こんにちは、
ともやんです。
今日11月16日は、ドイツの現代作曲家、パウル・ヒンデミットの136回目の誕生日です。
ヒンデミットは、芸術家志望だった父親の方針で早くから音楽教育を受け、ピアノ、弦楽器、管楽器の演奏に優れ、20歳の時にはフランクフルト歌劇場のコンサートマスターとして活動していました。
第一次世界大戦に従軍しましたが、その後はヴィオラ奏者として室内楽などで活動しつつ、作曲家として多くの作品を生み出しました。
ヒンデミットの活躍した時代は、ナチスの独裁政権時代。ヒトラーは、ヒンデミットの音楽を好まず、圧力を掛けましたが、それに抗議したのがフルトヴェングラー。
この問題は、改め記したいと思います。
演奏は、マリン・オルソップ指揮ウィーン交響楽団。
オルソップはニューヨーク出身で、タングルウッド音楽祭でバーンスタインと小澤征爾に指揮を学びました。
その後、1993~2005年コロラド響の音楽監督、02~08年ボーンマス響の音楽監督を歴任し、2007年にはボルティモア響の音楽監督に就任。これはアメリカ・メジャーオーケストラ
では初めてのことでした。
1956年生まれで僕と同世代なので彼女の活躍には注目しています。
オルソップの指揮は作品全体にメリハリを与え、生き生きとした音楽を紡ぎ出します。
『聖スザンナ』では、歌手たちが緻密な人物表現を行い、複雑な音楽を従え見事な物語を創り上げています。
パウル・ヒンデミット 交響曲「画家マチス」オルソップ&ウィーン放送響
パウル・ヒンデミット – Paul Hindemith (1895-1963)
ヌシュ=ヌシの踊り
Nusch-Nuschi-Tanze
1.(02:26) Sehr lebhaft –
2.(04:53) Masig lebhaft –
3.(02:44) Allegro marziale
total(10:03)
ウィーン放送交響楽団 – ORF Vienna Radio Symphony Orchestra
マリン・オルソップ – Marin Alsop (指揮)
録音: 26 August 2020, Konzerthaus, Vienna, Austria
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歌劇「聖スザンナ」 Op. 21
Sancta Susanna, Op. 21
4.(07:03) Sehr langsam. Mit Ausdruck und Warme – Ohne Takteinteilung. Sehr ruhig: Sancta Susanna! (Klementia, Susanna)
5.(02:03) Sehr langsam, wie im Vorspiel: Ave Maria! (Susanna, Maid, Servant)
6.(05:11) Lebhaft: Satanas (Susanna, Klementia)
7.(06:08) Fast unmerklich langsamer als das vorige Hauptzeitmas: Wir trugen sie fort… (Klementia, Susanna)
8.(03:00) Langsam: Kyrie eleison (Old Nun, Chorus of Nuns, Susanna, Klementia)
total(23:35)
作詞 : アウグスト・シュトラム – August Stramm
アウシュリネ・ストゥンディーテ – Ausrine Stundyte (ソプラノ)
ルネ・モーロック – Renee Morloc (コントラルト)
アンネッテ・シェーンミュラー – Annette Schonmuller (メゾ・ソプラノ)
カロリーネ・バース – Caroline Baas (ナレーター)
エンツォ・ブルム – Enzo Brumm (ナレーター)
ウィーン・ジングアカデミー女声セクション – Wiener Singakademie, women section
ウィーン放送交響楽団 – ORF Vienna Radio Symphony Orchestra
マリン・オルソップ – Marin Alsop (指揮)
録音: 24-25 October 2019, Konzerthaus, Vienna, Austria
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交響曲「画家マティス」
Symphony, “Mathis der Maler”
9.(08:57) 第1楽章 天使の合奏
I. Engelkonzert
10.(04:38) 第2楽章 埋葬
II. Grablegung
11.(13:51) 第3楽章 聖アントニウスの誘惑
III. Versuchung des heiligen Antonius
total(27:26)
ウィーン放送交響楽団 – ORF Vienna Radio Symphony Orchestra
マリン・オルソップ – Marin Alsop (指揮)
録音: 24-25 October 2019, Konzerthaus, Vienna, Austria
ヒンデミット: 交響曲「画家マティス」/歌劇《聖スザンナ》 マリン・オルソップ 、 ウィーン放送交響楽団
1幕物のオペラである《聖スザンナ》は1919年から1921年の作品。
同じく1幕物の《殺人者、女の望み》《ヌシュ=ヌシ》との三部作として書かれ、そのどれもが性的な表現を含むこともあり、ほとんど上演機会がありません。無調でありながらも、時々妖艶なハーモニーが聴こえてくる《聖スザンナ》、もともとはビルマの物語を題材とする人形劇の音楽として書かれたというユーモラスな《ヌシュ=ヌシ》の舞踊音楽はどちらも若きヒンデミットの意欲作です。
1933年から1934年に作曲された交響曲《画家マティス》は、同名の歌劇に先立ち書かれたもの。
イーゼンハイム祭壇画で知られるルネサンスの画家マティアス・グリューネヴァルトを題材にしていますが、ナチス・ドイツ時代におけるヒンデミット自身の芸術的闘争も反映した問題作です。
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