こんにちは、
ともやんです。
2025年12月31日の東京文化会館で開催された「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2025」のロビーで、毎度ながら関連CDの販売カウンターが設置されていました。
僕は、毎回ついつい買ってしまいます。
今回購入したのが、2組(3枚)
1組は、フルトヴェングラーの英雄で、1947年にウィーン・フィルとスタジオ録音した、SP盤の復刻盤。
もう1組2枚は、アーベントロート指揮のベートーヴェン交響曲選集で、第1番、4番、6番、9番とR・シュトラウスの「ドン・キホーテ」が収録されたものです。
今回は、フルトヴェングラーの英雄盤について記します。
フルトヴェングラーの英雄のSP復刻盤について
フルトヴェングラーは、ベートーヴェンの交響曲の中でも第3番「英雄」が得意で好きだったのか、または録音側の商業的に売れると考えたのか、10点の録音が残されています。
これは第5番の12点についで多いもので、第9番の8点よりも多いです。
※参照資料:「フルトヴェングラーの全名演名盤」宇野功芳著
宇野氏は、1947年盤についてもコメントしています。
宇野評の英雄1947年盤
僕が持っている宇野氏の本「フルトヴェングラーの全名演名盤」は、1998年に講談社+α文庫から出ていいるものです。
ただベースになっているのが、1977年に刊行された芸術現代社から発刊された「フルトヴェングラーの名盤」です。
それに大幅加筆と再構築されたものです。
だから宇野氏が解説しているものは、LPかCDのどちらかです。
さて、肝心の宇野氏の記述はどうか?
コメントは、わずか4行だけ。
しかも録音に関しては、残業は多いが、細部がぼやけて、特にティンパニと金管が弱く彫りも浅いと書いています。
また演奏自体もフルトヴェングラーの英雄の中でも個性が弱く、理性的と書いています。
しかも、SP用に録音されたことで、第2楽章の一部分で時間が長すぎてSPのオート・チェンジャーで再生されない箇所があり、2年後の49年に再録音を行っています。
宇野氏は、フルトヴェングラーに取っては辛い仕事だったろうとまで書いています。
1947年のSP復刻盤を聴いて
さて、宇野氏のコメントはコメントで尊重するとして、僕が聴いた限りは、先入観よりもずっと良い音質で鑑賞には問題ないということです。
ただ、SPの盤面通りの復刻なので、長くても5分で演奏が途切れて多少(1秒ほど)の余白が生まれます。
つまりSPのオート・チェンジャーを使っていると同じ聴き方になるわけです。
もっとも、僕自身はSPの経験が全くないので多分そうだろうとの想像ですが。
演奏自体も宇野氏が指摘しているように言われてみれば、ティンパニと金管が弱いなと感じる程度で、ウィーン・フィルの弦の豊かさは十分に伝わってきます。
演奏自体も1944年12月もライブに比べれば大人しいですが、これだけ聴けばフルトヴェングラーの英雄を十分楽しめました。
SPレコード復刻の歴史を振り返って
これはレコードプレーヤーやアンプなど再生機器の整備に期間を要したためで、当時の愛好家にとっては78回転のSPレコードでも特に不便は感じられていなかったと考えられます。
1957年にEMIが開始した《HMV/Columbia Great Recordings of the Century》はその代表例で、通称GR盤としてSP復刻LPの代名詞となりました。
原盤にはSP原盤をビニール盤にしたテストプレスが用いられ、ノイズ除去のためフィルター処理が施されました。
その結果、雑音は減ったものの、音楽本来の音まで損なわれ、SPとは別物の音が生まれてしまいました。
この方針はGR盤が終了した1966年まで一貫して守られました。
日本コロムビアのDXMシリーズでは、SPと同じ音を目指した復刻を実現し、多くの支持を得ました。
SP再生には精密なフォノイコライザが不可欠で、当時使用されていた真空管を用いることで理想的な再生が可能となりました。
現在ではDSD録音により、編集やフィルターを一切施さない「ダイレクト・トランスファー」で、SPの生の音をそのままCD化することが可能になっています。
以上の文章は、新忠篤(あたらし ただあつ)氏が、CDジャケット裏面に「SPレコード復刻の歴史を振り返って」と題して記された約1,500字ほどのコメントを要約したものです。
ちなみに新氏は、元フィリップス・レコード副社長で、現在はオーディオ研究家・ライターとして活躍されています。
大手レコード会社での経験を活かし、クラシック音楽、特にSPレコードのデジタル化(DSD)や真空管アンプ製作、オーディオ塾の講師などで、音楽とオーディオの魅力を伝える第一人者です。
グッディーズ・オリジナル企画
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
(1)-(4)I- Allegro con brio (4:19) (3:10) (3:55) (4:39)
(5)-(8)II- Marcia funebre (Adagio assai) (5:00) (4:09) (3:38) (4:42)
(9)-(13)III- Scherzo (Allegro vivace)/IV- Finale (Allegro molto) (4:25) (4:32) (3:56) (3:05) (2:34)
【演奏】
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1947年11月10-12、17日、ウィーン、ムジークフェライン、大ホール
原盤:英 HIS MASTER’S VOICE DB 9296/9302(SP)からのDSD録音による復刻
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(ウィーン・フィル/フルトヴェングラー)
グッディーズ・ダイレクト・トランスファーCD-Rシリーズは、新 忠篤氏の復刻音源をCD-Rで提供するもので、2006年の発売開始以来既に500タイトル以上を発売済みの大シリーズです。
カザルスやコルトーなどのSP時代の定評ある名演から、世界初CD化の復刻音源など多彩なラインナップで好評を得ています。
その音質はSPレコードから過去の偉大な演奏家の真の息遣いが聴き取れるものとして、ピアニストの内田光子さんなども絶賛しておられます。今回はこのシリーズから初のプレスCDとして、フルトヴェングラーVPOのSP録音「エロイカ」を発売いたします。
フルトヴェングラーの英雄1947年SP復刻盤
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(16:12) I. Allegro con brio
2.(17:48) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(06:18) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(12:44) IV. Finale: Allegro molto
total(53:02)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 10-12, 17 November 1947 and 15 February 1949
この録音は第2楽章の冒頭部分4分39秒まで(SP盤1枚に相当する分)が49年2月の収録に差し替えられていますが、これは47年時の収録が4分53秒かかっており、そのため当時のオートチェンジャー付きのSPプレーヤーの作動に支障をきたしたため、時間が短くなるように再録音したと言われています。
このCD復刻に際しても、他の復刻版と同様に該当部分は49年のものが充当されています。



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