こんにちは、
ともやんです。
クナッパーツブッシュという指揮者は、僕にはとても不思議な人物に感じます。
しかもクナッパーツブッシュに関する書籍も少なく、当然自伝もなく、先日みすず書房から出ている奥波一秀著「クナッパーツブッシュ 音楽と政治」という本を買ってこれから読もうというところです。
現在出ている本では、吉田秀和著「世界の指揮者」で、クナッパーツブッシュの項があります。
この本は面白い本ですが、吉田氏は、ウィーンフィルの演奏会で、実際にクナッパーツブッシュの振る『ブルックナー交響曲第7番』を実演で聴いていながら、途中で眠ってしまったともったないことを書かれています。
その中でクナッパーツブッシュの指揮姿を書いた部分が面白いので引用します。
“クナッパーツブッシュの指揮姿もまことに変わっていて、この比較的小柄な老人は指揮台に立って、片手は台にめぐらした欄干につかまったまま、もう一方の指揮棒をもった片腕も最小限にしか動かさず、ときどきうんと気合をこめて前につき出すと、例のブルックナーのあのホルンだとかチューバだとかのファンファーレが湧然(ゆうぜん)として咆哮しだすという具合だった。
およそ、あんなに動かない指揮、腕というより腹でやっているみたいな指揮は、あとにもさきにも、ほかにみたことがない。”
なお、吉田氏は、クナッパーツブッシュを比較的小柄な老人と書いていますが、クナッパーツブッシュは、190センチ以上の長身だったとされているので、多分の吉田氏の印象がそう受け取った思われます。
クナッパーツブッシュの名盤 ブルックナー 交響曲第8番
この記事を書くにあたって、久々に聴きましたが、やはり深い感銘を受けました。
僕は、どちらかというとブルックナーの中でも第8番は苦手な方なのですが、クナッパーツブッシュで聴くと、この聴いている時間が永遠に続いてほしいと思うくらいです。
聴かずに死ねない名盤です。
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1892年稿)
Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
1.(15:55) I. Allegro moderato
2.(15:59) II. Scherzo: Allegro moderato
3.(27:41) III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend
4.(26:02) IV. Finale: Feierlich, nicht schnell
total(85:37)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 – Munich Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
没後50年クナ畢生の名盤が生々しい音質で蘇る! 『フィデリオ』からの2つの序曲も収録。2015年最新リマスター採用!
ウエストミンスター・レーベルの中でも屈指の名盤であるばかりか、クナッパーツブッシュの晩年を代表する至高のブルックナー録音としてあまりにも有名な演奏です。
数あるこの曲の中でも、ましてや50年以上経った現在においても最右翼に位置する演奏には違いありません。これまで語り尽くされてきた名盤中の名盤を、タワーレコード限定のオリジナル企画盤として再発売いたします。
これまで何度かCD時代に発売されてきたディスクと比べ、今回の発売では新規リマスター採用という点と、カップリング曲を変更した事が従来とは異なる点です。これまで良くカップリングされてきたワーグナー作品から、同じウエストミンスター・レーベルの「フィデリオ」全曲録音から2曲を、今回は特別収録としてカップリングしました(ワーグナー:管弦楽作品集は、同じくタワー限定盤PROC1512, 1513として発売中)。
これまで全曲盤でのみ聴くことができたこれら名曲を、始めての試みとして独立した曲として収録しています。
音質的には、これまで発売されてきたビクター音源(MVCW-14001)のマスターから、今回新規でリマスターを行いました。有名な17年前のCDマスターの延長線上にありながらも、新たな息吹を感じるクナ独自の音色をお楽しみください。
解説書には、福島章恭氏による序文解説を掲載しました。クナッパーツブッシュの没後50年に相応しい、保存盤です。タワーレコードより
コメント
私もこのCDを持っています。私の中で最高と思うブルックナー8番のCDは、このクナッパーツブッシュのものとシューリヒトが指揮したウィーンフイルのものです。クナッパーツブッシュの演奏はとても雄大なもので素晴らしいと思っています。これからもいろいろと教えてください。よろしくお願いします。ありがとうございました。