こんにちは。
ともやんです。
コリン・デイヴィスのヘンデル「メサイア」を3種類ご案内します。
コリン・デイヴィス(1927-2013)はイギリス出身の名指揮者です。
コリン・デイヴィスは苦労人です。
そして夢を諦めなかった人です。
現場で出来ることを地道に続けてチャンスを待って、そのチャンスを生かして大成した人です。
デイヴィスの生家は貧しく、ピアノを買うお金がありませんでした。
そこでクラリネットを買って練習し、クラリネット専攻で王立音楽院に進みました。
ただ、ピアノが出来ないのがあだで指揮の専科に進めなかったそうです。
しかし、学生で組織したオーケストラを指揮するようになり、卒業後もそうしたオーケストラや合唱団を指揮しながら、腕を磨いていきました。
本格的に指揮者の道を歩み始めたのが、1957年30歳の時で、BBCスコティッシュ交響楽団の副指揮者になってからです。
研鑽を積みながら2年後にはオペラの指揮者に登用されるようになりました。
そして、そんな彼の前の大きなチャンスが訪れたのは、1959年、オットー・クレンペラーの急病でモーツァルトの演奏会形式による『ドン・ジョバンニ』を急遽任されたのです。
コリン・デイヴィスは、そこで単に無難に乗り切っただけではなく、自分の意図を明確に打ち出して感動的な演奏を展開しました。
それからデイヴィスは、注目される存在となりました。
コリン・デイヴィス 裏方に徹して名指揮者
デイヴィスは、裏方に徹した指揮者です。
ごく当たり前のことを最上のバランスで聴く人に提供することに徹しています。
だから一見に何もしていないかのようですが、逆にここまで徹しているのかと感動します。
デイヴィスが、1991年から93年に掛けてシュターツカペレ・ドレスデンと録音したベートーヴェンの交響曲全集は、デイヴィスが本領を発揮した究極の名演です。
ベートーヴェンの交響曲全集と言うとそれこそ100種類以上出ていると思いますが、これだけ全体にムラがなく、素晴らしい録音と格調高い高次元の演奏は他のないのではないかと思います。
さて、ヘンデルの「メサイア」についても同じことが言えます。
デイヴィスは、20年ごとに3回録音しています。
個人的には、84年のバイエルン放送響の演奏が好きです。
実は、現在合唱団では次回の演奏会は、ヘンデルの「メサイア」と決まって練習中ですが、ある団員が、指揮者の先生におすすめのCDを尋ねたところ、即座にコリン・デイヴィスがいいよ、と答えていました。
僕が、デイヴィスのメサイアを聴いた後で、同じようにおすすめだったので、先生と同じ考えが嬉しくなりました。
僕は、往年のクレンペラーの聳え立つような演奏も好きですが、いまでは重すぎます。
また現代のピリオド楽器の演奏も悪くありませんが、僕はやはりモダン楽器の格調高い演奏が好きです。
そうなるとやはりデイヴィスです。
コリン・デイヴィスの名盤 ヘンデル「メサイア」3つの名演
曲目:ヘンデル:オラトリオ「メサイア」全曲
演奏:コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団&合唱団(合唱指揮:ジョン・オールディス)
ヘザー・ハーパー(S)、ヘレン・ワッツ(A)、ジョン・ウェイクフィールド(T)、ジョン・シャーリー=カーク(BS)
録音:1966年6月24日~7月10日、ロンドン、ワトフォード
Handel: Messiah / Colin Davis, London Symphony Orchestra コリン・デイヴィス 、 ロンドン交響楽団
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曲目:ヘンデル:オラトリオ「メサイア」
演奏:サー・コリン・デイヴィス(指揮)、バイエルン放送交響楽団&合唱団
マーガレット・プライス(S)
ハンナ・シュヴァルツ(A)
スチュアート・バロウズ(T)
サイモン・エステス(Bs)
ヘドヴィヒ・ビルグラム(オルガン)
ジョン・コンスタブル(チェンバロ)、他
録音:1984年11月、ミュンヘン、ヘルクレスザール(デジタル)
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曲目:ヘンデル:オラトリオ「メサイア」
演奏:サー・コリン・デイヴィス(指揮)、ロンドン交響楽団
テネブレ合唱団
スーザン・グリットン(S)
サラ・ミンガルド(Ms)
マーク・パドモア(T)
アラステア・マイルズ(Bs)
録音:2006年12月10-12日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ジョナサン・ストークス & ニール・ハッチンソン
2006年の12月12日を最後に、彼は11年間にわたりその任にあったLSOの首席指揮者を勇退しました。LSOLive最新アルバムはヘンデルの最高傑作『メサイア』ライヴ、デイヴィスが首席指揮者としての最後の晴れ舞台に選んだ、とっておきのプログラムです。
1742年のダブリン初演以来、もっとも広く演奏され愛されている国民的なオラトリオ『メサイア』。ヘンデルの天才はただ巨大な合唱を扱った宗教的な荘厳さにあるばかりでなく、聖書からまとめられたテキストを通じて、キリストの生誕と死、そして復活をときに親しみやすく、ときにドラマティックに迫真を込めて描いているところにあります。こうしたストレートでわかりやすくセレモニアルな内容から、『メサイア』はいまや英国のクリスマス・シーズンには欠かせない風物詩となっています。
これまでにも折に触れて声楽を擁する大掛かりな作品を取り上げて、そのすぐれた腕前には定評がある巨匠デイヴィス。LSOとのメサイアではすでに前回のスタジオ盤(1966年)がモダン楽器によるスタンダードとの位置づけを獲得していますが、このたびのライヴの特色としては、ピリオド・アプローチを意識した試みが随所に挙げられます。
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