こんにちは、
ともやんです。
僕は、指揮者は料理人に似ていると思っています。
作曲家が提示した素材とレシピをオーケストラを使って料理する。
同じ作るにも、ある人はレシピに忠実に作ろうとするし、ある人は、レシピの中に隠された何かを考えて、独自の味付けしたりします。
そして、出来上がったお料理を食べるのが聴衆で、その聴衆も好みがあり、辛めが好きな人、甘めが好きな人、その中間の人といろいろです。
僕は、イベントの計画と運営をする仕事をしていて、おもてなしとしてよくレストランの食事を付けるのでが、どんなに評判の良いレストランにお客様をご招待しても、全員が美味しかった!と言われることはありません。
最初は、それが悔しくて、いろんなレストランを提案したのですが、いまでは、5人の内3人が美味しかったと言ってくれれば合格点だと思っています。
さて、今日ご紹介するクレツキ指揮チェコフィルハーモニー管のベートベン交響曲全集は、聴いた人の多くが、イイね!するに違いない演奏だと思います。
クレツキのベートーベン交響曲第1番と2番
交響曲第1番ハ長調作品21
交響曲第1番ハ長調作品21
Ⅰ(09:52)Adagio molto-Allegro con brio
Ⅱ(06:25)Andante cantabile con moto
Ⅲ(03:46)Menuetto.Allegro molto e vivace
Ⅳ(05:43)Finale.Adagio-Allegro molto e vivace
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第2番ニ長調作品36
Ⅰ(12:31)Adagio-Allegro
Ⅱ(10:49)Larghetto
Ⅲ(03:57)Allegro
Ⅳ(06:09)Allegro
パウル・クレツキ指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1968年1月7日~12日
ベートーヴェン: 交響曲全集、「コリオラン」序曲、「エグモント」序曲(1964-68年録音)<タワーレコード限定> パウル・クレツキ チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
クレツキの演奏は、ひと言で言えば、造形美とチェコフィルの響きを楽しむ演奏です。
何もしていないようなのに、終わったらまた聴きたくなります。
ベートーベンの初期の2曲で、これだけ虜にしてくれる演奏はそうそうないですね。
僕の好きなベートーベンの演奏は、なにもしていないように見えて、味わいがあり、飽きの来ない演奏です。
だからクレツキと同世代のハンス・シュミット=イッセルシュテットや、フランツ・コンビチュニーの演奏が好きです。
クレツキのベートーベン 録音の妙技
クレツキのベートーベンの交響曲を聴いていると、その心地よさが堪らないんですね。
もちろんクレツキの演奏が素晴らしいからですが、録音も素晴らしいと思うのです。
レーベルは、スプラフォンという1932年に誕生したチェコのレーベルで、第2次大戦後は、社会主義国家の下で国営レコード会社として存続してきたレーベルで、
そのクオリティの高さは、折り紙付きで、社会主義国家の時は、逆に採算度外視で、クオリティを磨いたようで、
これはある音楽評論家のコメントで、ヨッフムのドレスデンシュターツカペレとブルックナーの交響曲を録音した時、西側からEMIが、東側からスプラフォンが同じ演奏を同時に録音するのでが、商品となった時は、まるで別の演奏ほどの違いが出るそうです。
つまりスプラフォンの方がクオリティが高いということです。
しかも60年代後半は、アナログのステレオ録音も成熟していたことですから、このクレツキの演奏もそんな時代の録音ということで非常に価値あるものです。
そう言えば、ハンス・シュミット=イッセルシュテットとウィーンフィルの録音も同じころですので、この頃、クラシック音楽のアナログ録音のピークを迎えたいたのかもしれません。
まとめ
クレツキの録音にハマってしまいました。
第1番、第2番を聴いて、大好きな”英雄”に行こうっと思ったら、1番、2番が素晴らしく、何度も繰り返し聞いてしまい進めなくなってしまいました。
いずれは、全曲聴いてレビューしたいと思います。
さあ、明日こそ”英雄”を聴こう。
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