こんにちは、
ともやんです。
プレトニョフのCDで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第2番が、一気に好きになってしまいました。
そこでここ数日、この曲をいろんなCDで聴いてみました。
特に第1番の第1楽章には惹かれます。
厚みと迫力のある序奏部が終わり、ピアノが語りだすように始まるシーンが堪りません。
そして進むと少しお道化た旋律など、ピアニストによりさり気なく引いたり、強調したりと楽しめる部分です。
第2番は、作曲順としては一番早いからか、モーツァルトのイメージを一番感じさせる曲です。その明るくチャーミングな音楽におおきに魅せられます。
せっかくいくつか聴いたので、いいね!と思ったCDをいくつかご紹介したいと思います。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番&第2番が素敵!
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in C Major, Op. 15
第1楽章. Allegro con brio
第2楽章. Largo
第3楽章. Rondo: Allegro
1798年、28歳の頃の作品。ただ出版前の1800年オーケストレーション中心に大きな改作をしたそうです。
ヴァイオリンのクロイツェル・ソナタ、ピアノのヴァルトシュタイン・ソナタ共に第2期に属する作品です。
1801年3月に、ウィーンのモーロから出版されました。
==================
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op. 19
Piano Concerto No. 2 in B-Flat Major, Op. 19
第1楽章. Allegro con brio
第2楽章. Adagio
第3楽章. Rondo: Allegro molto
作曲自体は、第1番より先に手掛けられて1795年3月より以前に作られて曲です。出版の関係で第2番とされていますが、モーツァルトなど先駆者の影響が一番感じられる曲です。
告白するとこの第1番と第2番の魅力は最近までわかりませんでした。いやむしろ第3番以降を良く聴いていたので食わず嫌いだったかもしれません。
だから、マルタ・アルゲリッチが、好んでこの2曲を弾いたり録音していることが不思議でした。
しかし、一旦その魅力を知ってしまうと第5番”皇帝”は別格そしても第3番、第4番と同等かそれ以上の魅力に溢れていることがわかります。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番&第2番 おすすめ CD
プレトニョフの素晴らしい演奏を聴いて、その魅力を知ることになりましたが、以外やプレトニョフ盤が現在廃盤状態というのが、この業界の常です。
その内再販されると思いますし、タワーレコード以外では、HMVやAmazonで入手可能なようです。
さて、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第2番にはさすがに多くの録音がありますが、極力現時点での現役盤中心にご案内します。
バックハウス、イッセルシュテット&ウィーンフィル
まず、一番オーソドックスで正統派、そのピアノの格調の高さと威厳を持った表現、そして古き良き時代のウィーンフィルの美音が聴ける演奏です。
ヴィルヘルム・バックハウス – Wilhelm Backhaus (ピアノ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・シュミット=イッセルシュテット – Hans Schmidt-Isserstedt (指揮)
↓
不滅のバックハウス1000: ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1・2番<限定盤>
アルゲリッチ&小澤征爾・水戸室内管、シノーポリ&フィルハーモニア管
次は、何と言ってもアルゲリッチ。
この人は、わざと避けているようにベートーヴェンの協奏曲でも第4番と第5番”皇帝”の録音を残していないし、ブラームスの協奏曲も録音していないようです。
もしかして僕が知らないだけかもしれないけど、前から不思議でした。
ただ、ベートーヴェンの第1番にはいくつか録音があり、2017年の小澤征爾指揮水戸室内管弦楽団は最高でした。オケの序奏が終わってピアノ独奏が始まった瞬間、その眩い音に完全に魅せられてしまいました。
↓
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第1番、交響曲第1番 マルタ・アルゲリッチ 、 小澤征爾
アルゲリッチ&シノーポリ・フィルハーモニア管
アルゲリッチは、ベートーヴェンの第1番と第2番は、相当お気に入りのようでいくつか録音を残していますが、
シノーポリ&フィルハーモニア管と組んだ、奔放な演奏が素敵です。
しかも巨匠を期待されながら50代で逝ってしまったシノーポリとの貴重な録音でもあります。
↓
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番・第2番 マルタ・アルゲリッチ 、 ジュゼッペ・シノーポリ
バレンボイム&クレンペラー・フィルハーモニア管
3つ目は、巨匠オットー・クレンペラーと組んだ若き日のダニエル・バレンボイム。
このコンビでベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録音していますが、何と言ってもクレンペラーの厚みのある内容美溢れる演奏とそれをバックに活き活きと演奏する若いバレンボイムが素晴らしいです。
↓
『ダニエル・バレンボイム/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』
ギルトブルグ&ペトレンコ・ロイヤル・リヴァプールフィル
最後に、昨年5月の最新録音。
ボリス・ギルトブルグ – Boris Giltburg (ピアノ)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 – Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
ヴァシリー・ペトレンコ – Vasily Petrenko (指揮)
録音: 10-11 May 2019, The Friary, Liverpool, UK
ボリス・ギルトブルグは、2013年、世界三大コンクールの一つとして知られるエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝したモスクワ生まれ、テルアビブ育ちの逸材。
今回初めて聴いましたが、粒だった煌めくフレッシュな響きのピアノには魅せられました。今後注目して行きたいピアニストです。
↓
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第1番&第2番 他 ボリス・ギルトブルグ 、 ヴァシリー・ペトレンコ
次回は、中期の名曲ピアノ協奏曲第3番以降をご案内する予定です。
コメント