラの響きが楽しめます。
    第4楽章:アダージョ・ラメントーソ(悲しげに、ゆっくりと)死に直面した者の諦めの感情のような重々しさを全体を被っています。最後は灯火(ともしび)が消えるように最弱音で終わります。

「悲愴」というタイトル通り、悲しみや葛藤が音楽に込められた作品。
1893年作曲のチャイコフスキー最後の作品。
しかも初演の5日後に突然倒れ、その数日後にこの曲の終わりのように静かに息を引き取ったと伝えられています。

感情の起伏が激しく、第1楽章の叙情、第3楽章の盛り上がり、そして最後の楽章で沈むように終わる構成には、他の交響曲にはない深い感動があります。

“音楽で泣ける”体験ができるかも

ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィル(1960年録音)
圧倒的な緊張感と劇的な表現力。
旧ソ連時代の難しい時代にもかかわらず、圧倒的なカリスマ性と存在感で世界的に有名になった指揮者。
実演でもっとも聴きたかった指揮者の1人です。

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アバド指揮/ウィーン・フィル(1973年録音)
しなやかで流れるような表現。
ウィーン・フィルの美音が心に残ります。
僕が中学生の時、なんとウィーン・フィルが富山に来ました。
その時の指揮者で、あの感動は一生忘れません。

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ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」


1841-1904 チェコ

交響曲第9番 ホ短調「新世界より」 Op. 95
演奏時間:約40~45分

  • 第1楽章:アダージョ-アレグロ・モルト(ゆっくり-非常に速く)新大陸の夜明けを思わせる序奏と黒人霊歌をもとにした旋律などが聴ける
    第2楽章:ラルゴ(きわめてゆるく、表情ゆたかにゆったりと)祖国を離れた移民たちの郷愁が漂う楽章。子供の頃遊んでお腹が空いて早く家に帰りたかった頃を思い出します。
    第3楽章:モルト・ヴィヴァーチェ(とても活発に)民謡風の躍動的な旋律が魅力です。
    第4楽章:アレグロ・コン・フーコ(速く、情熱的に)力強く激しい楽章で、前の各楽章で使われた旋律が出てきて全体の統一感を感じます。

チェコ出身のドヴォルザークが、アメリカ滞在中の1893年(52歳)に作曲されたこの曲は、広大な風景や異国の空気を感じさせる、スケールの大きな交響曲。

中でも第2楽章のイングリッシュホルンによる旋律は、「家路」としても親しまれ、聴くたびに懐かしい気持ちになります。

全体を通してエネルギーがあり、誰もが楽しめる名作です。

クーベリック指揮/ベルリン・フィル(1972年録音)
チェコ出身の指揮者であたたかく、包み込むような音色が魅力。
人間味あふれるドヴォルザーク像が伝わります。

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小澤征爾指揮/ウィーン・フィル(1991年)
爽快感とスケール感のある演奏。
アメリカ的な風景が浮かぶような明るい響きです。

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名曲はCDかLPで聴きたい

ネット時代になってから久しく、現代は音楽も配信で聴く時代。

でも僕がクラシックを聴き始めた1970年代、音源といえばLPレコードでした。
その後80年代前半にCDが登場して主流になり、最近では配信サービスが主役の時代に。

でも、CDもLPも消えていません!

日本レコード協会の発表によると2020年頃まで販売数は下がり続け、その後2年ほど横ばい状態でしたが2023年と24年は僅かながらですが2020年より伸びています。

またアナログディスク(LPレコード)に至っては、2021年より急激に伸び出し2024年は2020年の3倍以上にもなっています。

CDやLPの「手元にある」という安心感と、「一枚の作品」として向き合う体験は、配信では得られにくいものなんだと僕は思います。

僕などは、中学生時代に少ないおこづかいを握ってレコード店に行き、迷いに迷って買った1枚のLPレコードを買ったものです。
その時のワクワク感は、何年経っても忘れることはできません。

音楽に“触れる”という喜びを、ぜひCDかLPで体験してみてください。

最後に

今回の記事では、クラシック初心者におすすめしたい交響曲をご紹介しました。

交響曲は、クラシック音楽の中でもオーケストラの魅力に溢れ、もっとも名曲が多く、もっとも親しみやすいジャンルです。

でもそれなりに演奏時間も長いので、いきなり全部を集中して聴く必要はありません。
「ながら聴き」でも大丈夫ですし、ひとつの楽章だけでもいいです。
ぜひCDで気軽に楽しんでください。

そして、もし「おっ?」と感じる瞬間があれば、それが交響曲の扉です。
その出会いを大切にして、ぜひ次の一歩へと進んでみてください。

交響曲の世界は、広くて深い大海原。
岸辺で波と遊ぶところから、やがて沖へと出て行きたくなる…そんな音楽です。
一生の友になる出会いが、きっとあると思います



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