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ブルックナー 交響曲4番「ロマンティック」聴き比べ

こんにちは、
ともやんです。

オーストリア出身のヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)とゲオルグ・ティントナー(1917~1999)。

二人の共通点は、オーストリア生まれのクラシック音楽の指揮者ということ位しか思い浮かびません。

この二人に接点があったかどうかも分かりませんが、経歴からみてまずなかったと思われるでしょう。

もっと言えば、ティントナーは当然カラヤンの存在は知っていたでしょうが、カラヤンはティントナーの存在は知っていたかどうかはわかりません。

片やクラシック音楽の帝王と呼ばれた男、一方、70代後半まで不遇な音楽人生を送った男。

この二人の演奏を聴き較べてみたくて、両者とも録音しているブルックナー作曲、交響曲第4番”ロマンティック”を選んでみました。

僕は、演奏に音楽性に加え、人間性、生き方もある程度出ると考えています。

それでは、聴き較べた印象を書きたいと思います。

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ブルックナー4番ロマンティックについて

僕が中学時代から手に入れてボロボロにあるまで読んで本に志鳥栄八郎著「世界の名曲とレコード」がありました。

中学の時に読んでいた本は、どこかに行ってしまいましたが、最近、懐かしくてAmazonを調べると古本で出ていたので購入しました。

初版は1967年、今回購入した補筆改訂版が、74年に出ているので、僕が中学に頃読んでいたのは、補筆前の版だったと思われます。

そして補筆前のブルックナーの項には、なんと第4番”ロマンティック”しか取り上げられていないのです。

(74年の補筆版では、7番、8番、9番も追加されています。)

ただ、さすが志鳥さん、後に来るブルックナー人気を予測していたかのように次のような分を「世界の名曲とレコード」に寄せています。

ブルックナーの交響曲というと、その「長大さ」と「渋さ」を理由に敬遠する人が多いけれど、ブルックナーの音楽ばかりは、自分からブルックナーの懐にとびこんでみる気構えがなければ、いつまでたっても入口のところでうろつくばかりである。

しかし、ひとたびその懐にとびこんでみると、その長さや渋さや自然さが、逆にこの作曲家の音楽の一大長所となっているということに気づかれるだろう。

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ブルックナー第4番ロマンティック カラヤン&ベルリンフィル

アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB 104 (1881年稿・ハース版)
Symphony No. 4 in E-Flat Major, WAB 104, “Romantic” (1881 version, ed. R. Haas)

1.(20:48) I. Bewegt, nicht zu schnell
2.(15:38) II. Andante quasi allegretto
3.(10:41) III. Scherzo: Bewegt
4.(23:05) IV. Finale: Bewegt, doch nicht zu schnell
total(70:12)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヘルベルト・フォン・カラヤン – Herbert von Karajan (指揮)

ブルックナー:交響曲 第4番 「ロマンティック」 ヘルベルト・フォン・カラヤン

日本では、ブルックナーの人気が上がったのは、70年以降とだと思いますが、その功績は、指揮者の朝比奈隆氏に負うところが大きいでしょう。

僕が、初めてブルックナーの交響曲のLPを購入したのは74年か75年だったと思います。

75年にそば屋で出前のバイトをしていた頃、近所に音楽喫茶があり、そこに出前に行った時、ちょうど第4番ロマンティックが掛かっていて、
「これ、ブルックナーのロマンティックですね」
と言ったら、お店の人がとても驚いた顔をしていたのを憶えています。

さて、初めて購入したLPの演奏者がカラヤン指揮のベルリンフィルの71年にイエスキリスト教会で録音のものだったのです。

僕は、夢中になって聴いたもので、そのLPはいまでも大切に所有しています。

さて、今日ご案内する録音は、その4年後のベルリンで録音したもので、残念ながら感銘度は落ちます。

何だろう?と考えるのですが、多分慣れが支配している、そしてテンポも速めでやや追い立てていると感じる部分があるからかな、と僕なりに分析します。

元N響の首席チェロ奏者で、マタチッチ、サヴァリッシュ、ヴァント、スウィトナーの棒の下でブルックナーを演奏した徳永兼一郎氏は、「ブルックナー」新潮文庫に、

“ブルックナーを理解する上で絶対必要なことは、急がせる、せきたてる、ということが音楽にないこと。

いらいらして駆り立てることがあってはならないが、テンポがよどんだり、

音楽の生命力がなくなり透明でなくなったら、それはもうブルックナーではない”と各マエストロたちから、

必ず念を押すように言われた、

と書かれています。

フルトヴェングラーのブルックナーが、ブルックナーとしては異端なのは、フルトヴェングラー色を出せば出すほど、ブルックナーから離れるという宿命を背負っていたからです。

カラヤンが、そんなことを知らないはずはないと思いますが、僕には煽る感じ聴こえる部分がどうしてもあり、感銘が削がれてしまいます。

演奏時間も、同じ版を使っていながら、ティントナーの73分に対してカラヤンは64分で演奏しています。

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ブルックナー第4番ロマンティック ティントナー

アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB 104 (1881年稿・ハース版)
Symphony No. 4 in E-Flat Major, WAB 104, “Romantic” (1881 version, ed. R. Haas)

1.(21:33) I. Bewegt, nicht zu schnell
2.(16:19) II. Andante quasi allegretto
3.(12:05) III. Scherzo: Bewegt
4.(23:10) IV. Finale: Bewegt, doch nicht zu schnell
total(73:07)

ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 – Royal Scottish National Orchestra
ゲオルク・ティントナー – Georg Tintner (指揮)
録音: 16, 17 October 1996, Henry Wood Hall, Glasgow, Scotland

Bruckner: Symphony No 4 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 、 ゲオルク・ティントナー

カラヤンの演奏を聴いたたと、ティントナーを聴くと、なんかホッとして癒されます。
カラヤンよりテンポは遅く、焦らず、心がこもっています。

この演奏にずっと浸っていたいという気持になってしまいます。

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まとめ

1908年生まれのカラヤンと1917年生まれのティントナー。

ともにオーストリアに生まれながら、ティントナーは、ユダヤ系ということで、指揮者のキャリアを積んで行こうという矢先にナチスの迫害を受け、命からがらニュージーランドまでたどり着きます。

その後、世界各地を転々としながら音楽活動を続けていて転機が訪れたのが、なんとティントナー77歳の1994年のこと。

カラヤンは既に亡く、ティントナーは、ナクソスの一大企画、ブルックナー交響曲全集を完成させて世を去りました。

僕がクラシック音楽が好きなのは、そんな演奏家たちの伝えたいという魂を聴くからだと思います。



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