ベートーヴェン後期の深淵を間近で聴く弦楽四重奏15番体験

スメタナ四重奏団
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こんにちは、
ともやんです。

1月11日、知人の奏者が出演するということでご招待いただき、室内楽のコンサートに行ってきました。

会場は、JR鶴見駅近くのサルビアホール。
50人ほどで満席になりそうな小さなホールですが、間近で弦楽五重奏と四重奏の響きを満喫してきました

演目は、ブラームスとベートーヴェンの共に後期の作品で内省的でありながら円熟味と深さを兼ね備えた作品です。

特にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番は、第9交響曲の翌年に書かれた作品。
晩年のベートーヴェンの心境をよく表していると言われています。

僕は、内省的な印象を強調されやすい第15番ですが、その中に力強さと明るさも時にユーモアもある作品だと感じました

ベートーヴェンというととかく学校の音楽室に掲示されている気難しい肖像画が思い出されますが、根は明るく陽気で、女性好きな人だったと僕は思っています。

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ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番

ベートーヴェンが生涯にわたって作曲を続けたのが、9曲の交響曲、16曲の弦楽四重奏曲、32曲のピアノソナタです。

しかし、それはコンスタントに作曲されたわけではなく、かなり作曲時期にムラがあります。

弦楽四重奏曲では、初期の6曲は、1798年から1800年。
中期の5曲は、1806年から1810年に。
後期の5曲は、1824年から26年という具合です。

それでは、弦楽四重奏曲第15番イ短調作品132について次に記したいと思います。

15番は健康不安の中で完成

ベートーヴェンを肉体的に苦しめたのは、あの不幸な耳の疾患だけではありませんでした。
年齢を重ねるに従い、いろいろな持病に悩まされました。

例えば、ロシアのガリツィン侯爵から依頼された俗にガリツィン四重奏曲と言われた12番から14番の作曲中の1825年春には、この年初めに完成した第12番の初演のあと、深刻な腸カタルに見舞われました。

この時、この第15番の作曲が進行中でしたが、中断を余儀なくされました。
しかも、でたらめな人だったようで、水薬の処方も全然守らず、がぶ飲みしてしまったりと医者の言うことを聞きませんでした。
そこで医者は厳しい食事療法を命じ、大好きなアルコールも禁じられてしまいました。

これには相当応えたようですが、それでも少し気分が良くなると、ワインの水割りに手を出したそうで、ベートーヴェンはかなり面倒でわがままな患者だったようです

第15番の最大の特徴

第15番の最大の特徴は、5楽章形式の中心に配置された長大な第3楽章です。
元々、4楽章形式で作曲されていましたが、上記のような病気のため中断され、その回復した際に後から挿入されました。

ベートーヴェンは、絶対音楽を好み、標題音楽には先駆的な役割を演じていましたが、基本的に慎重でした。
しかし、この作品の第3楽章には「病気が癒えた者の神への聖なる感謝の歌」と記しています。
そして続く第4楽章は回復の喜びを表すかのような行進曲風の音楽を配し、終楽章では、当初、第9交響曲の終楽章主題とするつもりだった雄渾な楽想で大きなクライマックスが形成されました。

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スメタナ四重奏団で聴く第15番

もう60年近く前の録音ながら、僕はスメタナ四重奏団の演奏が好きです。
そして一番聴いています。

タワーレコードでは、ベートーヴェンの生誕250年にあたる2020年に最新で本国のオリジナル・アナログマスターテープよりダイレクトでDSD化しています。
名録音が最新の技術で復刻盤として蘇りました。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op. 132
String Quartet No. 15 in A Minor, Op. 132

1.(09:27) I. Assai sostenuto – Allegro
2.(08:13) II. Allegro ma non tanto
3.(16:12) III. Heiliger Dankgesang eines Genesenden an die Gottheit, in der lydischen Tonart: Molto adagio -Neue Kraft fühlend: Andante – Molto adagio
4.(02:18) IV. Alla marcia, assai vivace -Più allegro-
5.(06:54) V. Allegro appassionato
total(43:04)

スメタナ四重奏団 – Smetana Quartet
録音: 28 January 1967, Domovina Studio, Prague, Czech Republic

スメタナ四重奏団:後期弦楽四重奏曲集

彼らはベートーヴェンを好んで演奏する理由に「理性と感情の深く結び合った曲」「哲学や美学や道徳といったものを深く考えさせられるもの」であることを挙げ、とくに後期の弦楽四重奏曲は彼の「自画像」、すなわち「精神や思考の反映」であり、これらを演奏することにより聴き手に「精神の安らぎと、新たな生命力」を与えることができる、と語っています(「音楽現代」1976年11月号)。
作品に内在するこうした深い内容を表出するための彼らの努力は驚くべきものでした。1956年以来、不変のメンバーで活動し、弦楽四重奏団には珍しい暗譜演奏を旨とする彼らのプラハでの日常は、毎朝午前8時にチェロのコホウトの自宅に集まり、5時間の練習をするというもので、新曲の暗譜には6~7週間もかけていました。
そして、過去に幾度となく手がけた作品でも慣れて弾こうとせず、音程、音色、ハーモニー、リズム、テンポといった基本を確認しあって演奏に臨んでいました。
当セットに収められたベートーヴェンが1曲1曲、時間をおいて録音されたことは、まさに彼らのこうした厳しい姿勢の現れと言えるでしょう。そして、その時点での彼らの究極の姿が美しいアナログ・ステレオ録音により捉えられています。
タワーレコード(2020/10/21)より
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まとめ

僕は、2015年から11年連続で、大晦日は、東京文化会館で開催された「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会」を楽しみました。

この演奏会は、約2,300名収容できる大ホールで行われています。
それとほぼ同時刻には、同会館の小ホール(649席)では、ベートーヴェンの中期から後期の弦楽四重奏曲9曲が、演奏されています。

僕はまだその演奏会を聴いたことがないのですが、聴いたことがある友人は、とても良かったと言っていました。
ただ、東京文化会館は来年度から約3年の改修工事に入るため、弦楽四重奏曲集の公演は、開催されるのでしょうか。
ちなみに交響曲連続演奏会は、開催は決まっていますが、会場と指揮者は未定だそうです。
今年の大晦日は、弦楽四重奏曲を聴いて、新年を迎えるというのもありかな、と思います。



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