こんにちは、
ともやんです。
ベートーヴェンは、ヴァイオリンソナタを全部10曲作曲していますが、
この第9番「クロイツェル」は1803年、33才の時に完成しています。
この時期は、ベートーヴェンの最も情熱的で、創造力のたくましい時で、
交響曲第3番“英雄”、ピアノソナタ“ヴァルトシュタイン”“熱情”などもこの時代のものです。
ヴァイオリンソナタの名曲中の名曲ですが、オーギュスタン・デュメイとマリア・ジョアン・ピレシュの息の合った
情熱的な演奏が僕は好きです。
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ クロイツェルはデュメイ&ピレシュで
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 「クロイツェル」 Op. 47
Violin Sonata No. 9 in A Major, Op. 47, “Kreutzer”
Ⅰ(14:36)Adagio sostenuto – Presto
Ⅱ(15:25)Andante con variazioni
Ⅲ(08:33)Finale: Presto
オーギュスタン・デュメイ – Augustin Dumay (ヴァイオリン)
マリア・ジョアン・ピレシュ – Maria Joao Pires (ピアノ)
録音: January 2002, Henry Wood Hall, London, United Kingdom
まず最初に、僕はマリア・ジョアン・ピリスという日本語表記で憶えていましたが、NHK教育TVやFM放送では、ピレシュで統一しているそうで、近年の発売のCD等もそれに習っているそうです。
このブログではピレシュで統一して行きます。
さて、ヴァイオリニストのデュメイ。
このCDで初めて彼の演奏を聴きましたが、一発でノックダウンされました。
著名なヴァイオリニストながら聴いてこなかった自分が、バカでした。
辛口で厳しい中に苦悩と微笑みを宿した演奏は、魂に訴えかけてきます。
もっと幅広い演奏家の録音を聴かねばと痛感させられたCDです。
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ全集は、デュメイ&ピレシュ
≪スプリング・ソナタ≫から始まったピレシュとオーギュスタン・デュメイの音楽的出会い。
本作は、その後の12年にわたる二人の歩みが結実したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集です。
1997年、2001年、2002年に録音。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集/デュメイ&ピレシュ
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ9番 クロイツェル
作曲当時、ウィーンに来ていたイギリスの名ヴァイオリニストのブリッジタワーのために書き、初演もこのブリッジタワーのヴァイオリンとベートーヴェン自身のピアノで、1803年5月17日にウィーンのアウガルテンで行われました。
ベートーヴェンは、この曲に対して「協奏曲ふうに合奏されるピアノとヴァイオリンのためのソナタ」と注記し、ピアノに対して協奏曲における管弦楽同様の使命を持たせています。
曲は三つの楽章からなり、全曲を通じて奔騰する情熱は高く、光り輝く曲想が素晴らしいです。
最後に
しかし、ブリッジタワーのために書いたヴァイオリンソナタなのに、なぜ、フランスのヴァイオリニストクロイツェルの名前が、タイトルがついているか不思議です。
ベートーヴェンはこの曲を当初はブリッジタワーに捧げる予定でしたが、実際にはクロイツェルに献呈されています。
ブリッジタワーの証言によると、ある女性をめぐる対立から不仲となったため献呈者をクロイツェルに変えたということだそうです。
つまり、ベートーヴェンとブリッジタワーが、ある女性を巡って三角関係になったということでしょうか?
当時ベートーヴェンもまだ33才で、ブリッジタワーに至っては20代の前半でした。
ありそうな話ですね。
また、ベートーヴェンがこの年パリへ行く予定だったので、その前に当時フランスで著名なヴァイオリニストであったクロイツェルと親交を深めておこうとしたという事情もあったようです。
この辺、ベートーヴェンもなかなか策士な面を見せています。
いずれにしても、クロイツェル自身は一度もこの曲を演奏することはなかったそうです。
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