こんにちは、
ともやんです。
アルトゥス・レーベル15周年を記念して限定生産で発売された、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のライヴ録音集2は、現役ではムーティの演奏のみ収録されています。
リッカルド・ムーティ(1941~)も今年77才で、イケメン指揮者は、老いたなと思いますが、いまや押しも押されもせぬ巨匠中の巨匠です。
70年代からクラシックを聴きだした僕にとっては、若手と思っていた人たちが亡くなりだして、時代の移り変わりに茫然とすることもあるのですが、ムーティはその中で巨匠として健在で、嬉しい限りです。
さて、今日は当CDからムーティ指揮ウィーンフィルハーモニーの演奏について書きます。
ムーティ&ウィーンフィル ライブ “エロイカ”
今日をご案内する演奏は以下の内容です。
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第3番変ホ長調作品55”英雄(エロイカ)”
Ⅰ(19:35)Allegro con brio
Ⅱ(17:48)Marcia funebre.Adagio assai
Ⅲ(05:58)Scherzo.Allegro vivace
Ⅳ(13:00)Finale.Allegro molto
ライヴ録音:1992年6月21日 ムジークフェライン大ホール
リッカルド・ムーティ指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ムーティのベートーヴェンというと80年代にフィラデルフィア管との全集があり、颯爽とした瑞々しい全集で僕は、このブログでも取り上げています。
ただ、サラッとして書いていないので改めて深堀する予定でが。。。
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ムーティの名盤 ベートーヴェンの交響曲全集溢れる躍動感と生命力
さて、僕もフィラデルフィア管とのイメージがあったのですが、この演奏を聴いてびっくりです。
こんなに風格があり、内容の詰まったこくの濃い演奏を予想していなかったからです。
出だしから違います。ゆったりとしたテンポ、大らかに広がるウィーンフィルの響き。中間部で内声部のホルンの朗々として響きに心を奪われます。
当時50歳のなったばかりのムーティの巨匠然とした演奏です。
クラシック名盤 ウィーンフィル創立150周年の響き
1992年は、ウィーンフィルのとって創立150周年の記念すべき年でした。
当時のコンサートマスター、G・ヘッツェル氏は、「1992年に行われるコンサートはすべてウィーンフィルの創立150年の記念コンサートだと考えて取り組んでいく」と意気込みを語っていました。
さて肝心の指揮者選びです。
それまで国立歌劇場音楽監督でウィーンフィルとも密接な関係を保っていたクラウディオ・アバド(1933-2014)は既にベルリンフィルのポストに就き国立歌劇場のポストも辞任して拠点をベルリンに移そうとしていました。
そこで白羽の矢が立ったのは、リッカルド・ムーティだったのです。
ムーティとウィーンフィルは20年以上に渡り、オペラとコンサート両方で両行の名関係を築いてきたのです。
そしてスカラ座以外の重要なポストを整理してウィーンフィルの創立150周年に応える体制にしてきました。
ムーティは、92/93年のシーズンは、3月の創立150周年記念コンサート、6月のウィーン音楽祭の終幕コンサート、ジルヴェスター及び93年のニュー・イヤー・コンサート、そして5月の定期公演と重要なコンサートを任されました。
このCDの録音は、ムーティとウィーンフィルとの充実した瞬間を切り取った名演なのです。
演奏終了後のブラヴォーの掛け声も飛ぶかう万雷の拍手がその演奏の素晴らしさを伝えてくれます。
ムーティ ベートーヴェン交響曲第3番”エロイカ”
ムーティは、フィラデルフィア管と1985年~88年に掛けてベートーヴェンの交響曲全集を録音しています。数多い全集の中もで美しさと瑞々しさではトップクラスのおすすめの全集です。
その中で”エロイカ”は、1987年のムーティ47才の時の録音ですっきりと颯爽として演奏です。
5年後の当演奏と比べて一番の違いは、その風格ですね。
演奏時間が、92年のウィーンフィルでは、ライヴにも関わらず全体で4分も長くなっています。
87年ではきりりと引き締まった演奏が、92年では大河の流れのような雄大でしかも味わい深いものになっているのです。
この間のムーティの成長は著しいものがあったのでしょうね。
まとめ
リッカルド・ムーティの録音をそう多く聴いたわけではありません。
せいぜい、フィラデルフィア管とのベートーヴェンの交響曲全集くらいです。
だから彼の演奏をとやかく言うほどの聴きこんではいないのですが、このウィーンフィルとの”エロイカ”を聴いていっぺんに好きになってしまいました。
しかも現役ですから、どんどん聴きこんでいきたい指揮者のひとりです。
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