青年ベートーヴェンが、24才から25才に掛けて作曲した、
ピアノ・ソナタ第1番から3番 作品2の3曲が好きです。
1794年から95年、時はまだ18世紀。
モーツァルトは、若くして数年前に亡くなっていましたが、
ハイドンは健在で、この3曲は8月30日頃、ハイドンの前で披露しています。
この頃、エステルハージ候やリヒノウスキー候との親交が深まり、
貴族サークルでもベートーヴェンの名を広めていました。
※プラハ
また95年年末には、ハイドン主催演奏会でピアノ協奏曲第1番を演奏し、
第1回プラハ旅行にリヒノウスキー候と同行しています。
ベートーヴェンのピアノソナタ 作品2はイヴ・ナットの歴史的名演で
ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 Op. 2, No. 1
Piano Sonata No. 1 in F Minor, Op. 2, No. 1
1.(03:54)I. Allegro
2.(04:21)II. Adagio
3.(03:10)III. Menuetto: Allegretto
4.(05:17)IV. Prestissimo
total(16:42)
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ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 Op. 2, No. 2
Piano Sonata No. 2 in A Major, Op. 2, No. 2
5.(7:00)I. Allegro vivace
6.(05:48)II. Largo appassionato
7.(03:17)III. Scherzo: Allegretto – Trio
8.(05:59)IV. Rondo: Grazioso
total(22:04)
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ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 Op. 2, No. 3
Piano Sonata No. 3 in C Major, Op. 2, No. 3
9.(10:07)I. Allegro con brio
10.(05:29)II. Adagio
11.(03:06)III. Scherzo: Allegro – Trio
12.(04:50)IV. Allegro assai
total(23:32)
イヴ・ナット – Yves Nat (ピアノ)
The French Piano Legend – Recordings 1929-1956
イヴ・ナットのプロフィール
イヴ・ナット(1890-1956)はフランスのピアニストで作曲家でした。
世代的には、バックハウス(1884年生まれ)ケンプ(1895年生まれ)の中間くらい。
幼くして音楽の才能を示し、10歳のときに自作を指揮したそうです。
しかもその演奏を聴いた、サン=サーンスやフォーレにパリ音楽院への進学を
勧められるという神童ぶりを発揮しました。
パリ音楽院では1907年にピアニストのルイ・ディエメのピアノ・クラスで首席を獲得しています。
彼の国際的な活動は、1909年にドビュッシーに連れられた渡英にはじまり、
ヨーロッパやアメリカ各地各地で演奏旅行を行いました。
特にベートーヴェンやシューマンの演奏で高い評価を受けました。
ヴァイオリニストのジャック・ティボーやジョルジュ・エネスコ、
ウジェーヌ・イザイらとも頻繁に演奏旅行を行っていました。
1934年に、母校パリ音楽院での教育と、自らの作曲活動に集中するため、演奏活動を退き、
後進の指導にあたりました。
しかし、1950年代にはピアノの演奏活動を再開、
1951年から1955年にかけてここで一部紹介する
ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を実現させました。
ベートーヴェンのピアノソナタ 颯爽とした青年ベートーヴェンの記録
僕はベートーヴェンは元来、社交的で陽の人だったと思います。
なんか音楽室のしかめっ面の肖像画や耳の疾患後の苦悩から
気難しくネクラな人のように思われている節もありますが、
根本が楽天的な人だったから乗り越えて行けたのだはと思います。
この作品を作ったことのベートーヴェンは、前途洋々の気持ちが
作品にも溢れていて、でもその中にハードボイルド的、カッコ良さも
持ち合わせていて、颯爽たる青年ベートーヴェンを連想させます。
ベートーヴェンのピアノソナタ イヴ・ナットの名録音で
イヴ・ナット(1890-1956)の名演が、モノラルながら名技師シャルランによる名録音で
残されていることはクラシック界の至宝です。
輝かしいキャリアを持ちながら、コンサート活動の騒音から身を引くことを願い、
40代半ばで作曲と教育に専念した孤高のピアニストです。
晩年に名技師シャルランのもと、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が
録音できたことは誠に幸福な事でした。
ナットの全集は、それ自体が、32の峰をもつ美しい連峰のようです。
心して聴きたいものですね。
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