まいどはや、
ともやんです。
8月7日(水)夜、青葉台のフィリアホールで、世界的なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者パオロ・パンドルフォ氏のリサイタルに行ってきました。
しかもプログラムが、J.S.バッハの傑作無伴奏チェロ組曲全曲(ヴィオラ・ダ・ガンバ編)。
伝え聞くところでは、今回のパンドルフォ氏の来日公演は、関東ではフィリアホールのみだそうです。
ビオラ・ダ・ガンバは、外見はチェロに似ていますが、構造・調弦・奏法が異なります。
大きな違いとして、フレットに指版があり、弦は6本。
むしろギターに近く、日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会のパンフレットには、「この楽器の特徴をひと言で表せば、弓で弾くギター」と記されています。
ルネッサンス期からバロック期にヨーロッパで普及しましたが、18世紀後半には、ヴァイオリン属に主役を奪われました。理由としては、音量や音の張りが劣るからでしょうか。
しかし、柔軟でニュアンスに富む落ち着いた音は、しんみりと心に響きます。
ヴァイオリン属の音を夏のセミの鳴き声に例えるならば、ビオラ・ダ・ガンバの音は、秋の虫たちの鳴き声でしょうか。
パンドルフォ氏は、現在60歳。10代からルネッサンスおよびバロック音楽の研究を重ね、世界各国で演奏や録音活動を行い、世界的な音楽雑誌からも多くの賞を受賞しています。
そんなパンドルフォ氏を「ヴィオラ・ダ・ガンバのパガニーニ」と評されているそうです。
しかし、個人的には違う風に感じます。パンドルフォ氏のテクニックは、パガニーニに比肩するものと確信しますが、人柄においては真逆で、一種の狂人、変人だったパガニーニに比べて、パンドルフォ氏は、あまりにも紳士でおしゃれでカッコ良かったです。
スラッとした長身で、知的な風貌。スレンダーな体躯を絹(多分)のシャツで包み、そのシャツも前半は赤紫色、後半は濃紺、そして最後の曲はグリーンと着替えていました。
観客のカーテンコールに応えて最後に弾いた静かな曲は、まさに心に染み入りました。
もうすっかりパンドルフォ氏、ヴィオラ・ダ・ガンバで魅了された夜でした。
パンドルフォ J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲
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こちらもぜひ読んで頂けると嬉しいです。
パオロ・パンドルフォ センチメンタル・ジャーニー
カール・フリードリヒ・アーベル – Carl Friedrich Abel (1723-1787)
ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ニ長調 A2:67 – アンダンティーノ(主題)
1.(01:08) Viola da Gamba Sonata in D Major, A2:67: Andantino: Theme
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ニ長調 A2:50
Viola da Gamba Sonata in D Major, A2:50
2.(02:37) I. Allegro
3.(04:13) II. Adagio
4.(01:57) III. Allegro
total(08:47)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ イ短調 A2:57A
Viola da Gamba Sonata in A Minor, A2:57A
5.(03:52) I. Allegro
6.(04:10) II. Adagio
7.(03:00) III. Allegro
total(11:02)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ イ長調 A2:53
Viola da Gamba Sonata in A Major, A2:53
8.(04:01) I. Adagio
9.(03:22) II. Allegro assai
10.(02:58) III. Vivace
total(10:21)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ニ長調 A2:75
Viola da Gamba Sonata in D Major, A2:75
11.(05:37) I. Un poco Vivace
12.(04:11) II. Adagio
13.(03:11) III. Vivace
total(12:59)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ト短調 A2:56A
Viola da Gamba Sonata in G Minor, A2:56A
14.(04:15) I. Allegro
15.(03:23) II. Adagio
16.(02:36) III. Tempo di Minuet
total(10:14)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ト長調 A2:72
Viola da Gamba Sonata in G Major, A2:72
17.(03:14) I. Moderato
18.(03:58) II. Adagio
19.(02:16) III. Rondeau
total(09:29)
パオロ・パンドルフォ – Paolo Pandolfo
即興前奏曲
20.(01:36) Improvised Prelude
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カール・フリードリヒ・アーベル – Carl Friedrich Abel (1723-1787)
ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ホ短調 A2:7
Viola da Gamba Sonata in E Minor, A2:7
21.(02:57) I. Siciliano
22.(02:46) II. Allegro
23.(02:02) III. Presto
total(07:45)
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ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ニ長調 A2:67
24.(03:54) Viola da Gamba Sonata in D Major, A2:67
編曲 : パオロ・パンドルフォ – Paolo Pandolfo
パオロ・パンドルフォ – Paolo Pandolfo (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アメリ・シュマン – Amelie Chemin (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アメリ・シュマン – Amelie Chemin (バロック・チェロ)
トーマス・ボイセン – Thomas Boysen (バロック・リュート)
アンドレア・ブッカレッラ – Andrea Buccarella (フォルテピアノ)
アンドレア・ブッカレッラ – Andrea Buccarella (チェンバロ)
録音: March 2020, Basel (Adullam Kapelle), Switzerland
カール・フリードリヒ・アーベル: ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集 パオロ・パンドルフォ
ヴィオラ・ダ・ガンバの革命家、パオロ・パンドルフォ!
名盤「ドレクセルの写本」の以来となる新たなアーベル録音。
J.C.バッハと同世代のガンバの名手、カール・フリードリヒ・アーベルの刺激的で技巧的なガンバ・ソナタ集!
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