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ブルーノ・ワルターの名盤 トスカニーニ追悼公演の”英雄”を聴け!

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1957年1月26日、20世紀前半を代表する指揮者の
アルトィーロ・トスカニーニが亡くなりました。

 

89歳でした。

 

そして1週間後の2月3日にカーネギー・ホールで、
ブルーノ・ワルター指揮シンフォニー・オブ・ジ・エアの演奏で、
追悼公演が行われました。

 

シンフォニー・オブ・ジ・エアは、元NBC交響楽団で、
54年にトスカニーニが引退してことで、
解散の予定でしたが、メンバーが反対し、
自主運営として活動していたオーケストラです。

 

曲目は、ベートーヴェン交響曲第3番”英雄”

ライブでの臨場感が、ひしひしと伝わってくる歴史的な録音です。

 




ワルターの英雄(1957年)は、宇野功芳推薦の歴史的名盤

 

ワルターは、この追悼公演では、

トスカニーニ流に演奏したと伝えられています。

 

だから、最初から速いテンポで推進力がある演奏です。

ただ、途中、ワルターらしいポルタメントが聴かれます。

 

ウィーン風というか、トスカニーニではまず聴くことは出来ません。

 

僕は、特に第2楽章が名演と思います。
故人へ深い思いが伝わってくるからです。

 

もしかして、この第2楽章を演奏するために

“英雄”が選曲されたのかもしれません。

 



ブルーノ・ワルターの名盤 宇野功芳の評価は今と昔

 

実は、僕はこの録音を最初に聴いたとき、
特に感銘を受けませんでした。

 

録音は良くないし、ワルターの演奏もせかせかした感じで、
落ち着かなかったからです。

 

ただ、僕が師として仰ぐ宇野功芳は、その著書で絶賛しています。

 

1982年に出版された『僕の選んだベートーヴェンの名盤』では、
◎の最高評価で、その文章にも力が入り、

 

“この二大巨匠の両方の長所を併せ持った名演である。全体に緊張感と生命力の限りを尽くし、音楽を凝縮しようとする気迫と、音楽を拡げ、歌わせようとする心が見事に調和し、素朴さを基本としながらも、十二分なロマンティシズムを持った独特の世界がここに築きあげられたのである。”

 

 

ただ、さすがに録音の古さは否めなく、

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2013年の『ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く』では、トーンダウンして、評価も落とし、

 

“演奏はワルターとトスカニーニの両方の長所を併せ持った名演だが、残念ながら今の耳で聴くと音がデッドで豊かさを欠き、もう一つ音楽を愉しめない憾みがある”

 

と書いています。

 

僕は、歴史的な録音としては、価値ある貴重なものですが、
音楽として楽しむには厳しいかなという評価です。

 

ただ、聴くべき名盤であることには変わりありません。

 



ブルーノ・ワルターの名盤 ベートーヴェン交響曲第3番

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”

 

1.(15:23) I. Allegro con brio
2.(16:03) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(05:59) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(12:10) IV. Finale: Allegro molto
total(49:35)

 

シンフォニー・オブ・ジ・エア – Symphony of the Air
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 3 February 1957, Carnegie Hall, New York

 

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(シンフォニー・オブ・ジ・エア/ワルター)(1957)

 

1957年2月3日、トスカニーニ追悼公演のライブ録音。熱烈なワルター・ファンとして知られる宇野功芳氏がことあるごとに絶賛している録音で、曰く

“ワルターのライブの最高傑作であり、これを聴かずしてワルターを語ることは決してできないと思う。[…]この「エロイカ」は何回聞いても新鮮さを失わず、およそ飽きるということがない”(<名指揮者ワルターの名盤駄盤>講談社より)
とペンも燃えてます。
HMVより

 



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