都響×アリス・オット×カネラキス:サントリーホールの衝撃

ベートーヴェン
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こんにちは、クラシック愛好歴50年のともやんです。

2025年7月5日(土)午後2時、サントリーホールにて。
この日、素晴らしい音楽家たちとの出会いがありました。

演奏は東京都交響楽団(都響)。
ソリストには、ドイツ人の父と日本人の母を持つ世界的ピアニスト、アリス=紗良・オットさん。
そして指揮台には、前日に日本デビューを果たしたばかりの新星、カリーナ・カネラキスさん。

この日の衝撃を記したいと思います。

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都響×アリス=紗良・オット×カネラキス

この日のプログラムは以下の通りでした:

  • モーリス・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
  • グスタフ・マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」


※当時の公演を案内するチラシ

ラヴェルの洒脱なジャズ風の協奏曲、そしてマーラーの若き情熱が爆発する大作「巨人」。
対照的な2曲を、都響と個性豊かな音楽家たちが描き出しました。

アリス=紗良・オットは風格のステージ

アリスさんの演奏は、約5年前に一度体験したことがあり、その時も全身全霊を傾けた姿に圧倒されました。

今回はさらに表現の幅が広がり、音楽家としての風格すら感じました
彼女がステージに登場するだけで空気が変わる。まさにオーラという言葉がぴったりでした。

カネラキスは初々しさと確かさ

NY出身のアメリカ人指揮者、カリーナ・カネラキスさんはまだ若く、キャリアも浅めですが、指揮は堅実で端正、そして何よりも躍動感にあふれていました

初来日で都響を指揮するという大役ながら、オケとのコミュニケーションも自然で、
その真摯で正攻法なアプローチに、信頼感が滲み出ていました。


※当日受け取ったプログラムより

そして…とても美しい方です。

この日、サントリーホールに詰めかけたおじさんファン500人が一気に増えたのは確実、かな。もちろん僕もそのひとりです!

都響の実演初体験はレベルの高さに驚き

実は都響は、首都圏の主要オーケストラの中で、私がこれまで実演で接したことが唯一なかった団体でした。

録音では幾度も聴いていましたが、今回のステージで感じたのは、世界水準のアンサンブル力と音楽的集中力。
日本のオーケストラのレベルは本当に高く、誇るべき存在だとあらためて感じました。

コントラバスソロが心を揺さぶる

席は前から2列目、ステージ向かって右端寄り。
そこでは、コントラバス奏者やビオラ奏者の呼吸や視線まで見える距離でした。

特に感動したのは、マーラーの交響曲第1番「巨人」第3楽章冒頭。
ティンパニーが静かに脈を刻む中、コントラバスがあの有名な旋律をソロで奏でる瞬間。
わずか3~4m先で、首席奏者が静かに、しかし力強く鳴らした音が、心の奥に深く響きました。

その音の温度と質感に、私は打ち震えました
生演奏ならではの、かけがえのない瞬間でした。

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アリス=紗良・オット×カネラキスの名盤

僕はうっかりしていましたが、2023年9月にアリス=紗良・オットとカリーナ・カネラキスの共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番の録音がリリースされていました。
実はこのCDが発売されたなぁとは認識していたのですが、伴奏指揮をしていたのがカネラキスという注目指揮者と言うことは全く意に止めていなかったのです。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in C Major, Op. 15

1.(14:29) I. Allegro con brio
2.(09:56) II. Largo
3.(08:58) III. Rondo: Allegro
total(33:23)

アリス=紗良・オット – Alice Sara Ott (ピアノ)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 – Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
カリーナ・カネラキス – Karina Canellakis (指揮)

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アリス=紗良・オット×カネラキス ベートーヴェン

才媛アリスが奏でる、永遠に語り継がれるベートーヴェン名作集!
世界的な活躍を続けるアリス=紗良・オットの新作は、ドイツ音楽の真髄である、ベートーヴェンの名作を収録。注目の女性指揮者カリーナ・カネラキスと、カネラキスが首席指揮者を務めるオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団と共演した協奏曲第1番を中心に、《エリーゼのために》や《月光ソナタ》をはじめとした、永遠に語り継がれる名作の魅力に迫ります。タワーレコード・オンラインショップより
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マーラーの巨人:都響の名盤

都響の名盤と言うと僕は若杉弘さんとのマーラーの交響曲全集をすぐ思い浮かべます。ただ現在(2025年7月)廃盤のようです。分売もないので、今回は桂冠指揮者エリアフ。インバル指揮の録音をご案内します。

グスタフ・マーラー – Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第1番 ニ長調「巨人」
Symphony No. 1 in D Major, “Titan”

1.(14:58) I. Langsam, schleppend
2.(07:48) II. Kraftig bewegt, doch nicht zu schnell
3.(09:32) III. Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen
4.(18:47) IV. Sturmisch bewegt
total(51:05)

東京都交響楽団 – Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra
エリアフ・インバル – Eliahu Inbal (指揮)
録音: Tokyo Metropolitan Theatre, Yokohama Minato-Mirai Hall, Tokyo, Japan

エリアフ・インバル 、東京都交響楽団 マーラー:交響曲第1番「巨人」

<インバル=都響 新マーラー・ツィクルス>現代のマーラー演奏の最高峰がここに!
2012年9月よりスタートした巨匠エリアフ・インバルと東京都交響楽団による<新マーラー・ツィクルス>がライヴ収録され登場です。
現在音楽界において最も注目されている同コンビの集大成といえるシリーズです。
本公演には多くの評論家、雑誌社が駆けつけ、大きな賛辞を与えているということはすでに周知となっております。
インバルを世界的巨匠へ押し上げたマーラー演奏。
圧倒的な技術とアンサンブルで驚くべき見事な演奏を繰り広げる東京都交響楽団。両者のボルテージが最高潮へと導き、世界最高峰の演奏と言われるマーラーが姿を現すのです。黄金期を闊歩するインバル=都響の最終章。一つの音も聞き逃すことの出来ないマーラー・シリーズが遂にスタートします。録音も最良。豪華デジパック仕様。すべてにおいて特別のシリーズです。タワーレコード・オンラインショップより

おわりに

今回の体験を経て、あらためて思ったのは、「日本のオーケストラをめぐる旅」こそ、実に価値ある企画だということ。

ある仲間が、東京を中心に各オケの演奏を聴いてまわりたいと言っていましたが、これは本当におすすめしたい楽しみ方です。

次はどのオーケストラと、どんな音楽に出会えるのか。
そんな期待が、またひとつ心に灯りました。



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